貴重な42mm f1.2です。このレンズの持病は中玉が曇ることと、大口径の絞り機構が故障するトラブルです。絞りレバーが固着して動きません。
分解してO/Hをして行きますが、前群レンズは過去に開けられていて工具キズが着いていますね。
原因は複合的にありますが、ヘリコイドグリスが流化して内部に浸透しているのも一因です。ヘリコイド部と分離します。
持病のレンズ曇りはこの部分ですが、このレンズはきれいです。同じレンズでも激しく曇っているものと、この個体のように無傷なものがあります。保管環境のせいだけではない気がします。最近、ガラスは半流体という研究結果が発表されていましたね。ガラスは奥の深い物質です。
その他、マウント部の分解洗浄をしておきます。絞り羽根は正常に絞られています。
持病もあって、健康な42mmは少なくなっていると思いますので貴重な個体です。保管方法に配慮してください。