今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
(お問合せ)tomytmzk@titan.ocn.ne.jp
 

きれいなペトリカラー35の巻

2022年08月18日 12時50分00秒 | ブログ

こんなにきれいなペトリカラー35を見たのは初めてです。外観にアタリも無く機能的にも問題はありません。メンテナンスをして行きます。

 

まず気になったのはレリーズボタンのシャッターが切れるタイミングが深い。と言うか押し込んで底に当たった状態で強く押すと初めてシャッターが切れるといった具合。

 

シャッターのストロークの調整はのレバーを曲げて行います。工場で工具を掛けたキズもありますが、レリーズボタンを深く押し過ぎて位置が変わってしまったのでしょう。

 

ファインダーの清掃をしますが、2枚の対物レンズ間の隙間が狭いので清掃は困難です。対物レンズはPENのものより薄いため、無理に剥離をするとカケてしまう危険があるので不用意に分解は出来ません。

この個体は未分解と思いましたが分解歴はありますね。レンズも分解されていますけど非常に丁寧な作業です。しかし、各レンズ面に若干の拭きムラ汚れがありますので清掃をしておきます。

 

シャッター各部の注油とスローガバナーの清掃注油をしておきます。

 

 

沈胴部分の注油と裏蓋のモルト交換をしてあります。

 

 

裏蓋内面のローライ35との比較。横幅はローライ35が95mm、ペトリカラー35は5mm大きい100mmです。

 

沈胴を収納した状態。

 

 

レンズを繰り出した状態。

 

 

このぐらい程度が良いのは私も欲しいですね。探せばあると言うことですね。

 

 

トミーのリペイント (sakura.ne.jp)

 

 

 

 

 

 

 

 


マイクロコードの巻

2022年08月15日 15時00分00秒 | ブログ

世の中お盆休みですかね? 中古カメラ店様へTELをしましたら連休中でした。ではこちらもボチボチやります。このマイクロコードは赤窓式のタイプで、不調の多いセルフタイマーも付いていないです。革ケース入りでしたので外観は比較的きれいですが、保存が永いために不具合が出ているという感じです。

フードを留めるネジの1本(左)がオリジナルでないようです。頭が大きいですね。まずはフードを分離してミラーやスクリーンなど内部を清掃して行きます。また、フィルムカウンターが固着して戻らないようです。

 

レンズはビュー、テイク共カビが多いです。また、シャッターは低速不調、シャッター羽根、絞り羽根に錆が発生していますので清掃をして行きます。

 

 

テイクレンズの前玉の裏側にもカビが多いので分解清掃をしますが、前玉を留めているリングナットに工具を掛けるスリ割りがありません。ゴムの接触圧力で開けろということか。

 

フィルムカウンターギヤが固着してバネによる復帰が出来ない。これはローライコードなどでも多く発生している故障です。

 

分離して洗浄注油をしました。これを組み立てて行きます。

 

 

巻上げダイヤル軸にはグリスが全く無くなっています。分解洗浄をして逆転防止クラッチ部にもグリスを塗布して組みます。

 

 

トミーのリペイント (sakura.ne.jp)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


初期のローライ35の巻

2022年08月14日 10時30分00秒 | ブログ

#30030XXの初期型ローライ35をメンテナンスします。基本的には作動していますので過去にメンテナンスを受けているようです。ただし、フィルムカウンターは25枚以降進みません。この頃は内面塗装は以後のリンクル塗装ではなく、通常の黒艶消し塗装です。

ケース入り個体でしたので全体的には小キズも少なく良いコンディションですが、ファインダー角の当たりだけ残念です。

 

ヘリコイドグリスは抜け気味です。入れ直すので問題ありませんが・・。レンズ゛前面の化粧リングは白化が始まっていますが、それほどひどくはありません。ケースに入っていたからでしょう。

 

スプール下の巻上げカムは金属製ですね。これによって巻き上げの感触が違うのです。

 

 

初期型にはファインダー部にL型のアルミ補強材が挟まれていますね。パーツリストには記載はないので初期の強度的な問題の対策部材なのかも知れません。

 

巻き戻しレバー軸の規制用バネの形状が以後と異なります。以後は右の2つのネジ頭に絡める留め方ですが、この個体は上部地板にネジ留めのシンプルな構造です。

 

上は以後の個体。圧板の部材とスプールの仕様が異なります。ローライ35のフィルム装填は少しやりずらいですが、個人的には初期のスプールの方が装填し易いと感じます。

 

樹脂ギヤは使われていませんので、グリスもホワイトグリスではなく通常のグリス系が使われています。

 

圧板の取付部が変形していますので修正をしておきます。無意識に圧板を開く方向に無理をさせると、テコの原理で簡単に曲がってしまいますからご注意ください。

 

やはりシャッターは分解を受けていました。左の作動リングの摺動面にモリブデンのようなものが塗布されています。作動リングの形状も初期型です。レンズの清掃をしておきます。

 

沈胴のフェルトの調整をして完成したシャッターユニットを取り付けます。

 

 

のリング留めネジが緩んでいました。

 

 

清掃した前玉のヘリコイドにグリスを塗布して取付け、ピント調整をしました。ピントリングをセットします。

 

初期型はフィルムカウンターの逆転を止める爪が弱いので、補強バネを追加して36枚まで正常に進みます。

 

ケース保管のため、底部のキズや腐食も無く、非常にきれいな状態です。

 

 

この頃の露出計はCdsが劣化しているものが多いですが、この個体の露出計は非常に元気に作動します。元々のコンデションが良い個体でした。付属品付きでカメラ市用と思いますので買ってください。

 

トミーのリペイント (sakura.ne.jp)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


レースの写真の巻

2022年08月11日 12時50分00秒 | ブログ

カメラの作業に疲れたので、古いレース時代のフィルムをスキャンしています。これはゼッケン21ですのでノービスの初レースの時で、たぶん前日の土曜日の練習だと思います。富士のヘアピンを立ち上がって行きます。

 

快調にストレートを駆け抜けて行きます。まだセッティングが決まっていないので、内心はエンジンが焼き付ないかと左手の中指がクラッチレバーに掛かっていたはずです。

 

うちのクラブ員の彼女たち。今見ると少しケバイ感じに見えますが良い人たちでした。もちろん、私の彼女はいません。

 

 

白黒画像なので余計に暗く見えますが、雨のレースは嫌いです。チームメイトのスタートをサポートしています。私もRIDERの腕章をしていますのでエントリーをしていたのでしょうけど、雨のレースは記憶に残りません。

 

ヤマハが作った仙台の菅生サーキットに外国人選手を招待したイベントがありました。Rは世界チャンピオンのケニーロバーツ選手。プッチキリで優勝しました。

 

これはジョニーセコット選手。ベネゼイラの人だったか。

 

 

ヤマハワークス入りした高井幾次郎選手。「小さな巨人」と言われました。個人的には小排気量の125ccクラスで短気筒のAT1を駆って二気筒車と対抗していた頃が好きです。私も同じエンジンを使いましたので。350ccぐらいまでは良かったですが、500ccは少し無理をしたのかも知れません。同じ菅生でテスト中に転倒して亡くなりました。

これは浅見貞男選手。関東のライダーでタクシーの運転手などをしてレース活動をされたと聞いていました。私のクラブの先輩と知り合いなので親近感を持っていました。マシンはワークスではなく、市販のTZ500で、ワークスとは性能差があります。

 

富士スピードウェイは晩秋から冬にかけて、天候が雨となるとコース全体が濃霧に包まれて走行不可となることがあります。この日の練習もコースイン直前にコース閉鎖となってガッカリ。コース上で記念撮影となりました。

 

日曜の決勝も雨です。私の先輩である藏治義紀選手がゲートに向かいます。このマシンは市販レーサーのヤマハTR3(350cc)で、国内に供給された台数が少なく、有力選手にのみ入手が出来た状況です。昭和47年3月26日「第17回クラブマンレース」この頃はノービスクラスの選手が上級のジュニアクラスに挑戦が出来るという制度があって、それによるジュニア挑戦レースです。

ピットロードを加速して行きます。ヘルメットはオールドスタイルのドンブリ型。この時すでにゴグルが曇り始めています。

 

スタートしました。まずまずのスタートでした。手前左は根本健選手。他に杉本泉選手、加藤昇平選手など有力選手の他に関西からカウリング前面に「初陣」と書き込んだ糟野雅治選手も出走していたと記憶しています。

 

当時はまだ30°バンクを使用したフルコースでの開催です。S字コーナーを回って100Rに向かいます。しかし、この頃はゴグルが曇り、ゴグルを取り去っての裸眼走行となってペースが落ちて来ました。

 

このマシンは恐らくヨシムラの加藤昇平選手だと思われます。非常に理知的なお顔立ちの選手で速い選手でしたが、後年、スズキの竜王テストコースにて転倒、帰らぬ人となりました。

 

結果はジュニアクラス6位でした。この頃はヨーロッパスタイルのドンブリヘルメットからフルフェイスヘルメットへの移行期で、有力選手はすでにフルフェイスを使用しています。ジェット型ヘルメットはゴグルのフィッティングが難しく、ロードではあまり普及しませんでした。ゴグルが曇らなければ、さらに上位の入賞は確実でした。しかし、当時の写真を見ると、その時の情景が鮮やかによみがえって来るものですね。キヤノンFTb使用。

 

 

 

 

トミーのリペイント (sakura.ne.jp)

 

 

 

 

 


いろいろやってますの巻

2022年08月10日 10時30分00秒 | ブログ

猛暑が戻って来て、今日は38℃の予報です。みなさん熱中症に気を付けましょう。で、9月のカメラ市が近づいて来てUPをしている時間が無くなって来ましたので簡単にです。これは前回と別のPEN-D3ですが未分解で作業が楽です。ちゃんと位置決めピンの入っています。初分解なので当然ですが・・

距離環の前面カバーはこのようにシボ革を剥離します。決して黒塗装部分にピンセットで傷を付けません。しかし、時間は掛かるのです。

 

何時も思うのですが、D系は営業部門からの開発要請でコンパクトPENのボディーに無理やり露出計や巨大レンズを搭載するため無理な設計になっているということ。露出メーターのボタンはマイクロスイッチの軸線と全く合っていません。辛うじて掛かっているという状態です。トップカバーのボタンの位置を動かせないためです。こんな設計が出来るのも大昔だからだなぁと思います。

製造時期がそれほど違わないのに、この個体の露出メーターは感度良く反応します。前回の個体に仮に汎用Cdsを繋いでテストした結果、メーターは元気に振れました。メーターは問題なくやはりCdsの劣化でした。D3内でも製造時期により高輝度、低輝度の制御方式(基板)が変更されていますので、作動自体は問題なく出来ると思います。

これはローライフレックス3.5Fですが、乱暴に扱われた個体はメーターの樹脂カバーが破損しているものがあります。リプロ部品も出回っているようですが、外観は同じでも、内部形状が違っていて、加工をしなければ取付けできない場合があります。しかも高価なので、今回は純正の中古を使い交換して行きます。

左が交換する純正中古。こちらも傷は多いです。

 

 

カバーを分離して見ると・・ゴッセンのメーターの目盛盤もクラッシュしていて、それを修正してありました。すると、今回交換するカバーも過去に交換されたものかも知れません。