今日は新宿の病院に定期健診で行ってまして、帰宅してからの作業となりました。ご常連さんはPEN-S3.5がお好きで過去にも別の3.5のオーバーホールをご依頼頂いています。今回の個体は、友人に貸し出していたら巻き上げが出来なくなった。(シャッターが原因)というもの。#1229XXは1965年10月の製造で、どことなく梨地のメッキがくすんでいますが保管の問題でしょうか。
気になったのは絞りリングの動きが非常に重いこと。これは分解してみることにします。
レンズはカビや曇りは少ないのですが前玉に小キズが目立ちます。
問題はこれです。シャッターユニットのハウジングを留めるネジの1本が飛び出しています。コパルでの白い緩み止めが塗布されたままでしたので未分解のシャッターです。
内部に油が回っていますが、このシャッターは油が出るようなシャッターではないのですが・・すべて分解して脱脂洗浄をします。
問題のネジです。これは作業者がネジを斜めにねじ込んでしまい途中でニッチモサッチモいかなくなって「し~らない」とそのまま組んでしまったのです。
ネジ山を壊していますが、材質がアルミですのでタップを立て直すとネジが瘦せてしまうので、新品の鉄ネジを逆から締め込んで修正をしていきます。だめだよコパルわぁ・・
3.5のファインダーブロックは樹脂製で、PENに比べてシャープに成形しているので強度がありません。落下や前面ガラスを外そうと力を掛けると劣化もあって簡単に割れてしまいます。今回はすでに割れていてGクリアーで貼ってあったのです。
問題のレンズユニット。絞りユニットの洗浄と潤滑をして組み立てます。レンズはまぁまぁです。
ピントリングが回らず絞りリングが軽く回る絶妙なグリスワークをします。
巻上げも軽くシャッターも快調の良いコンデションとなりました。
トミーのリペイント (tomys800.sakura.ne.jp)