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カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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昭和38年製PENの巻

2022年04月04日 11時15分00秒 | ブログ

私の記憶では昭和38年は翌年の東京オリンピックに向けて日本中が活気に満ちていた時代です。多摩川から砂利を採取する立川レミコンという企業があって、連日、ダンプカーが連なって都心のオリンピック施設の建設現場に砂利を運搬していました。道路がダンプの荷台から漏れた泥水で真っ白になっていましたよ。このPEN#3735XXは昭和38年3月に生産された個体です。PENのファインダーに使われている樹脂は白く劣化しているものが多いです。表層が劣化しているのです。

通常作業なので簡単にUPします。当然、過去に修理を受けていて無限が合っていないなどの症状がありますが、ファインダーの接着がすごいことになっています。

 

透明な接着剤を使用していますが、もう少し丁寧な作業は出来ないものでしょうか?

 

 

シャッターのハウジングが激しく腐食しています。

 

 

シャッターは分解をして洗浄のうえ組み立てます。

 

 

60年間の汚れを洗浄しました。しかし、私がPENの修理を始めた頃は、シボ革を洗浄するときれいなグレーが現れたものですが、最近は洗浄後でも黄ばみが残ります。材質も劣化しているのです。

 

本体の組立とシャッターを組み込みます。

 

 

ファインダーの樹脂の白化ですけどね。一皮むくしかないですね。しかし、コンパウンドで磨くと、妙にピカピカになってしまいますので、違和感がなくグレー色が鮮やかになるように磨きます。ここは今回、私のサービスで行った作業で必ず行うものではありません。意外に工数が掛かるのです。

レンズは比較的良好です。後玉の曇りはありませんがコーティングの拭き剥がれはあります。元々のオリジナルではないのかも知れません。

 

駒数窓にクラックがありますが、今回は交換しません。

 

 

内部もきれいになっています。

 

 

ファインダーの白化以外はダメージの少ない個体でしたので良いコンディションになったと思います。

 

 

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