今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
(お問合せ)tomytmzk@titan.ocn.ne.jp
 

ゾナー50mm f1.5 (旧コンタックスマウント)の巻

2020年03月26日 19時25分00秒 | ブログ

大阪のご常連さんは、いつも食玩のヒコーキを入れてくださいます。わぁ、「雷電」やね。Fトイズは発売をチェックはしていますが、ここのところ欲しいアイテムがラインアップされないのでスーパーでも買ってもらいません。塗色はちょうど近くの302厚木航空隊です。陸軍には迎撃戦闘機として鍾馗がありますが、海軍として三菱が開発した機体です。上昇能力に大馬力を必要とするため爆撃機用の大径エンジンを採用した結果、ずんぐりむっくりの機体となりました。離陸直後に失速墜落する癖がある恐ろしいヒコーキですが、厚木航空隊では帝都に来襲するB-29迎撃に活躍して赤松貞明中尉などのエースを生んでいます。

ふと気が付くと作業机の横になにやらプラモが・・30年ぐらい前に作ろうと思って入手しておいた同じ1/144スケールの雷電です。MITSUWA MODELって知らないなぁ。子供の頃は三共のピーナッツシリーズと言うのはありましたが。流石に金型が新しいFトイズの方がシルエットが良いです。

あっそうだ。同じ頃にプラモを改造してコクピットまで再現した旧マルサンあたりの1/100雷電がありました。4枚ペラが隼一型のような2枚ペラになっていますけど・・いかに翼面積が小さいのかが分かります。

https://www.youtube.com/watch?v=qld-w2fRA9Q

で、本題。ゾナー50mmとのことですけど、旧コンタックスマウントは本体側にピントリングがあるのでレンズにはありませんね。装着したフィルターが外れないとのことで外しました。

 

時代を考慮すれば、それほど悪くもないと思いますが、カビなどを清掃して行きます。

 

更新が遅れました。昨日は早朝から新宿の病院へ定期健診で出掛けましたが、外出自粛のため電車内は普段よりは空いていましたが、それでも80%程度の乗車率でした。病院の入り口には熱感知カメラが設置されていて、問診票に記入しないと受診できないという厳しさでした。しかし、帰りの電車内で私の一つ開けたシートに座っていたマスクをしていない(極少数)若い女性が、口を覆うでもなく大きな咳を2回したので、既往症の身としては、すぐに隣の車両に移ったのでした。過敏な反応は分かっていますが、若者も時局を理解した行動をとって欲しいものと思いましたね。都内の感染者数が増え続けています。

で、本題です。ネットの先輩諸氏の情報では、分解はゴム板などで可能となっていますが、製造時期や個体差でしょうか、この個体はしっかりした汎用工具でもビクとも緩みませんでした。このままではスリ割りを破壊してしまいます。このような場合は、外すスリ割りリングにぴったりと寸法を合わせた工具を旋盤製作する以外に方法がありません。かと言って、二度とご依頼が無いかもしれないレンズ専用にスチールや真鍮製の工具は作れません。このような場合私は塩ビ管で簡易的な工具を製作することが多いです。ただし、スリ割り部の突起の強度は弱いため、一発で開けなければ工具が破損してしまうリスクがあります。

かなり大きなトルクを掛けてやっと分離に成功しました。じつは各ネジ部には松ヤニ様の緩み止めが塗布されていて、溶剤で軟化させなければ緩めることが出来ないのでした。この後、鏡筒を分離するためには、外したナットの内側にあるナットを同様に緩めなくてはなりませんでした。

これもやっとの思いで緩めることに成功しました。次は後群のレンズを引き抜くのですが、これがまたビクとも緩まない。溶剤を入れながらやっとここまで抜いたところで固着しました。

 

最後は特殊な工具の力を借りて分離に成功。前群は中玉の分離がやはり固着ですので、後ろから清掃して行くほかないようです。この手の舶来レンズは非常に手が掛かって好きではありません。

 

このレンズは、基本的に分解をさせないようにしているのではないか? と思わせるぐらい組立に強力な緩み止めが塗布されています。特に中玉、後玉はレンズの取付リングを分離出来ても2枚のレンズが接着されていてポロッと取り外せるようにはなっていません。折角簡易工具まで製作しましたが、まぁ、難儀なレンズでした。

レンズついでにテッサー50mm f2.8のメンテナンスをしておきます。レンズの清掃と絞り不調です。

 

このレンズは絞り羽根の復帰不良が多いようです。絞りユニットを洗浄しても改善しません。問題はエキザクタマウントのレリーズボタンの作動です。

 

このボタンの作動が経時的に重くなっていて、リターンスプリングも弱っているのが原因です。強いリターンスプリングを製作して解決されている方も多いようですが、今回は清掃注油によってフリクションを低減して作動を改善しました。

https://blog.goo.ne.jp/tomys800