今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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どこまで続くぬかるみぞ(PEN-F)

2010年12月21日 19時44分17秒 | インポート

Dscf160164 ちよっと腕時計の分解で時間を使っておりました。で、カメラに戻ります。次もPEN-F #2454XXですね。FTたちはどこへ行ったのかなぁ? Fは精神的に疲れるのよね。この個体は、ご友人のお家にあったものを譲り受けられた由。メカ的には各部の改良が終っている頃の個体ですけど、巻上げをしても全くレリーズボタンが降りない。底蓋を開けて見ると、巻上げ不完全の時にシリーズボタンが降りることを防止する止めレバーが降りたままとなっていますね。これはシャッターの作動に問題がありそうです。

Dscf1603661

分解してみると、シャッター幕が正規の位置に戻っていない。これはブレーキに問題がありますね。

Dscf160755 ブレーキを分離してみると・・完全に固着して一体物になっています。ここまでのものは珍しいですね。長期の放置が原因だと思われます。

Dscf160889 Oリングを分離してみると、激しく腐食して固着していました。フランジ内を丁寧に研磨しておきましたのでピカピカです。その他、シャッターユニットの洗浄も終っています。特に不具合は無いと思いますが、過去にシャッターユニットまで分解を受けていました。何が不具合だったのでしょうね? まぁ、何事も無く組み上がってくれることを願います。最近疲れ気味なので・・

Dscf161961 はじめの不動状態からは想像出来ず、意外にメカに問題はなく作業が進んでしまって画像がありません。中期以降の製品でシャッターユニットのレリーズレバーが改良型(3回設計変更されています)が付いているのも作動の安定に寄与しています。また、光学系も状態は良く、プリズムや全反射ミラーの腐食もありません。よって、ミラーは再使用としています。

Dscf162034 付属で来たズームレンズは現実的ではない状態なので当方在庫のF用38mmをお付けすることにします。現役の個体として流通していた個体と違って、長期死蔵のカメラですから、返って消耗が少ないなどの利点もあるのです。底蓋はキズがありますが、他は非常に良いFとなっています。現役復帰出来たことがうれしいですね。オーナーさんはカメラファンというわけではなくて、たまたま譲り受けたので使ってみたいというのが修理のきっかけです。京都にお住まいで、普段は東寺の弘法市でソフビの怪獣人形を探して欠損した部分のレストアをされており、ホームページもお持ちです。そう言えば、うちの大阪のご常連さんも弘法市通いをされていますので、どこかすれ違っていらっしゃるかも知れません。ホームページを訪問して差し上げてください。怪獣れすとあ工房

http://www.geocities.jp/kaiju_restore_koubou/