明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(307)福島のセシウム、政府発表の2倍?海へは東電発表の30倍?

2011年10月29日 23時30分00秒 | 明日に向けて(301)~(400)
守田です。(20111029 23:30)

海外から相次いで重要な情報が伝わってきています。一つは福島原発事故で放出され
たセシウムの総量が、日本政府の2倍超にあたるという推計です。ノルウェー大気研
究所の研究チームが発表し、主に韓国の複数メディアが取り上げることで日本に流れ
てきています。一部に自ら翻訳して情報を流してる方もいます。

さらにフランスの放射線防護原子力安全研究所が、海に流出したセシウムの総量が、
東電のこれまでの発表の30倍あるという試算を発表したことが、やはり韓国メディア
経由で流れてきています。どちらもかなり重大なニュースでありながら、日本国内
であまり重視されていないことも共通しています。

セシウムの総量がこれまでの発表から2倍以上というのが意味するのはどういうこと
でしょうか。これまで私たちが、「こんなもの」と知らさせてきたのと、同じ規模の
事故が実はもう一つ起こっていたことが明らかになったのと同じです。数値的には
もう一か所で同規模の原発大災害が起こっていたことが分かった・・・ことを意味
します。

海洋汚染が30倍というのは、もっと凄いことで、私たちがこれまで思ってきた汚染を
まき散らす事故が、さらに29回も起こっていたのと同じことを意味します。しかし私
たちは政府や東電がこれまであまりに繰り返し大ウソをついてきたので、こうしたこ
とに敏感に反応できなくなってしまっている。どんなに大きなウソが明らかになって
も、またかと思えてしまう面がある。しかしそれは相当に危険です。

本当に汚染が2倍超だというなら、今でも極端に少ない除染の予算を最低でも倍増し
なければいけない。海に対する対策は30倍する必要があります。いやそれだけでなく
て、そもそも汚染評価を即刻見直し、避難地域を大幅に拡大する必要がある。同時に、
そもそもなぜこれほどに汚染に対する低い評価がされてきたのか、その点を徹底的に
検証する必要があります。こんな大幅な過少評価は、それ自身が国民・住民への深刻
な裏切りだからです。

この点に留意しつつ、暫くこの大問題としての2倍、30倍問題について注意深い
ウォッチを続けます。

***

ノルウェー研究所、福島のセシウムは日本政府発表の2倍超=韓国
サーチナ 10月29日(土)16時8分配信

ノルウェー大気研究所の研究チームが、福島第1原発事故による放射性セシウムの流出
量は日本政府発表の2倍を超えるとの調査結果を発表した。韓国の複数メディアが28日、
相次いで伝えた。

ノルウェー大気研究所のアンドレアス・ストール氏が率いる研究チームは、原発事故
発生後から4月20日まで全世界の大気中に含まれる放射性セシウム137の量を分析した結
果、3万6000テラベクレル(1テラ=1兆)相当放出されたと試算した。

この量は原子力・安全保安院が6月に発表した1万5000テラベクレルの2倍以上で、史上
最悪の原発事故とされるチェルノブイ事故に伴った放出量の42%に相当する。韓国メ
ディアによると、同研究結果は研究の中間報告として学術誌『大気化学・物理』に掲載
されたという。

日本政府発表の放出量と大きな偏差がある理由について同研究チームは、日本政府が海
への放出量を推算に入れていない可能性を指摘。セシウム137の飛散状況については5分
の1が日本の地表面に、残りの大半は太平洋に流れたとみている。

一方、研究チームは福島第一原発の近海の汚染は相当期間続くと予想。セシウム137の
半減期は30年以上と言われており、すでに海に流れたセシウムに加え、雨水などで今後
も福島原発近くの海にセシウム137が流れ込む可能性があることから、汚染が長引くと
の見方を示した。フランスのIRSN(放射線防護原子力安全研究所)も最新の発表で同様
な見解示し、持続的なモニタリングの必要性を主張した。

韓国メディアはノルウェー大気研究所の中間報告やフランスIRSNの発表内容を元に「福
島の放射性物質の実際の流出量は日本政府発表の2倍以上」と相次いで伝えた。
(編集担当:金志秀)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111029-00000019-scn-kr

***

セシウム海洋流出、東電発表の30倍
TBS系(JNN) 10月29日(土)7時20分配信

フランスの研究機関は福島第一原発の事故で海に流出したセシウム137の総量につい
て、東京電力が発表した数値の30倍近くになるとの報告書を発表しました。

フランスの放射線防護原子力安全研究所は、福島第一原発から海に流出したセシウム
137の総量がおよそ2.71京ベクレルにのぼるという推計を発表しました。東京電力
は4月下旬の発表で福島第一原発から流出したセシウム137の放射能の総量を940兆
ベクレルと推計していましたが、今回発表された数値はその30倍近くに相当します。
報告書は海に流出した放射性物質の量としては過去最大としています。

今年の秋以降、遠洋の魚介類に対する汚染の影響は弱まると推測していますが、一方で福
島の沿岸部では「相当な汚染が当分続くだろう」と警告しています。
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20111029-00000017-jnn-int
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