明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(371)人口減、過去最大、震災と被曝の影響か?

2012年01月01日 23時00分00秒 | 明日に向けて(301)~(400)
守田です。(20120101 23:00)

みなさま。あけましておめでとうございます!
今年もよろしくお願いいたします。

今年最初の「明日に向けて」をお送りします。はじめから深刻な情報をお伝え
することになることをお許しください。

2011年末に厚生労働省が、「人口動態統計の年間推計」を発表しました。
東京新聞で短く報道されていますので、まずは記事全文を紹介します。

*****

人口減、過去最大の20万人 2011年の動態統計
東京新聞 2012年1月1日 05時00分

2011年に国内で生まれた日本人の赤ちゃんは10年より1万4千人少ない
105万7千人、死亡数は6万4千人多い126万1千人となる見込みである
ことが31日、厚生労働省の「人口動態統計の年間推計」で分かった。

出生数は戦後に統計を取り始めた1947年以降で最少、死亡数は最多となり、
出生数から死亡数を引いた「自然増減数」はマイナス20万4千人で、07年
以降5年連続の人口減。10年(確定数)の約12万5千人減から1・5倍以
上で過去最大の減少となった。

厚労省は「マイナス幅の拡大傾向は続く」としている。
(共同)
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2011123101001270.html

*****

ここにあるように、昨年の死亡数は2010年より6万4千人多い126万1千人で、
戦後最多になっています。このうち、震災で亡くなられた方は12月30日の
発表で15844人ですが、震災で直接に命を落とさずとも、その後に震災に
関連する方で亡くなられた方も多いと思います。

その数をどれほどに見積もればいいかわかりませんが、それでも6万4千とは
大きな差異があります。そこで考えられるのが被曝の影響です。被曝の影響
はがんの発生に偏って語られる傾向がありますが、実際には免疫力全般の低
下がおこるため、もともともっていた疾病の悪化などが起こりやすくなりま
す。

実際にチェルノブイリのあとでもこうしたことが各地でデータ化されています。
とくにアメリカでは、エイズ患者の死亡増加率が、1985年から86年がマイナス
10%ぐらいだったことに対して、86年から87年ではプラス100%と大幅に伸び
ており、高齢者の死亡も急増しているデータがあります。またチェルノブイリ
近郊のルギヌイ地区でも、重いガンにかかっている方の平均余命が著しく短く
なっているなどのデータがあります。

これらについては、日をあらためて具体的なデータを出したいと思いますが、
いずれにせよ、これまで確認されているのは、放射線が人間の生命力を弱め、
あらゆる病を強める傾向を持っていることです。そのために人の寿命が縮め
られてしまうのです。

こうした放射線の影響が、震災で生み出されたさまざまな肉体的かつ社会的
困難と複合して多くの方を襲ったのではないでしょうか。一人ひとりの方の
死因に目に見える形であらわれてはきませんが、こうした統計的事実をみて
みると、放射線が死期を早めている可能性が強く疑われます。

この推論の当否を確かめていくには、人口動態統計の詳細(各県別のデータ)
など、今後明らかになってくるものを検討するとともに、今後の人口動態
統計に注目し、今後数年、あるいはそれ以上の傾向をモニタリングし、検討
していくことが問われています。ぜひみなさんにこの点に注目していただき
たいです。

同時にまだデータ的に確実なことは言えませんが、膨大な放射能漏れと、
被曝の発生の中で、当然にも論理的に推論できる健康被害が、まさに今から
発生している可能性が大であることをしっかりとみすえ、これと立ち向かって
いくことが問われます。


実は統計的データの難しいところは、どれほどの放射線を浴びたかだけでなく、
その後にそれに人々がどう対応したかによって、当然にもその結果は変わって
くることです。その点で統計を待っていてはならないというか、ある意味で私
たちは、放射線の害が統計的にできるだけ少ししかカウントされないことを目
指していることを踏まえておくべきです。

10万人のうちに何人がガンになるのかどうか、そのうち何人が亡くなるのかと
いうことも、どれだけの栄養が供給されているのか、ほかのガンの因子がどれ
だけ排除されているのかなどにも大きく依存します。またガンになった場合の
救命率や余命も、医療体制の充実の度合いにも依存します。

その意味で、放射線の害が統計的に確かめられるのを待たずに、放射線の
危険性を十二分にも意識して、たとえ事後的に過剰であったとわかるのだと
しても、今は、徹底した放射線防護をなし、またそれでもある程度は避け
られないことを考えて、免疫力をアップさせる努力を続けるべきです。

その点で、今、免疫力を落としている方、深刻な疾病を抱えている方もまた、
妊婦さんや子どもたちと同様に、放射線に対して敏感な存在であると捉え、
避難を含んだ必要な対処を検討していく必要があります。放射線量が高い
ところにいて、体調不良を訴える方がいる場合は、せめてもしばし、危険
地帯から離れる工夫をするなどの対処を重ねていきましょう。

新たな年を、良い年にしていくために、まず私たちはあらためて放射線の
危険性への意識を高め、前向きに、積極的に、これと立ち向かって、困難を
越えていく決意をあらたにしましょう。

僕自身、こうしたみなさんの努力にとって少しでも役に立つ情報を、今後も
発信していきたいと思います!
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