難儀なベビーローライが続いていますのでUPする時間がありませんでした。この個体は乱暴な扱いを受けて分解されていましたが、シャッターも間違った組立を受けていて不動状態です。結局、シャッターから完全に組み直す必要があるのでペンディングとなりました。
セルフタイマーレバー(MX)のボッチが無く、レバーがペンチのようなもので下側に曲げられています。セルフレバーを操作する時はレンズ下部のボタンを押してロックを外さないといけませんが、それを知らずにかんしゃくでも起こしたのでしょうか?
シャッターは全く不動です。応急的に作動させるとチャージのロックが利きません。
以前にお問合せを頂いていました。巻上げレバーの逆転防止機構です。国産ですとコイルバネの簡単な機構だったりしますが、ローラーによるクラッチ機構です。
原理は巻き上げ軸が逆転するとローラーピンが飛び出して軸に噛み込みロックをする機構。私の所有するホンダS800のセルモーターもクランク軸にピンが飛び出して固定し逆転はフリーとなるワンウェイクラッチが採用されていますが、同じ原理ですね。孔の狭い方にピンを入れて、後ろにV形のバネをセットします。ここは粘着性の強い潤滑をするとローラーの動きが悪くなり、逆転を止められないので注意が必要です。
下部のボタンを押さずにセルフタイマーレバーを力一杯押した証拠。ロック爪が曲がっています。この馬鹿者は外国人です。
ボッチが失われていましたので、仮にミノルタのジャンクからボッチを取って穴あけM1.4のタップを通して作って見ましたが、あまり似合いませんね。
フィルムの自動巻上げではラック&ピニオンの噛み合わせが重要。
四角の調整ワッシャーは角度によって高さが変わる特殊なものが採用されていますので、分解時はセットされていた位置をマーキングしておきます。しかし、その上に数枚の調整ワッシャーが載っているのは何だかなぁとも思います。
原因はヘリコイドではなく、ダイヤルの片側に大きな打撃を受けて陥没していて、本体側板と接触しているのでした。
変形個所をプレスで修正して行きます。ただし、完全な修正は不可能です。作動に問題のない程度に直します。この後も数台作業が続きますので、何かあればUPしますね。
巻取り側のスプールは巻き上げダイヤルを引くと飛び出して来ますが、この個体は出て来ません。どこかで引っ掛かりがあるようですが、ルーペでいくら眺めても接触しているような部分が見当たりません。では、取りあえず分離して点検します。
どこが悪いという個所はありませんでしたが、少し歪があるようなので修正をして組みました。あぁ、何とか飛び出すようになりましたね。フィルムを装填するストレスで変形をしたようです。このカメラはこんな故障もあるんですね。
組立は→のピンを差し込んであるだけです。繰り出し機構のグリスを交換しておきます。