カメラの修理ご依頼が一段落しました。修理をご検討の方はよろしくお願いします。それでは、普段なかなか出来ない手持ちの腕時計をO/Hしますよ。シチズンのデラックスは1958(昭和33)年8月に発売され、発売当初は「日本一薄型の高級国産時計」としてシチズンとしては大ヒット商品になったとのことです。セイコーのクラウンと共に私の好きな腕時計です。石数は19石、21石、23石がありますが、このモデルは21石で、☆マークがありますので特殊文字盤(SD)になりますが、文字盤の外周にリングが嵌っていることによるようです。文字盤も比較的きれいです。
この頃の金ケースは摩耗が進んだものが殆どですが、その中では状態は良いですね。14K GOLD FILLED とメッキが厚いことも幸いしています。
で、裏蓋を開けようとしたのですが、過去に分解をされていないのか、真鍮の腐食もあって、開けるのに苦労をしました。
機械も恐らく過去に分解を受けていないようです。すべて分解洗浄をしています。部品点数は少ないので楽ですね。
機械を薄く設計するために、間接中三針方式になっていて、一般的な本中三針とは歯車の配置が異なります。
地板と受けはきつ目にがっちりと合いますね。分解を繰り返されていないからでしょうか。きれいな機械ですので組立キズをつけないように注意をします。
組んだままで全く調整をしていない状態でも、ほぼ良好な調整となっているということは、あまり摩耗が進んでいないということでしょう。
このモデルでは、文字盤の外側に別部品のリングが嵌る構造になっています。
洗浄したケースに機械を収めました。天輪はセイコー・クラウンと同じように大径の設計となっています。初期型ではチラネジ付でしたが、この個体は以後のチラネジなしのタイプになっています。
光物の画像がきれいに撮れません。左はセイコー・クラウンの中では個性的な仕様ですが「デザインのシチズン」には敵わないという感じかな。PARA SHOCKの耐震装置とPHYNOXの切れないゼンマイ付き。
厚みを比較してみると、クラウンは、ぽっこりお腹でデラックスの薄さが際立ちます。
とんぼ出版発行「シチズン デラックス」にも似たようなデザインの文字盤が収録されていますが、当時の流行りだったのでしょうかね。安定したセイコーデザインも好きですが、気品のあるシチズンデザインも捨てがたいというところでしょうね。
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