今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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COSINA 35のジャンクを修理するの巻

2018年02月01日 15時33分34秒 | ブログ

珍しいカメラが来たよ。コシナ35ですが、コニカ35に似てますね。販売量は少なかったようで、オーナーさんは是非修理をしたいとのご希望です。しかし状態は良くないですね。ブラックモデルは希少なようですが、上下カバーはアルミのアルマイト仕上げなので強度が無く、細かな傷が多くあります。真鍮製であれば傷は少なかったでしょうね。当時の販売価格はパールアルマイト仕様が15.700円でブラック使用は16.400円だったようです。どちらもアルマイトなのでコストに差があるとは思えませんけどね。で、シャッターは切れるがシャッター羽根は開かない。露出計不動でファインダーは盛大な曇り。トップカバーを外してみるとファインダーガラスが脱落して来ました。かなり厳しい個体。

取りあえずシャッターを分解してみますが、シボ革の接着が強固過ぎて剥離が困難でした。どうも修理歴があるようです。レンズボードを取り去ります。

 

シャッターはコパルのビハインドシャッターです。シャッター羽根に油の付着はないようです。ということはコントロール系かぁ?

 

裏側です。このフライホイルでシャッタースピードを制御しますが、動きが渋いですね。すべて分解洗浄で再組立をして行きます。

 

シャッター羽根。コパルだけにPEN-EEにどことなく似ています。

 

 

露出計不動の原因の1つが電池室の接点腐食もありますね。接点を磨いておきましたが、どうも電池室の形が現在の代用ボタン電池に合わないようで、厚紙などて電池を押えないと接触不良になりますね。

 

ファインダーはコニカと同じで見やすい設計です。

 

 

ASA感度調整のCdsマスクを清掃、クリックボールにグリス塗布。

 

 

フィルムを装填すると表示が白から赤に切り替わる親切設計。

 

 

回路復活により、露出計の針が動いているのか分かりますか?

 

 

モルトは裏蓋側に集中させている設計です。

 

 

 ファインダーブロックを外しているので必ず二重像はズレていますからメクラネジを外して調整をしておきます。

 

 

シャッターユニットがコニカC35と同系なのはコパルの標準品を採用しているからでしょう。コシナがコニカのOEM生産を受けていたかは知りませんが、私の経験では主力製品以外は外注工場に組立移管をするのが普通でしたから、あるいはC35もコシナで生産されていたのかも知れませんね。中央高速で近いですからね。

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