今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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レアなコンパクトがお好きの巻

2023年12月14日 17時00分00秒 | ブログ

別の大阪のご常連さんはレアなコンパクトカメラがお好き。特に故障はしていませんがファインダーなどの汚れが目立ちますのでメンテナンスをします。裏蓋のモルトは過去に貼り替えられていますが、やり直します。

フジカの特徴的な底部の巻き上げレバー。リンケージの清掃とグリス交換をします。

 

レンジファインダーは中々良い作りです。通常、ハーフミラーにするところが立派なガラス製が使われています。しかし、その影響で接眼レンズの内側クモリを清掃できません。

 

接眼レンズはエポキシ接着ではなく、ゴム系接着ですので溶剤で軟化させて分離します。

 

フジカのもう一つの特徴は距離リングではなく、裏部のダイヤルで調整します。トップカバーを分離する場合は、画像のようにダイヤルの切り欠き部分にして外します。

 

本体から分離して清掃の上モルトを貼ってから取り付けたところ。

 

 

巻き上げレバーが無いすっきりとしたデザインです。

 

 

もう一台はリコーの輸出機と思いますが520m cdsというカメラ。フジカより若干大きいデザインで、こちらは極めてオーソドックスな作り。同梱で食玩のヒコーキが入っていましたよ。いつもありがとうございます。今回は飛燕Ⅱ型の水滴型風防となったレアなタイプです。Ⅱ型はエンジン出力を向上したタイプでしたが、本家ドイツに比べて冶金技術などの工業力不足によりトラブルが多く、結局は空冷エンジンに換装した五式戦となるのでした。

こちらのファインダーは普通のハーフミラーが使われています。全く教科書通りというべきレイアウトの設計です。各部の清掃と注油をしていきます。

 

しかし、メーターの表示板などは、もう少し何とかならなかったのかと言うようなデザイン。また、メーター本体は回転するのでリード線に追従する柔軟性が必要ですが、のように非常に細いむき出し線で、知らないと無意識に触れて切断する危険が高いです。製品としての完成度がイマイチな感じ。

モルトの交換をしたところ。

 

 

トップカバーを分離する場合、ターミナルの配線半田を外す必要がありますが、画像のように非常に短いので、こちらも不用意にトップカバーを開けてしまうとリード線を切ってしまう危険がありますね。もう少しリード線を長くしても良かったのに・・

なぜかアンダーカバーの一部が腐食して、メッキが痛んでいます。いつも予備機を付けていただけますので高さ調整用ワッシャーも移植して取り付けます。


フジカと比較するとリコー520mの部品の仕上げが荒いと感じます。これは部品外注先の技量というより部品コストの問題でしょうね。フジカのシリアルが#40506XXでリコーは#133XXと表示方法が異なるにせよ生産台数が違うことは推測できますので製造コストを掛けられないのでしょう。

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