元旦に、突然届いた荷物。
日が経つにつれ、膨れ上がってきた。
中から出てきた物は……人形だった。
========
(二十)
また胃カメラかと辟易したが、やむを得ない。
あのゲーゲーという辛い思いを味わうのかと絶望的な気持ちになったが、
この激痛から解放されるのならばと観念した。
しかしその二回の入院時の出費は大きく、預金もほぼ底をついてしまっているのだ。
「だめですよ、帰るなんて。
待ってて下さいよ、先生を呼んできますから。
まだ、横になってて下さい。」
点滴のチューブと酸素マスクが外れると同時に立ち上がった私を制すると、
慌てて部屋を出て行った。
五分ほど経ったろうか、野本というネームを付けた医師がやってきた。
「だめだよ、山本さん。
退院なんて、とんでもない!
そんなことね、医者である僕は、了解できないですよ。」
日が経つにつれ、膨れ上がってきた。
中から出てきた物は……人形だった。
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(二十)
また胃カメラかと辟易したが、やむを得ない。
あのゲーゲーという辛い思いを味わうのかと絶望的な気持ちになったが、
この激痛から解放されるのならばと観念した。
しかしその二回の入院時の出費は大きく、預金もほぼ底をついてしまっているのだ。
「だめですよ、帰るなんて。
待ってて下さいよ、先生を呼んできますから。
まだ、横になってて下さい。」
点滴のチューブと酸素マスクが外れると同時に立ち上がった私を制すると、
慌てて部屋を出て行った。
五分ほど経ったろうか、野本というネームを付けた医師がやってきた。
「だめだよ、山本さん。
退院なんて、とんでもない!
そんなことね、医者である僕は、了解できないですよ。」
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