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富塚孝一
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珍しいリコーフレックスmillion の巻

2023年12月19日 17時30分00秒 | ブログ

カメラ店様から珍しいリコーフレックスmillionという二眼レフが来ました。「シャッター不調だけ安価に直して」とのご指示でしたが、そうもいかないようですよ。

 

リコーのHPから引用。「米国で流行した横長画面の撮影ができるように画面マスクと巻き取り窓を裏蓋に追加。裏蓋番号窓が複雑になっている」とのことですが、なるほどね。

 

安価に発売するため、板金ボディーですね。レンズにはカビがありますが清掃は出来そうです。

 

発売は1957年とのことですから、この時代の国産カメラのミラーは腐食で使えませんね。交換になります。ファインダーレンズもカビがありますが分解清掃をします。

 

題はシャッターが動きません。セルフタイマーも固まっているようですので分解洗浄をします。HPではシャッターはリケン製となっていますが、セルフユニットは「購入品」となっています。コパルかな?

シャッター羽根の洗浄とスローガバナーとセルフユニットを組み込みます。

 

セルフタイマーを掛けて正常にシャッターが切れています。因みに、シャッタースピードのスペックには種類があるようですが、この個体はB 1~1/300でした。

 

二つ目の問題は、リコーフレックスはレンズのヘリコイドグリスが固まって回転しないものが多い印象ですが、この個体も撮影レンズが固着していました。力技で分離します。レンズの清掃とヘリコイドグリスの交換をします。

ミラーは交換してあります。

 

 

これ何というのかな? 内部のフィルムを装填するマガジン?

 

 

こちらも問題あり。スプールホルダーにテンションを掛けるバネの支点のリベットが外れています。再カシメをしますが、常に板バネのテションが掛かっているのにカシメしろが殆ど無いので、たぶん多くの個体で外れているのではと思います。

ルーペはローライフレックスよりも大きい? 立派なものが付いています。これを清掃しておきます。

 

リコーフレックスでもローライフレックスでも作業の手間は一緒です。millionとは総販売台数が100万台を記念してのモデルだそうです。この個体もft機ですのでアメリカに大量に輸出されて外貨獲得に貢献したのでしょう。

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