PEN兄弟をやります。まずはPEN-S3.5 #1851XX はたぶん最後期の生産ですね。汚れていますが使用は少ない個体と見ました。
2台共ですが、シャッターがゆっくり開きます。一般的には「粘り」と表現しますが、油で粘っているわけではありません。
最後期にコパルが仕様を変更しまして、それが面倒なことになっています。まったく余計なことを・・
まぁ、組むしかありません。すべて超音波洗浄をしてから組み立てて行きます。スローガバナーは完全に固まっていました。
この頃は樹脂部品に置き換わっています。駒数ギヤは組立時に強く締め込まれているため、ネジ山が半分壊れているのが普通です。再組立をするとネジ〇カになる確率が高いので、分解には注意が必要です。
生産が新しいためか持病の後玉曇りはありませんが、前玉関係が汚れています。
ヘリコイドグリスを塗布してレンズを組み立てました。最後にピント調整をします。次はPEN-Wです。
かなりの期間放置されていたと見えて内部は汚れています。すべて分解洗浄をしてから組み立てます。
裏蓋のモルトが悪さをしてダイカストまで腐食させています。これは削るしかありません。
その原因のモルトの状態。最近の個体は益々状態が悪くなって、メカのオーバーホールというよりプチレストアのような作業となって来ました。
この個体は過去に修理歴の記入があり、使われている接着剤からメーカー系のサービスと思われますが、とにかく接着剤の量が多過ぎ。必要にして最小限で良いし美観も考えた作業をするべきです。しかも、ネジが2本ついていないし・・
2枚の対物レンズはロットが違います。推理すると、レンズを取り外す時に1枚割ってしまい、補修部品から新しいレンズを使って接着した。でしょうね。左が補修部品。四角の墨塗りが無いしエポキシ接着をされた形跡もない。
下手な修理をリカバリーするのは手間が掛かります。清掃とレンズの接着が終りました。欠品のネジも追加してあります。
レンズは過去の分解でかなり乱暴に清掃されていまして後玉に目立つ傷がありました。どうやったら傷を付けるのかなぁ? バルサムの黄変でレンズがクリアーではありません。
少し駆け足で2台オーバーホールをしました。最近はPENの動きが活発でないように感じます。ペンファンの皆さん頑張ってください。