守田です。(20140408 22:00)
4月15日から4月27日にかけて、京都府京都市、岡山県瀬戸内市、京都府亀岡市で講演を行います。
15日と18日は京都市左京区のキッチンハリーナにて。旅の報告に特化して行います。
ベラルーシで見てきたこと、この間、連続的に記事を上げているトルコのシノップ原発反対運動との交流について、そしてドイツでの講演のお話をします。
15日と18日に分けているのは、夜しかこれない人、午前中にしかこれない人のため。基本的には2回とも同じ話をします。どちらか都合の良い方にお越しください。
4月20日は岡山県瀬戸内市でお話します。内容は福島原発事故と被曝対策のアウトライン、食べ物の安全の話、そして旅の報告です。
この企画は、昨年末に岡山県美作市に講演で呼ばれたときに、会場に駆け付けてくれて、素晴らしい津軽三味線の演奏をしてくださった蝦名宇摩さんからご依頼をいただいて作られたものです。
蝦名さんは福島原発事故が起きたとき、埼玉県に住まわれていました。原発の爆発を見て、すぐに逃げ出さなければと決意し、娘さんや妹さん夫婦などと懸命になって埼玉を飛び出されたのだそうです。
しかもそのとき、僕がメールで発信していた原発周辺からの避難を呼びかけるメールを読み続けていてくださったのでした。まだ「明日に向けて」と題する前の「東北地方太平洋沖地震について」および「地震情報」と題したものです。
僕は前者のタイトル11本、後者のタイトルで35本の記事を配信し、3月26日からタイトルを「明日に向けて」に代えたのですが、その本当に初期のものを、西を目指して走る車の中で、読んでいてくださった。
当初、僕はメールを介した発信をしていたのですが、これが友人を介して富士山の麓に住まわれている「槇田きこり但人」さんにわたり、さらにきこりさんから多くの方に転送されていて、蝦名さんの元に届いていたのでした。
僕は美作での講演のときに初めてこのことを知りました。蝦名さんが津軽三味線の演奏を始める前のトークでおっしゃって下さったからです。ものすごく胸を打たれました。あの時、必死になって発信した内容をリアルタイムで受け取って下さっていた避難者の方と初めてお会いできたからでした。
そもそも蝦名さんはわざわざ僕に会うために三味線を抱えて美作市まで来てくださったのですが、僕がこの美作に呼んでいただけたことにも縁のつながりがありました。
僕を繰り返し呼んでくださった広島県尾道市の方たちの中の大住元美登里さんが、美作の方たちに僕を紹介してくださったのです。尾道、美作とつながった縁が、僕を蝦名さんに、瀬戸内へと結び付けてくれた。
その尾道市との縁は、肥田舜太郎さんによって結ばれました。2011年7月に僕は肥田先生宅を訪れ、インタビューをさせていただき、岩波書店の『世界』11月号に掲載させていただきました。
これを読んだ大江健三郎さんが感動してくださり、東京の集会で、「このインタビューは福島のお母さんたちが読むべきバイブルです」とおっしゃってくださったのですが、その集会に尾道の方が参加していてくださり、すぐに『世界』の記事をお仲間に回してくださったのです。
それで肥田先生を尾道に呼ぼうということになり、500名も集まる大きな集会を行われました。そのときに、僕が矢ヶ崎さんと一緒に出した岩波ブックレット『内部被曝』を取り寄せて会場で100冊も売ってくださったのです。
さらに肥田先生に続いて僕を呼んでくださって尾道での講演が実現したのですが、その後も何度も呼んで下さり、さらにその縁で福山、三原、広島市、三次市へとつながりました。何とも言えない縁の連鎖でありがたい限りです。
こうしたことを経て、今回、瀬戸内市に呼んでくださったことに対して、僕も積極的に縁をつなげていきたいと考えて、やはり何度も僕を呼んでくださっている加古川市の「脱原発播磨アクション」の方をお誘いすることにしました。
ちょうど19日に7月の企画の相談で加古川を訪れることになったので、そのまま播磨に泊めさせていただき、翌日、播磨アクションの菅野さんらと一緒に瀬戸内市に向かうことにします。
尾道の方たちにもこの20日の企画を呼び掛けようと思っています。美作のみなさんも瀬戸内に来てくださるそうです。
そうやって山陽道、中国道地域に、タテヨコのつながりが広がっていくといい。縁が結びつき、人の輪が広がり、放射線防護、脱原発の声がさらに高まっていけばいいなと思います。
その中で今一度、広島・長崎原爆を見つめ直し、捉え直し、歴史を再構築する中から、長い間歪められてきた放射線被曝の実態をただし、被曝防護の徹底化を図り、核のない世の中を力強く目指していく、その流れを強めることに寄与したいです。
そんな気持ちで、20日の瀬戸内の企画に臨みます。
4月27日は京都府亀岡市、大飯原発から30キロ圏内に入るこの町で、原子力防災について、避難の準備についてお話します。
昨日アップした「明日に向けて(816)トルコ・シノップ原発建設を止めるために(3)」の中で、まだまだ危険な状態にある福島原発の現状に対して、真正面から向き合い、広域の避難訓練を行うべきことを書きましたが、それは全国で行うべきことです。
もちろん原子力災害への防災体制を作り出してくことは、原発の再稼働を何ら容認するものではありません。福島原発事故の中の4号機の危機のように、原発は運転していなくても、大変な危機に陥ることがありうることを見据えて、防災体制をとっていくことが大切なのです。
その際、大事なことは、原子力災害に備えることは無理だ!と安易に結論付けてしまわないことだと僕は強く思っています。正確には、理想的にすべての人が難を逃れることは確かに不可能なのですが、だからといって「災害対策は不可能」と結論づけてはいけない。
そうではなく「減災」の観点に立ち、少しでも多くの人を逃れさせること、あるいは少しでも被曝を減らすための工夫を真剣になって重ねる必要があることを僕は強調したいのです。
そのことを可能な限り、地域の行政の方たちと一緒になって考え、計画を組み立てていただきたい。そうすると本当にいろいろなことが見えてきます。
何より重要なのは、避難計画をリアルに立てようとすると、誰かが人を逃がすために被曝覚悟で避難誘導などの仕事に従事しなければならないことが見えてきます。それを誰に割り振るのか、どうやって決めるのか、本当に難題です。
しかしそれを決めなければならないのが、私たちが立っている現実なのです。目の前に原発があるということはそのことを意味しているのだというリアリティを、ぜひそれぞれの地域で共有しあって欲しいのです。
同時に、それは「万が一の事態への想定」なのではなく、現に福島原発事故への対処で日々行われいてることであることに、避難計画の策定の中で、リアルに気づいていって欲しい。なぜか。私たちは今、多くの福島原発現場作業員の方たちを被曝させながら、私たちの安全を守っているのだからです。
いやそれ以前から、つまり原発が稼働し、発電をしていたときからそうなのです。原発は被曝労働なしでは動かない。原発が電気を供給しているということは、誰かが職業的に被曝しているということなのです。
本当に残念ながら、無念ながら、私たちの多くはこのリアリティを考えてくることができませんでした。そうして被曝は「原発ジプシー」と呼ばれる弱い立場で働く方たちにしわ寄せしていたのでした。しわ寄せして、被曝実態もあいまいなままに多くの働く方たちが使われてきたのでした。
すべての電力会社はそのリアリティを知っていた。人を被曝させ、それを隠し、あいまいにし、その上に利益をむさぼってきた。そのことを見過ごしてきてしまったことを私たちは今一度、深く反省する必要があります。
原子力防災への本気の取り組みは、そこまで広がる内実を有したものです。もう一度言いますが、現に原発がある以上、再稼働しなくても事故は起こりえます。だから事故に備える必要があるのです。
理想的な避難はもちろん絶対に無理。誰かが必ず被曝する。そのことを頭に入れ、では誰かを犠牲にして誰かを助けることをどう考えていくのかを私たちは語り合い、考え抜き、方法を講じていかなければならないのです。
そこまで広がる原子力防災の中で、亀岡ではさしあたって市民の側は、原発事故にいかに備えたら良いのか、備えるべきなのかをお話したいと思います。お近くの方、ぜひご参加ください。
以下、それぞれの案内を貼り付けておきます!
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4月15日 京都市左京区
4月18日 京都市左京区
ベラルーシ、ドイツ、トルコ訪問の旅の報告会を行います。
京都市左京区のキッチンハリーナにて。
夜の部:2014年4月15日(火曜日)夜19時〜
朝の部:2014年4月18日(金曜日)朝10時〜
※ カンパとして500円をお願いしています。
申し込みはキッチンハリーナまで。
京都市左京区田中大久保町28-6 冨田ビル
電話&FAX 075-724-3568
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4月20日 岡山県瀬戸内市
市民ボランティア・せとうち交流プロジェクト企画
~福島・ベラルーシ・ドイツ・トルコの現状報告~
守田敏也 講演会
子どもたちの いのちを守るために 今、私たちにできること・・
開催場所 ゆめトピア長船 (2Fリフレッシュスタジオ)
住所 〒701-4264 瀬戸内市長船町土師277番地4
電話:0869-26-8001(代表)
FAX:0869-26-8002
日 時 2014年4月20日(日)
開 場 PM 1:00 ~
開 演 PM 1:30 ~ PM 4:00まで
参加費 500円
定 員 100人
託児有 無料(要予約・定員/10名)
主 催 市民ボランティア・せとうち交流プロジェクト
問合せ 蝦名宇摩(090-4964-4147) kara-isa-uma@docomo.ne.jp
https://www.facebook.com/photo.php?fbid=10202537735382949&set=pcb.10202537757303497&type=1&theater
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4月27日 京都府亀岡市
「亀岡市の防災計画 〜まちは私たちを守ってくれるのか?〜」
とき:4月27日(日)13:30〜15:30
ところ:ガレリアかめおか2F研修室
住所 :京都府亀岡市余部町宝久保1-1
参加費:カンパ制
講師:守田敏也さん
定員:30名
当日参加も歓迎!(参加者多数の場合、事前申込者優先となります)
主催:市民まちづくり 風の会
亀岡市は大飯原発をはじめとする福井県若狭湾の原発群にも近く、もしものことが起こった場合を想定して置かなくてはならない位置にあります。
亀岡市が被災したときに、私たちは何ができるでしょう?
まちは市民を守ってくれるでしょうか?
だけど、原発から30km圏内の亀岡市は市民のための防災計画策定の義務がありません。
自分たちでできること、みんなでできること、行政に求めていくべきことを考えましょう。
https://www.facebook.com/events/1407044162889801/
以下からも申し込みができます。
http://kokucheese.com/event/index/158132/