今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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通常作業のPEN-Wの巻

2024年02月07日 18時00分00秒 | ブログ

関東地方は昨日の昼から降り始めた雨が雪になりました。私は葬儀に参列して多摩モノレールが止まらないうちに何とか帰宅できましたが、普段出歩かないので雪道でもあり疲れましたね。中古市用のカメラは残念ながらすべての作業は時間切れで出来ませんでした。作業が止まっていたPEN系をやりたいと思いますが、明日、中古市用のローライ35が突っ込みで来るので、途中で作業が変わるかも知れません。この個体のオーナーさんはPEN-Wマニアさんで、過去に整備をした個体がどれも状態が良いので安心して使えないとのことで、安心して使える? 状態の個体を見つけてこられました。何とも羨ましいことです。ファインダー前縁の腐食が見にくいですが、これ有りますね。すでにダイカストにピンホール状の腐食が進んでいて、焼付塗装で焼くとピンホール内の空気が膨張して塗膜が破裂してしまうのです。ウレタン塗装などが良いかも知れませんね。

レンズはそこそこかなぁ? 巻き上げがミスをしてチャージが出来ません。では分解をしていきます。

 

とは言っても、特に問題はない個体と思いますのでいつもと同じ作業です。巻き戻しダイヤル下のカバー留めネジ1つが無くなっていますね。

 

トップカバーの接眼部が上から押されて変形しています。軽く修正をしておきます。

 

洗浄をしたダイカスト本体に組み立てをしていきます。この個体#1010XXの製造は1964年(昭和39年)10月ですが、使われているスプロケットの材質はアルミの黒アルマイトです。当方の資料によると翌月の製造個体はプラ製に変わっていますので、ここが過渡期ですね。

本体側の組み立てをしてモルト(上側)を貼ります。

 

 

シャッターは消耗していませんでした。すべて洗浄をして組み立て完了。本体にセットします。

 

シャッターカム(ダイヤル)はメッキが良くないので劣化気味です。研磨洗浄をしました。

 

ファインダーのレンズを分離して清掃をしました。

 

 

問題のレンズです。後玉はスリ割が光っていますので過去に分解を受けています。バルサムの黄変などがありますが、程度としては現存の中では普通です。

 

前群は前2枚はバルサム接着で後ろの3枚目との間が汚れやすいです。今回は清掃でほぼ良好な状態になりました。

 

欠品していたネジを追加してあります。

 

 

ファインダー前縁の激しい腐食ですが、拡大してみると金属が酸化をして白く劣化しています。補修塗装をしようかとも思いましたが、この状態では無理ですね。普通に保管されていたのであれば、ここまで腐食はしませんが、入れられていたケースの素材などに反応したものかも知れません。(稀に同様な個体を見ます)修復には腐食のない良好なPEN-SファインダーからPEN-W仕様に作り替えたものと交換するのが良いでしょう。

まぁ、心おきなく実用できる個体としては良いのではないでしょうかね。

 

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