今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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英国帰りのPEN-W

2012年12月08日 21時08分22秒 | インポート

Dscf032402 英国から帰った輸出機のPEN-W #1131XX (1964-9月製)が来ていますが、海外にあったものは外観の状態がよろしいですね。シャッターは不動ですが、特に大きな問題は無いと思いますので、簡単にUPしておきます。まず、この個体は未分解機ですが、シャッターユニットの留めビス1本が斜めに刺さっていますね。ビスのスリ割りには全く損傷はありませんので、これは工場で組まれたものでしょう。昨日採用した女工さんが組んだのでしょうね。検査で発見されないのは問題です。この部分もそうなんですが、米谷さんの設計は、工具が垂直に入らないところが多過ぎます。

Dscf032602 シャッターを分解洗浄をして組み立てて行きますが、ハウジングのネジ孔です。この部分がビスを斜めに締め込まれてねじ山が損傷しています。リーマを通した方が簡単ですが、ねじ山の数が少ない部分ですので、裏からビスを締めこんで矯正した方がねじ山の減りを防止できます。

Dscf032702 トップカバーの裏側の塗装もきれいですね。分解清掃をしたファインダーを組み込んでいます。ハーフミラーの状態も良好です。

Dscf032801 湿度の違いで、これだけ塗装の状態が違うのです。とは言っても、この個体は、あまり使用されなかったようです。国内保管の個体では、ピントリングやシボリ・シャッターリングが激しく腐食しているものが多いですね。良く、これらの修復は出来ませんか? とお問合せを頂きますが、母材が侵食されていますので、再メッキ(アルマイト)を掛けても、元の状態にはならないのです。レンズの状態と作動も良好なすばらしい1台。ft表示に注意。