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カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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ローライ35が残ってたの巻

2021年07月06日 12時00分00秒 | ブログ

ローライ35のジャーマニーが1台残っていましたのでやっておきます。やはり初期のドイツ製が人気のようでカメラ店様からのご依頼台数も多いです。全体的には悪くはない個体ですがトップカバー右端に気になるへこみがあります。

 

これは完成後の画像ですが、修正はこの程度ですね。

 

 

初期型は殆どヘリコイドグリスが抜け気味です。

 

 

この個体は過去に(海外で)分解歴がありますが、巻上げレバーのバネが強すぎると感じます。このような場合は大概・・

 

過去の分解でファインダーの接眼部品の先端が折れています。これは接着剤で着けておくしかありません。ファインダーがプリズムの初期型にしかない部品。

 

製造が古いので、巻上げ関係の軸受けはすべて分解潜像をします。また、シャッターは低速不調ですのでガバナーのメンテナンスも行っておきます。

 

巻上げが極端に重かったのは、このコイルバネのテンションが標準より多く巻かれていたためです。バネの個体差により自由長時の終端位置が微妙に違うので、折り合いをつけるのが難しい個体もありますけどね。その場合はバネを交換します。

 

初期型とは言え、巻上げ関係のギヤは樹脂と歯数が少なくなったタイプになっている仕様です。メーターもカバーがオレンジ色でCdsも初期のものとは異なります。

 

初期型のレンズはチリの混入が多いです。

 

 

分解して清掃をして行きます。

 

 

前玉の清掃とヘリコイドグリスを交換しておきます。馬蹄型のリングがレンズの繰り出し範囲を規制しますので無限調整をしておきます。

 

おっと見逃していました。シャッターダイヤルのフィルムインジケーターにキズがありますね。研磨では取り切れない深さですので交換します。

 

ローライ35系の弱点は本体と裏蓋が分離する構造のためフィルムカウンターの作動不良になりやすいということ。また、原因は1つではなく複数の要因が重なっている場合もあります。特に初期型の開閉レバーは強度不足により使用過程でガタが大きくなって、しっかりと裏蓋を押さえられなくなってフィルムカウンターが作動しないか途中までしか作動しないなどの症状が出て来ます。最後に36枚まで巻上げて確認しておきます。

W30947XXと初期には違いないですが、すでに変更部分も多い個体ですね。巻上げも軽く調子も良好となりました。

 

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