今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
(お問合せ)tomytmzk@titan.ocn.ne.jp
 

ローライ続きの巻

2019年11月16日 19時10分00秒 | ブログ

なんかローライ35が定番になってしまいましたね。PENはどこへ行っの? 相変わらずメンテナンスをしています。この個体ローライ35(ドイツ)はスロー不調とレンズの清掃ですが、あ~ら、巻上げレバー当て(ボッチ)が割れていますね。

 

レンズとシャッター羽根を清掃しています。初期型としてはきれいなレンズでした。

 

 

ユニットの後ろには調整用のシムが入っていますが、この個体厚み1.5mmX2枚、2mmX2枚 合計0.7mmが入っていました。

 

 

次はローライ続きでローライコードⅤです。ローライフレックスの廉価版ということですが、前回やりましたヤシカフレックスとよく似いてるというかこちらがオリジナルで日本のメーカーがコピーしたのね。シボ革は何度も貼り直されていて接着剤でガビガビになっています。まぁ、剥がれただけでうれしいですけど・・

 

シャッター不調と巻き上げが重い症状有りということですのでボードごと分離します。

 

 

レンズはシュナイダー・クセナーですがきれいです。

 

 

ローライだからと言ってそれほど作りが良いわけではありませんね。廉価版だし・・巻上げが重いと言っても真鍮のワッシャーが入っているだけで潤滑が無いので摩耗気味で作動が重くなっているのでしょうかね。洗浄と潤滑をして組みます。

 

反射ミラーは意外にきれいですので途中で交換されているのかもしれません。作り直さずに清掃で良さそうです。

 

 

ボディーの作りはヤシカフレックスとそれほど違いはないというか、国産メーカーが頑張ったということでしょうけど、違うところはシャッター(レンズ)だと思いますね。シンクロコンパーの圧倒的な精密感。スローが不安定とセルフタイマーが全く固着しています。

 

これがセルフタイマーユニット。超音波洗浄と注油により作動状態となりました。

 

 

本体に組み込んだところ。

 

 

厄介なのはシボ革を接着されていたオリジナルとその上の再接着された接着剤が溶剤を変えてみても溶けません。あ~、今回はシボ革は剥がれたのに接着剤の除去で手間が掛かるとは・・

 

日本の接着剤ではないのかしら? こちらも溶けずに厚く硬化しています。これは研磨で落とすしかありません。出来合いのシボ革はあるのかなぁ?

 

コネクターのところで切れていました。私の仕業ではありません。接着層を削り落としました。

 

 

シボ革は最後に貼ります。作動を見ておきます。このレバーを下げて赤●を出しておくと多重露光が可能になります。

 

 

 シボ革を貼る前に白の色入れが異常に汚れて変質しているので入れ直しておきます。

 

 

二眼レフのファインダー画像って、子供の頃に見た幻灯機の映写画像のような不思議な色ですね。

 

 

で、シボ革を貼って完成です。

 

 

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レチナとヤシカフレックスの巻

2019年11月12日 16時50分00秒 | ブログ

まずはレチナⅡcです。販売前の整備ですから特にお書きすることも無いのですが、普及カメラといっても流石にドイツ製。良い作りのカメラですね。シャッター粘り、低速不調、セルフタイマー不調の改善とファインダーの清掃をします。LV表示のため、カム板の他に絞りリングが入って面倒な分解です。シャッター、絞り羽根の洗浄とスローガバナー、セルフタイマーを分離して洗浄注油をします。

レチナは巻き上げレバーが出っ張っているので背面に置くとレバーが傷だらけになりますね。

 

 

研磨をしておきました。

 

 

ファインダーの清掃とレンズの清掃をしました。

 

 

個人的にはⅢ型よりもⅡ型の方がシンプルで好きですね。

 

 

ヤシカフレックス。C型になるのかな? 知りません。程度の良い革ケース付です。

 

 

こちらもシャッター不調とセルフタイマー不調です。前面のシボ革はきれいでしたので、なるべく再使用としたいところでしたが、全く剥がれずアルコールにも溶けてしまうという状態。二眼レフはなぜこうなんでしょうね。断腸の思いで削り落としてカバーを開けます。シャッターはコパルですね。

 

非常にシンプルな構造のシャッターです。上側のスローガバナーと下側のセルフタイマーの洗浄注油とシャッターの洗浄脱脂をします。

 

 

スローガバナーは摩耗も無く良い程度です。

 

 

セルフタイマーの方がご機嫌斜めでやっと調子を取り戻しました。

 

 

Yashikor 80mm f3.5 レンズを清掃して取り付けます。あとはファインダーの清掃とシボ革の製作かぁ。1台きりに型紙を作るのも面倒です。どこかでシボ革市販していないかしら・・

 

 

 ファインダーとレンズを清掃します。ピントグラスは清掃で問題ありませんが、反射スクリーンは殆ど腐食していて反射率が落ちています。

 

 

これより程度の悪い個体も沢山あります。ピントの検出には問題がないため今回は洗浄で再使用とします。

 

 

二眼レフのシボ革はきれいに剥がれるものはまずありません。この個体はアルコールにも溶けてしまう状態でした。金属へらなどで削ると本体の黒アルマイトが傷だらけになるため、溶かしながら慎重に取り除きました。

 

二眼レフの修理で一番苦手で時間が掛かるのがシボ革の製作。だるまさん形とシャッターボダンやシューがありますので、僅かな寸法違いでもピッタリと貼ることが出来ません。紙の型紙を何度も修正しながら合わせて行きます。

 

型紙は出来上がったのですが、クラシックカメラ用のシボ革を製作されているAki-Asahi様からご提供頂けましたので、手によるカットよりレーザーカットの方が正確できれいなため、そちらを使用することにしました。左がレーザーカット品で、真ん中のだるまさんを私が作った型紙に嵌めてみるとドンピタでした。

取付けネジの部分が低いのでワッシャーがスペーサーとして入っていましたので同様にセットします。

 

 

お~、流石に正確です。このようなシャッターボタンやストロボターミナルなどの◯位置は、僅かにずれていても非常に目立ちます。

 

 

折角程度の良い革ケースですが、年代物ですのでオイルを引いておかないと切れたりします。オイル塗布後ブラッシングをしておきます。

 

 

シボ革の雰囲気は悪くないですね。他のパターンでも製作して頂けるようです。二眼レフのシボ革はきれいに剥離できることはまず無理で、シャッターの修理をする場合はどうしても破壊しなければなりませんので、現在は前面のシボ革がオリジナルでないことは評価に影響はないようです。この時点ではシャッターボダンのリングネジが付いていませんがレンズキャップも取り付けて完了です。

 

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ローライ35 ドイツの巻

2019年11月07日 16時00分00秒 | ブログ

MADE IN GERMANY製の初期型ローライ35ですが、露出計が不動なので商品価値が下がってしまいます。で、検査をすると幸いCdsとメーターは生きていましたよ。では、回路をやり直せば動くはずです。

 

動きましたね。感度も良いと思います。

 

 

それでは全体のメンテナンスをして行きます。初期のファインダーはプリズム式なので分解が出来ません。プリズム押えの差し込む部分が折れて欠落しています。ということは過去に分解歴ありということです。

 

スプロケットをフリーにする巻き戻しレバーの動きを規制するバネですが、分解組立時に無理にカムをねじ込んだためにバネが変形している個体が多いです。形状を修正して組み立てます。

 

シャッターも過去に分解を受けていますね。プロの仕事です。

 

 

前玉のヘリコイドグリスが軽過ぎます。分離をしてみると大量のグリスが塗布されていますが、ダンパーグリスではなく普通のグリスのようです。すべて洗浄をして入れ替えます。

 

ピントリングに接着される化粧プレートの接着剤は完全に清掃をしておきませんときれいに貼れません。

 

 

この個体は大量の調整シムが入っていました。それを元通りに入れて本体に取り付けます。

 

 

無限調整をしてから化粧プレートを接着します。

 

 

露出計の針は元気に動いています。

 

 

外観の清掃をして終了です。外観に当りもなく良い個体です。ドイツ製の個体は人気がありますね。まもなくショーウィンドウに並ぶと思います。

 

 

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ヨットハーバーの巻

2019年11月04日 21時20分00秒 | ブログ

少し間が開いていて申し訳ありません。昨日は親戚の結婚式で鎌倉方面に出掛けておりましたよ。あいにく天気は良くなくてハーバーでの撮影条件も良くありませんでした。ローライ35Sも持って行ったのですが、やはり式会場内の撮影はきびしくてデジカメを使用しました。また。次の機会に・・

 

今朝は打って変わって快晴の天気となりました。風も冷たくてヨットも寒そうに見えましたね。さて、PEN系の作業予定はありませんので、ストックの個体でも作業をしようかとも思います。オーバーホールご予定の方がありましたらよろしくお願いいたします。

 

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CARL ZEISS フレクトゴン 35mm f2.4 (M42)の巻

2019年11月02日 13時20分00秒 | ブログ

フレクトゴンって言う恐竜みたいな名前のレンズ。M42 35mmで最短が20cm以下のマクロも出来るという人気のレンズのようです。修理内容は「ピント位置不良」カメラにセットしてみると無限の手前でピントリングが止まりますね。

 

構成はこのようになっています。鏡胴の前後にレンズが取り付きます。で、内筒を一番ひっこめても少し出っ張り気味のようです。

 

 

中筒の出っ張りはこんな感じです。

 

 

たぶん過去の分解でヘリコイドの組み位置を間違えているようです。しかし、オリジナルが分からないヘリコイドの分解修正は面倒くさいです。で、画像のように一山ずらしてみました。同時にヘリコイドグリスを入れ替えています。

 

内筒が引っ込んでいますね。

 

 

絞り羽根の動きの確認と清掃。

 

 

各レンズの清掃を終えてマウント部を取り付けます。

 

 

留めネジの黒塗装が剥げていますのでタッチアップしておきましょう。

 

 

最短で良く伸びますね。

 

 

現在はデジカメ用で使用される方が多いのでしょうか。これで終了です。

 

 

 

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