ちょっとバタバタしていますので、UPはお休みと思いましたが、クリックしてくださる方が多いので・・しかし、書くこと無いのです。このPEN-F #2275XXは非常にきれいで、巻上げも軽い(軽すぎる)個体ですが、O/H済みを購入されていたようです。O/H済みですから、当然分解歴はあるわけですが、リターンミラーユニットが分解されていますね。まずこの画像から、プリズムとスクリーンが分離されたことが判ります。ゴムびきの遮光マスクが、スクリーンの金属枠の内側に入っています。本来は、プリズムの端の入ります。また、何故かリターンミラーの劣化は進んで、交換をご希望です。まぁ、現状でも問題はありませんが、気分の問題。
トップカバーを外してみます。きれいに古いモルトを清掃してありますね。しかし、新しいモルトを貼ることも省略しています。
では、本体の組立ての前に、時間の掛かるリターンミラーの接着をしておきました。(前日の作業)接着硬化後、前板に取付けておきます。
洗浄をしたダイカスト本体。初期は黒ずんだ肌をしていますが、この頃はきれいなアルミ色。ロータリーシャッター幕の部分も無塗装ですが、その後(FTなども)軽く艶消し黒塗装を掛けるようになります。ミステリーは、シボ革の接着剤。バリバリに硬化しており、溶剤では溶けません。仕方なく、水で洗浄していましたら、あらら、溶けて来ましたよ。どんな接着剤だったのでしょう??
シャッターユニットを洗浄しました。基本的には悪くはないユニットです。ただし、チャージギヤ軸は、やや磨耗が進んでいますね。テンションも正常範囲ですので、このままとします。
この個体は珍しくブレーキは利いていました。ピンセット先のブレーキリングが、シャッターを切ると慣性により→の部分まで移動して衝撃を緩和します。今回はOリングの交換は致しません。
前板の組立てます。残ったビスは短いビスが3本でしたが、中央下に使われるビスは、ピンセット先の長いビスが正規です。短いビスは左上下のみ。よく間違われて混用されています。
シャッターダイヤルを付けてこのようになります。リターンミラーは新品に交換済み、フレネルレンズは汚れがモールドの谷部分の入り込んで、拭き上げでは取れませんので、超音波洗浄をしてあります。プリズムは、僅かに腐食があるのが残念ですが、Fとしては保存状態は良好な方です。
おっと、ここで問題発生です。スプール軸とスプールギャとの組立てネジ山が破壊しました。これはPEN-Sなどでも起こりますが、工場での組立時に緩み防止で強く締め込まれたため、ネジ山が損傷しており、一度分解して再組立をすると破壊するものです。特にFは駒数カウンター用のギヤが嵌るため、細く設計をしてあるので、ネジ部が破損しやすいのです。ここは分解しない方が無難ですが、そうもいきませんので・・・
スプール軸とスプールギヤは良品と交換して組み直してあります。全反射ミラーは良好のため再使用としています。
トップカバーを着けると裏蓋と干渉するため、調整ワッシャーを追加して組んであります。レンズを装着して作動を確認しています。レンズの駆動トルクも回復して快調となっています。