明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(830)市民放射能測定所の意義と新たな役割を考える(4)・・・奈良測定所講演録から

2014年04月20日 09時30分00秒 | 明日に向けて(801)~(900)

守田です。(20140420 09:30)

加古川市にいます。昨日は脱原発播磨アクションの方たちのミーティングに参加させていただき、旅の報告をしたり、今後の企画の相談に乗らせていただいたりしました。
そのままメンバーの方のご自宅にお世話になり、交流の夕食会を開いていただき、泊めていただきました。

今日はこれから播磨の方と一緒に、瀬戸内市を目指します。午後2時から講演会ですが、各地の運動体の方が集まってくださるそうです。
僕が聞いている限りでは、瀬戸内市、播磨の他に、岡山市、赤磐市、美作市の方が集って下さるそうです。僕をよく呼んでくださる尾道市の方も参加されます。
今日の会合も一つのきっかけにしながら、山陽道と中国道のタテヨコの糸がつながり、脱原発の声が大きくつながっていくといいなと思っています。
そんなことも考えながら、講演を頑張らせていただくつもりです。


さて、今回の「明日に向けて」も3月30日に奈良市民放射能測定所の開設1周年記念企画でお話した内容の続きをお送りします。起こしの6回目です。
今回も市民測定所の役割についての考察ですが、前回で測定所に「食の安全全般を目指すセンターに」飛躍して欲しいと提案したことを踏まえて、今、食の世界で何が起こっているのかをお話しました。
最初の小見出しは「激太りに向かっている世界」という恐ろしい!ものです。「マクドナルドの恐ろしさ」についてもお話しました。
身体を守るために日常生活ですぐにも応用できる知識を語りましたので、ぜひお読みください。

なおこの講演録は、奈良市民放射能測定所のブログにも掲載されています。前半後半10回ずつ分割し、読みやすく工夫して一括掲載してくださっています。
作業をしてくださった方の適切で温かいコメント載っています。ぜひこちらもご覧下さい。

守田敏也さん帰国後初講演録(奈良市民放射能測定所ブログより)
http://naracrms.wordpress.com/2014/04/08/%e3%81%8a%e5%be%85%e3%81%9f%e3%81%9b%e3%81%97%e3%81%be%e3%81%97%e3%81%9f%ef%bc%81%e5%ae%88%e7%94%b0%e6%95%8f%e4%b9%9f%e3%81%95%e3%82%93%e5%b8%b0%e5%9b%bd%e5%be%8c%e5%88%9d%e8%ac%9b%e6%bc%94%e3%81%ae/

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「原発事故から3年  広がる放射能被害と市民測定所の役割  チェルノブイリとフクシマをむすんで」
(奈良市民放射能測定所講演録 2014年3月30日―その6)

Ⅱ.市民放射能測定所に求められることとは? ~提案として~

【激太りに向かっている世界】
WHOの2013年の世界各国の肥満に関する発表を見ると、1位アメリカ、2位メキシコに続いてシリア、ベネズエラ、トリニダード・トバゴ、イラク、トルコ、チリなどが続いています。
OECD加盟国でない国がたくさん出てきます。それでもアメリカとメキシコは飛びぬけていて、世界の1位と2位にあります。
OECDで3番目に太っているイギリスは、OECD非加盟国を含めた統計ではやっと19位で出てきますね。
全体としてより貧しい国のほうがどんどん肥満率が上がっている。今や肥満は金持ちになるとなるものなのではないのですよ。むしろ、金持ちになればお金をかけてダイエットをしたり、より身体に良いものを食べるとかして、むしろ肥満率が下がっていく傾向にあります。

子どもたちに見せている怖い写真をお見せします。病的に太ってしまった人たちの写真です。極度に肥満して自力で移動できなくなり、小さなカートのようなものに乗っている男性の写真などがありますが、実はこれでもまだ、穏やかな写真を持ってきているのですよ。正視に耐えない写真もいっぱいあります。
当然これだけ太っていると心臓に大きな負担がかかりますから、アメリカでは心臓病で倒れる人が激増しています。心臓病で倒れた人のところに、救急車が来る。そうすると救急隊員がその場で唖然とする。なぜかと言うと建物から出せないのです。体重がどのくらいあるのかというと450キロもあったなどということがあった。
最近では救急隊もだんだん学習を深めてきていて、どうもかなりの肥満の人が倒れたらしいというときは、救急車の後ろからクレーン車がついていくのだそうです。アメリカの家は構造が簡単なものが多いので、上から屋根を取って、ベッドごと吊り出して病院に運んだのだそうです。そんなことが増えています。

【食べ物産業の歪んだありかたと私たちは闘っていかなくてはならない!】
今、世界的に、売られている食べ物が非常に悪くなっています。「食べ物が悪い」と聞くと、添加物など、化学物質のことを考えると思うのですね。
もちろんその面もあります。化学物質が非常に悪い影響を与えていることは間違いないのですが、もっと単純に、白砂糖を多くすることで身体に悪くなっている例が多いです。
砂糖は食べ物をおいしくする魔法の粉です。しかし砂糖、とくに精製された白砂糖がたくさん入ったものが増えることによって、人間の満腹中枢を壊してしまって、どんどん際限なく人々がものを食べる方向に、食べ物産業が人々をリードしている現実があるのです。
子どもたちには、具体的に「こういうものは食べないようにしよう」と話をするのですが、そのとき一番に挙げるのはコーラですね。スライドでコーラの瓶の横に、そこに入っている分量の角砂糖が積みあげてある写真を見せるのですが、本当にギョッとするぐらい入っいます。

500CCの瓶で16個ぐらい。65グラムぐらいになります。
僕は広島県の三次市で二回講演したのですけれど、一回目の講演の話を聞いてコーラを飲むのを止めたという方が二回目に来てくださいました。その方は体重がもともと116キロだったそうです。二回目の講演に来てくださったときは96キロになっていた。20キロ減だったのです。
話を聞いたら、以前は毎日500CCのものか1リットルのものか分かりませんが、とにかくコーラを5本飲んでいたそうです。で、それをぴったりやめてわずか4ヶ月で20キロ落としたというのです。それだけでですよ。
逆に言うと、コーラをどんどん売ることがどれだけ罪なことかが分かります。明らかに人間の身体を悪くするものを、どんどん売っているのですよね。

【マクドナルドの恐ろしさ】
次に子どもたちに行ってはいけないというのはマクドナルドです。子どもにはこの話が一番分かりやすい。あと「ヤマザキパンを食べるな」とも言ってます。
スライドで「マクドナルドの恐ろしさ」を幾つかにまとめてあるのですけれども、マクドナルドはいかに人にものをより多く食べさせるかのかということを研究をしてきた会社なのです。
アメリカはご存知のようにクリスチャンの方が多い国ですよね。キリスト教には「七つの大罪」、犯してはならない罪があるそうで、その4番目が実は大食いなのです。
大食いを恥とする文化の社会の中で、マクドナルドは人々にどうすればよりたくさんの製品を食べさせることができるのかを研究した。

この研究は、「マックフライポテト」で行われたそうです。研究の仕方はわりとシンプルでした。マックフライポテトを食べている人を遠くから双眼鏡で観察するのです。
そうすると、食べ終わったあとに多くの人が箱の中に手を突っ込んで塩を舐めているのだそうです。
「要するに連中はまだ食べたいんだ。食べたいのにどうして食べないんだ?」とマクドナルドは考えた。出した結論、「大食いが恥だから2個買えない」ということでした。2個買えないのだったらどうするか。答えはポテトの入れもののサイズを大きくすることでした。
単純なのです。その後、同じ発想が他の商品にも適用された。コーラもハンバーガーも大きくなって、ハンバーガーは「ビッグマック」とか「メガマック」になっていった。あとはセット販売です。一つのセットで値段的にもお得感を出して、よりたくさん食べさせる。

ちなみに、ハンバーガー、ポテト、コーラの三つの中で一番もうかるのはどれだかわかりますか?
答えはコーラです。原液はほとんどただに近いからです。それをどんどん飲ませる。今は1リットルサイズのカップがあるそうですが、それに合わせてアメリカの車の缶ホルダーが変わってるらしいです。
バケツみたいなものを運転席の横においてガブガブ飲む。角砂糖が30個以上も入ったバケツです。ブッシュ・ジュニア元大統領も、会見や晩餐会のときにコーラを飲んでいたそうですね。
多くの人が完全にそういう生活スタイルにはまっているのでしょうが、ともあれマクドナルドにしろコーラ会社にしろ、自社製品が明らかに身体に悪いことが分かっていながらどんどん売っているわけですね。

【中国・インドがとくに狙われている】
そういう産業が世界の中で大きくなっています。今、世界の国々の中でも一番狙われているのが中国とインドだと言われています。このままでは間違いなくこれから中国とインドの方たちは激太りしていきます。
中国ではもう始まってもいます。中国が経済的に豊かになったからではありません。ひどい食べ物を平気で売る産業がどんどん進出していく中で、そういうことが起こっているのです。だから、僕らは、このようなひどい食べ物の流布と闘っていかなくてはいけない。
放射能のことで一生懸命に頑張って、汚染物を除去しても、極端な肥満が嵩じれば、放射線被曝がなくても命が縮んでしまいますよ。
そのような最終的には人の命を奪うようなものをを平気で売っている産業が野放しになっているのが、私たちの世界のありかたなのです。だから、この状況と本気になって闘っていくことが問われています。

【ドナルドに引退勧告!】
マクドナルドのキャラクターに「ドナルド」というピエロがいますね。アメリカでは「ロナルド」なのかな?それはともあれ、アメリカではようやくマクドナルドへの規制が始まって、このドナルドに引退勧告が出されています。
とくに学校からの排除が進められている。最近ニューヨークから来た友人に聞いたら、もうニューヨークではマクドナルドは姿を消しているらしいですね。ではどこに行くのかというと、世界各国にどんどん進出しているのです。ニューヨークから消えたものがそれこそ北京とかに入っていってるのです。
もちろんマクドナルドハンバーガーは、使っている肉自身も悪いことが指摘されています。添加物も非常に多い。マックフライポテトは16種類もの添加物を使っているそうです。ジャンキーな味覚を刺激する味わいになっているのでしょうね。
こういうこと全般と対決して、食べ物の安全を守りましょう。

続く

コメント
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