今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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お~こう来たかPEN-EES-2の巻

2020年11月10日 13時44分18秒 | ブログ

リサイクルショップで入手をされたPEN-EES-2だそうですが、いやぁ、こう来ましたか・・これはおーーさんが貼り替えたのでしょうか? ちょっと考えつかないシボ革が貼られていますが、私の好きなブルゥでして意外に似合ってますね。で、保管中に絞り羽根が固着して作動しなくなったとのことです。絞り羽根の貼り付きは多いトラブルです。

 

過去に分解を受けていますがオーナーさんでしょうかね? まぁ、鏡胴を取らないとシボ革も貼れませんからね。 

 

レリーズボタンをカチャカチャするも作動ピンはここまでしか動いていませんね。今回はこの部分の限定修理をして行きます。

 

レンズと絞りユニットを分離しました。

 

 

貼り付いた絞り羽根を剥がしてみると・・やはり油分で固着したようです。この他、絞り羽根の錆によっても固着は起きやすいのです。この部分は羽根の分解が出来ませんし、ゴシゴシ拭くと羽根にダメージがあるので超音波洗浄をするしかありませんね。

 

では、元通り組み立てていきます。レンズは殆どの個体ではカビがあるのですけど、この個体はきれいです。たぶん清掃をされているのでしょう。一応清掃をしておきます。しかし、ヘリコイドグリスが完全に切れていますのでグリスを塗布して取り付けます。

 

パーツリストを見ると、絞り羽根は取付けピンも含めて単体で出たんですね。私のところにはASSYのストックがありますが、羽根部品だけ取って組み直していたリペアマンがいたのだろうか??

 

ファインダーの清掃とEE精度の点検をしました。精度は良好でした。白のリード線はホットシューですが、トップカバーと挟まれて芯線が露出していましたのでチューブを被せています。しかし、トップカバーを留めるとメーターが動かないか逆に赤マークが出ない現象が出ます。

 

配線のショートを疑って点検をすると、ホットシューの半田部の芯線が露出していてショートをしていたのか・・

 

半田のやり直しをしてみましたが症状は治まりません。どうも配線が原因ではなくトップカバーを完全にねじ固定すると不具合となるようです。最初の分解時にトップカバーのネジがすべて緩んでいましたが、不具合の防止だったのか?  まぁ、なんとか対処しましたが、このようなケースは経験ありません。最後に無限調整をします。予め参考にするため分解前に合マークを付けておくのですが、調整後とはずいぶん違っていますね。これでピント合いましたか? まぁ、EEなら普通に写るでしょうけど。

最初の画像と変わらないじゃん。セレンはまだ元気ですのでまだまだ使えます。

 

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