昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

[お取り扱い注意!] (二十)

2013-08-16 09:32:42 | 時事問題
元旦に、突然届いた荷物。
日が経つにつれ、膨れ上がってきた。
中から出てきた物は……人形だった。
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(二十)

また胃カメラかと辟易したが、やむを得ない。
あのゲーゲーという辛い思いを味わうのかと絶望的な気持ちになったが、
この激痛から解放されるのならばと観念した。

しかしその二回の入院時の出費は大きく、預金もほぼ底をついてしまっているのだ。

「だめですよ、帰るなんて。
待ってて下さいよ、先生を呼んできますから。
まだ、横になってて下さい。」

点滴のチューブと酸素マスクが外れると同時に立ち上がった私を制すると、
慌てて部屋を出て行った。

五分ほど経ったろうか、野本というネームを付けた医師がやってきた。

「だめだよ、山本さん。
退院なんて、とんでもない! 
そんなことね、医者である僕は、了解できないですよ。」


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