今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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オリンパス・35Ⅳのメンテナンスの巻

2017年08月16日 18時15分24秒 | ブログ

みなさんはお盆休みで旅行されている方も多いでしょうね。私はどこへも行きませんが、ここのところの関東地方の天気は異常です。毎日雨が降り続いて1970年代以来らしいですが、まぁ、猛暑も体に堪えますからね。で、大阪のご常連さんからオリンパス35Ⅳですかね。来ていますが、お知り合いの方の遺品だそうです。35Ⅳは1953年製とかで私と同じ歳ですね。それにしては裏蓋の底部のメッキが薄くなっている以外は外観は非常にきれいです。大切にコレクションされていたのでしょうかね。

どこのメーカーに関わらず、この時代のカメラは機械加工部品の組み上げでがっちりと作られているのは機械好きの私としては魅力的ですね。必要な部品を並べて行ったら出来ちゃった。というようなデザインです。

 

何故かズイコーレンズの後玉は曇りますね。シャッター羽根の直後なので、切っ掛けは油の付着なのでしょうか。

 

PENばかり見ているとビックリするようなモノづくり。スプロケットなんかコストが掛かってますね。

 

ファインダーは簡単な逆ガリレイ式で対物、接眼レンズ2個ですからスッキリした見え方。倍率は当然一倍以下。シューは下駄を履かされて、この高さでないとファインダーとのクリアランスが確保できないからでしょうね。

 

圧板はガラス製とメッキ製があるようですが、これはメッキ製ですね。

 

 

問題の後玉。ルーペで観察すると曇りだけではなく、線状痕的にガラスも浸食されています。う~ん、思案の結果、レンズは研磨をして本体はメンテナンス程度としておきます。

 

シャッターはコパル製ですが、時期によってシャッタースピードが1/200と1/300が存在するようですけど、この個体1/300です。セルフコッキングやセルフタイマーなども無いシンプルな構造のシャッターで、作りに無理がないので故障は少ないと思います。スローガバナーはユニット化されていて、PENのユニットに比べて神経質なところはなく、これぁ、不調にはならないだろうなぁという気がします。但し、アンクルの動きは重要ですので、完全に洗浄と注油をして組み込みます。

スローガバナーを組み込みます。

 

 

チャージレバーをセットて作動を見ます。

 

 

ファインダーの対物レンズはPENのように接着ではなく、板バネ固定なので分解のストレスがありません。接眼レンズはネジ式で視度調整が可能。

 

ヘリコイドグリスは抜けていましたので洗浄で入れ替えてあります。機械的にもシンプルな設計で、メンテナンスのし易いカメラですね。レンズが曇らなければねぇ・・私と私愛用の腕時計も同じ歳ですから同級生です。まだまだ現役ですよぉ。

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