ウチのご常連さんの愛機。ヤダって言ったんですけどね。来ちゃいました。PEN-EMです。昔ね、使用されているトランジスタがパンクしていて、秋葉原のジャンク街を探し回ったのが20年ぐらい前の話です。第一世代のトランジスタだからね。小型軽量がコンセプトのハーフカメラを高級化、電動化して行くと、気が着いたら本来の位置づけとは違ったところに来てしまったという感じですかね。大手電機メーカーに勤務している友人に聞きましたら「電気素子なんで10年以上は性能保証なんでできないよ」ということだそうで、このカメラは1965年ぐらいの製造でしょ。まぁ、直せるところは直しますけどね。で、シャッターを切っても巻き上げがしない。とのこと。EMの電池室は液漏れしているものが多く、接点が損傷していて導通不良になっている個体もありますね。この接点は何かへんだなぁ?
接点に半田メッキしてありますね。過去に修理を受けています。電池との接触を確実にするため、ゴム片が挟まれています。電池蓋のロックが掛かりずらかったのはこれが原因です。撤去します。
液漏れのガスが裏側まで腐食させています。この基板は折れているものが多いのですが、この個体はクラックはありますが、辛うじてセーフ。本来でしたら接点の作り直しをした方がよさそうですけど、取りあえず研磨で対応してみます。
発売当時はマンガン電池でしたから単三2本(3V)では巻き上げは厳しいですね。調整の結果、正常に巻上げられています。
それでは、ファインダーも曇っていますので清掃をしておきます。PEN-D系と同様なファインダー。
ここも過去に清掃を受けていて、遮光紙が破れていますので新しく製作して接着します。
カバーを取り付けて完成。しかし、重いですね。電池装備で595gでした。巻上げレバーを取り去るだけに、これだけ重いカラクリが必要なのかは今となっては疑問のところですが、当時は電動化のコンセプトで市場に投入することが命題だったのでしょうね。生きた化石で撮影を続けておられる方が約1名・・