カメラの方がちょっと暇気味なので所有している時計を仕上げて見ます。セイコー・スポーツマチック 5 DX で7619-9010という1966-6月製造のモデルです。このシリーズは、がっちりとしたケースにリューズ以外に日送りボタンがある2ボタンが特徴で、ハック機能付きの25石になります。バリエーションの多いケース/文字盤の中、このモデルの文字盤デザインは、オーソドックスな仕上がりで好ましいです。
機械は特に問題は無く、輪列を組んで行きます。受けの合いも良く、ザラ回しもスムーズです。香箱のゼンマイはオイルは完全に乾燥した状態で、汚れが激しいので洗浄して注油をしてから組み込みます。
文字盤を付けてあります。セイコーらしい非常にオーソドックスなデザインですね。針は手持ちの中から、なるべく状態の良いものを選んで使います。
2ボタンのケースは、年代相応の傷がありますので研磨をしてあります。風防も新品が入手出来ましたので交換します。風防が新品となると、スカッと抜けたようにきれいになりますので、出来るだけ探して交換したいものです。
テンプの振り角と片振りを見て調整をして行きます。次に時計の進み、遅れの歩度調整をします。しかし、古い機械ですから、姿勢差によって値は変化をしますので、出来るだけ安定するように調整を繰り返します。
新しいOリングをセットして裏蓋を圧入します。隣りは方位磁石。時計が磁気を帯びていると歩度に影響しますから、磁石を近づけて、針が動く場合は消磁器によって消磁をしておきます。本来は歩度調整の前にチェックです。幸い、この個体は帯磁はしていませんでした。
新しいバネ棒を使って、ベルトを付けます。今回はモレラートのSANBA(黒)をチョイスしました。(安いので)
あら暗い画像だこと。キングセイコーなどとは行きませんが、がっちりとしたケースに2ボタンで、セイコーらしいセンスの良い文字盤で、黒ベルトとの相性も良く気品がありますね。スポーツマチックシリーズは私のお気に入りです。ご希望の方がいらっしゃればレストアを致します。