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カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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後回しのローライ35系の巻

2022年01月19日 19時50分00秒 | ブログ

ご常連さんのローライ35系は去年に来ていたのですけど、忙しいので甘えて後回しになっていましたが、二年越しなのでやらなくてはいけませんね。まず、ローライ35ジャーマニー #30943XXですが、シリアルナンバーについては本などで紹介されているのはアテにならないようですね。私の手元に来る個体のシリアルを見て、ちょっと合わないなぁ? と感じていました。一応ギリギリ初期型ということのようです。ファインダー角に凹みの変形があって、かなり汚れています。最近は使用されていないとのことでした。

トップカバーを開けてみると・・巻上げギヤ列は改良後のタイプで、なるほど初期型の後期です。ファインダー部分が激しく錆びています。お尋ねすると特に雨の中では使用されていないそうです。20年間所有されているそうですから、それ以前から錆びていたのでしょう。

問題は、取付けネジが全て錆びていて、この下の地板も緩みませんでした。何とか緩めましたが・・地板の錆はすべて落としておきます。シャッターは低速不調ですのでメンテナンスをしておきます。

 

露出計の回路も腐食で作動しませんでしたので、やり直して復活しています。

 

 

トップカバーを洗浄していましたが、メーター窓が再接着されていまして、接着剤がはみ出しています。これはきれいに研磨してから組みます。

 

このシャッターは外気と通じる開放型ですので必ずレンズにチリが付着します。すべて分解清掃をして組みます。

 

シャッターユニット完成。前玉の清掃とグリス塗布で組み立てます。

 

 

前回も書きましたが、ここのネジが緩んでいました。ローライはなぜかM1.4ネジを多用しますが、この部分はストレスが掛かるのでM1.7にすべきだと思います。ネジロックを塗布してねじ込みます。

 

沈胴のスムーズさを調整しておきます。

 

 

この樹脂製のシューアダプターは純正品でしょうか? 私のところに来る個体でシューレールが変形している個体が多くありますが、変形防止の意味でもこのアダプターは有用ですね。

 

付属のフィルターを取付けて完成。

 

 

次はローライ35Sですがワニ革が凄みがありますね。

 

 

ピントリングを小刻みに回すと「カタカタッ」と異音がします。これはアウター側のヘリコイドグリスが抜けているのです。

 

シンガポール製 #23268XX ですが、カバーの材質は真鍮製です。これは良いですね。後のアルミ製ではペラペラで高級感がありませんし真鍮剥離の楽しみもありません。では、この後は何かあればUPとします。

 

こちらの個体も沈胴の動きが少し緩いので調整をしますが、ローライ35Sは直進ヘリコイドのためローライ35のようには行きません。倍ぐらいの工数が掛かります。チューブ側にフランジが付いていますので、取り外さなければ本体からチューブを抜くことが出来ません。

途中は飛ばして組立完成。

 

 

3台目はローライB35です。メカの状態は良好と思われますが、レンズ、ファインダーの光学系に汚れがありますのでメンテナンスをします。

 

露出計ユニットはトップカバー側に付いています。作動は良好です。

 

 

ファインダーの接眼レンズを分離して全体を清掃します。

 

 

シャッターユニットの構成は基本的にローライ35と同じです。

 

 

羽根関係はローライ35のものを流用していますね。絞りがダイレクトになっているので、絞り制御のピニオン取出しがありません。ブレードリングに錆が出ています。トリオターレンズの後玉にカビがありますので清掃をしておきます。

 

完成したシャッターユニットを組み込みます。

 

 

B35のトップカバー留めネジの右側は左より長くなっていますが、殆どねじ山が磨滅して留まりません。ここでもM1.4の弊害ですよ。

 

と言うことでマニアさん定番の3台でした。

 

 

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