この後期型になるPEN-FT #3628XXは今となっては貴重な個体となりました。状態は後期型としてはあまり良好ではなく、巻上げのゴリツキ、ハーフミラーの劣化などが顕著です。
設計者のオリンパス米谷氏は晩年精力的に講演会を開催していましたが、この個体は1998年7月12日に東京・カメラ博物館で開催されました講演会のおり、オーナーさんが直接サインを頂いたものです。じつはその会場に私とMazKenさんも居たのでした。講演前にカメラ博物館さんのご配慮により米谷氏に対して取材をさせて頂いていました。トップカバーにサインをすることが多かったと思いますが、この個体は内部にしてありますね。クローム面は超硬ペンでも硬いですからね。では、完璧に仕上げないと・・
最終号機は何番台かは確認していませんが40万台の個体は存在します。36万台も最終に近い頃ですので新しいので未分解と思い込んでいましたが分解修理を受けていました。ファインダーハウジングの遮光テープが剥がされている。露出計の基板を改造されている。ストロボリード線が潰されている。などが確認出来ます。
電池室からのリード線が断線したようで、別のリード線と半田付けしてあります。これは新製します。
ダイカスト単体にしました。上下のレール部にモルトを貼る方がいらっしゃいますが必要ありません。返って裏蓋のスムーズな開閉を阻害します。
新しいのでシャッターユニットやチャージギヤなどには摩耗はありません。しかし、巻上げの感触はあまり良くない個体です。逆止爪用バネが外れています。
リターンミラーユニットも摩耗は少ないのですが、何故かギヤ鳴りがします。FTのシャッターユニットとミラーユニットは個体によって作動の滑らかさに差があるので厄介です。
今日はメカを完成させて露出計などの調整をしただけでした。じつは、梅雨明け以降の猛暑ですが車のエアコンが利かなくて修理工場に行ってました。冷媒ガスR134aが1缶(150g)抜けていて補充したら復活しました。本来は回収が原則ですけど、物理的に抜けてしまう分は致し方ないですね。そこで最近の新車には新しい冷媒ガスのR1234yfが使われています。環境問題に対して有効なガスのようです。
で、ハーフミラーを交換します。36万台としては劣化が進んでいる状態です。30万台以降でもこんなになって来たかなぁ・・因みに露出計ユニットは従来のタイプですが、この少し後から基板別体タイプに変更されます。生産完了間近で何故変更したのでしょうね。米谷さんにお尋ねしましたら「そんなのは無い」と言われましたけど。だってあるもん。多分、米谷さんには変更の報告は無かったのでしょう。
すでにオリンピックの予選が始まっていますね。色々なお考えはあろうかと思いますが、多分若い世代の方でも人生最初で最後の国内オリンピックです。みなさんで応援しましょう。今日、自衛隊のブルーインパルス機が開会式の予行で大空に五輪の輪を描いたようです。前回大会の再現をやるんですね。あの時は台風一過の秋空に86セイバーで描きましたが、今回は夏空にT-4で描きます。いままで晴天なので金曜日の天候が気になりますが上手く描けますように・・
それと開会式で短時間でも良いので開会式の入場行進で演奏された「東京オリンピックマーチ」を演奏して欲しいです。感動です。
(180) 東京 ・ オリンピック ・マーチ ( 1964 ) 作曲 ・ 古関 裕而 - YouTube
オリンピックの音楽は一度使用した曲は使えないみたいですね。しかし、福島復興オリンピックと言うなら、福島県が生んだ作曲家、古関裕而氏の名曲を使うべきだと思いますけどね。リンクの音源が当時私が聞いたオリジナルに近い演奏です。行進曲軍艦でも、最近の自衛隊音楽隊も良いけど、やはり当時の海軍軍楽隊の演奏が一番迫力があります。
で、駒数ガラスですが、オリジナルの中古を使おうかと思いましたが、接着がゴム系とエポキシ系の二種類で接着されていて、材質的に溶剤は使えないので剥離が困難なんです。アルコールでも樹脂が劣化をしていて溶けてしまう状態ですからね。そこで、以前に製作した当方オリジナルを塗装しました。このオレンジ色の再現も難しいのです。もうストックが殆んどありませんので以後は対応出来ません。
上が私のサイン入りグレーFVで駒数ガラスは今回と同じく当方オリジナルを使用しています。アクリル製なので純正より透明度が高くすっきりと見え傷もつきにくいです。
前回のオリンピックの方がシンボルマークやポスターのセンスが良いと思いませんか? 全く古さを感じませんね。
サイン入りの個体は1回の講演会で100台ぐらいはされていたのではないかと思いますが、現在どのくらい現存しているのでしょうね。所有されている方は大切にされてください。