今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
(お問合せ)tomytmzk@titan.ocn.ne.jp
 

PEN-S3.5が2台の巻

2023年09月19日 17時00分00秒 | ブログ

すみません。従来のメールが不具合のため、ご連絡はtomytomizuka@yahoo.co.jp までお願いします。

早速数人の方からこちらのアドレスにお問い合わせを頂きました。ありがとうございました。     

PEN-S3.5の前期と後期の2台が来ています。後期はシャッターで問題が無ければ良いが・・まずは、#1231XXから始めます。

 

全体的には過去に手が入っていて(鉛筆で記録有り)大きく悪くはないとは思いますが、何故かレンズはあまり良くないですね。絞りリングの回転も渋いですし、前玉のリングナットも腐食して外れない状態。なぜレンズだけ悪いのだろう

ファインダーのカバー接着がすごいです。もう少し何とかならないか・・

 

 

モルトのせいでカバー内側の腐食が進みます。削り落としておきます。

 

 

全て分解洗浄してから組み立て開始です。

 

 

シャッターは分解されていないのに一応は作動します。何故かな?

 

 

スローガバナーが取り外されていますね。全体を分解せずにスローガバナーのみ分解して清掃したのかな?

 

これは油のつけ過ぎでしょう。

 

 

洗浄脱脂をした地板に組み立てて行きます。

 

 

シャッターは問題ありません。快調です。

 

 

やはり問題はレンズです。このレンズではカスミの掛かった写真になります。将来交換が望ましいです。

 

こちらは後期型の#1720XXですが、外観からの見分けはトップカバー横の留めネジが+になっています。また、カム盤を留めるリングナットの回り止めネジが追加されました。これは良い変更として、問題はヘリコイドのスリ割りが薄くなったこと。変更前は幅1mmでしたが、生産末期に来て0.8mmに変更されいます。ここはトルクの掛かるところですから1mmが適正で、それに合わせて工具を製作しているのでそれが使えないのです。意味不明の変更です。

ターミナル接片の半田外れは定番です。

 

 

厄介なのは、この頃になってシャッター羽根を駆動させるリングの仕様が変更されたこと、詳しくは書きませんが、確かに簡単に組めるようにはしたのでしょうけど、耐久性が無いのです。変更前の仕様であればオーバーホールで初期の性能に戻すことが出来ます。識別のためかハウジングを黒アルマイトとしているようです。

まぁ、なんとかオーバーホールしています。

 

 

ファインダーは樹脂製のため経時劣化で強度が落ちていますのでレンズの取出しは気を付けます。フレーム枠の接着が外れていますね。

 

完成したファインダーをセットして本体に取り付けます。

 

 

初期型#1231XXは1965年7月製。後期型#1720XXは1968年10月製です。

 

 

都合により、次の更新に時間が空くかも知れません。よろしくお願いいたします。

トミーのリペイント (tomys800.sakura.ne.jp)