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カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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ミノルタ・ALSは良いカメラの巻

2018年10月14日 19時39分25秒 | ブログ

すみません。変なところから始まりました。じつは他の作業の合間に作業をしていてので画像がどっか行っちゃってさ。メーカーさんによってそれぞれ製品製造に対する考え方があるのですが、普段オリンパス系の作業が多い私としてはミノルタのカメラはカルチャーショックだよね。真面目にしっかりとした物作りが伝わってきます。いえ、オリンパスが真面目でないという意味ではありませんよ。(-_-;)ミノルタALSはミノルチナSの後継モデルになるのかな、受光素子がCdsになってホットシューを装備しています。1966年製らしいですが、安物カメラを作ろうとはしていないことが分かります。この個体、外観は美品クラスですが露出計が動かない、シャッター羽根が開かないというもの。メーターの保護ガラスが何故か針の部分だけ曇っていますね。

清掃をしますが、これが本物のガラスです。時代もあると思いますが、安易にセル板などを使わない威勢が気に入った。

 

シャッターの確認のために分解をして行きます。追伸式メーターの可変抵抗用ブラシが見えます。

 

シャッターはセイコーSLVと本物ですね。スローもダメなのでガバナーを分離します。

 

これ、だいぶ日数が経ってます。シャッターを切れるようにしてシャッタースピードを計測すると、どうしてもあるスピードで大きく外れる傾向があります。ガンギとアンクルが2つずつある複雑なガバナーのためか、他の個体を計測しても同様な傾向にあるのです。今回は良好の方のシャッターユニットと交換することにしました。

シャッターユニット交換なので取り出します。

 

 

では組み立てて行きます。シャコウトウは2本のイモネジで個体されていますが、それが緩んでカタカタと遊んでいる状態でした。モルトが劣化して固定されずに緩んだのでしょう。新しいモルトでがっちりと固定します。

 

整備をしたシャッターユニット。ヘリコイドグリスも交換してレンズを取り付けます。

 

 

これは巻き戻しサイドにある電源のON-OFFスイッチ。ベークの基板がスライドする設計のため、リード線にストレスが掛かって断線するようです。

 

こんな感じに取り付きます。

 

 

シャッターユニットを組み込んで配線をしておきます。

 

 

Cds回路はすべてトップカバー側に付いています。配線を完了して露出メーターが正しく作動するか見ます。

 

ファインダーの清掃をして距離計を調整しますが、調整ポイントはメーター左下のネジ。トップカバーが付いている場合の調整は、黒い樹脂(巻上げレバーストッパー)のネジを緩めてカバーを外します。

 

表から見るとこうなります。

 

 

電源スイッチのノブを取り付けます。

 

 

裏蓋のモルトはこれから交換します。サボりました。

 

 

巻上げレバーの指当たりが大きく、軽く巻き上げが出来ます。

 

 

追伸式のメーター針が動きます。

 

 

デザイン的にはCdsの受光部が飛び出していて、セレン式の方がきれいなデザインかも知れません。ロッコール40mm f1.8は非常に良く写ると定評がありますね。高級コンパクトを目指した良いカメラと思いましたね。

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