PEN-F #2395XXですが、応急処置にも全く反応しない固着状態です。ただし、外観はきれいですから、使用による摩耗ではなく、長期放置による機械的な固着と感じます。
過去に分解歴はありませんね。
では、劣化したモルトを取り除きながら、固着の原因を探っていきます。
シャッターユニットの問題はブレーキが固着気味で、完全にシャッターが戻り切っていないということ。シャツター幕の端のリブ部がアパーチャーから見えるのが分かりますね。ブレーキのOリングの交換が必要です。その他、リターンミラーユニットの作動不良があります。メカが機械的に壊れているわけではなく、O/Hで復活すると思います。
では、ダイカスト本体を洗浄して組み立てて行きますが、初期のダイカストは色が黒いものでしたが、この頃になると普通のダイカスト色となります。材質が変更されたのでしょうかね。
カウンターの復元レバーに錆が発生していて、固着しています。CRCを浸み込ませてしばらく放置します。
あれ~? 未分解機のはずがどうしたことでしょう?
シャッターユニットは洗浄とチャージギヤにグリスを塗布してあります。
問題のブレーキ。Oリングホルダーの内周が激しく錆びています。これによってOリングが押し上げられてブレーキが利き過ぎる状態になります。錆を取り除いて研磨をしておきます。
プリズムのマット面に油分が固着しているようで簡単には落とせませんでした。このままですとスクリーンにシミとなって表れるため、頑張って清掃しました。
本体側と前板側が完成。リターンミラーユニットは固着状態でした。
全反射ミラーは腐食は無く再使用は可能でしたが、反射率は低下していますので、ご希望によって新品と交換してあります。接眼枠はネジ部破損があり、接着修理で使用しました。
疲労は少なく、長期放置とブレーキの不具合によって故障していた個体。巻上げもスムーズでシャッターも快調となってます。