昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

[ブルーの住人]第四章:蒼い友情 ~まーだー~

2023-10-07 08:00:07 | 物語り

(四)反吐

 それにしても、マスコミという化けものの餌食となった若ものもあわれだ。
錬達なカメラワークの中で、若ものはしだいに色をうしなっていく。
とどのつまりが「あんたたちになにがわかる!」とどなり散らして、スタジオをあとにした。
まだ年わかい、未熟な、そして無知な若ものをいたぶって、なにが面白いのか。
コメンテーターたちの勝ちほこった顔がアップとなるに至って、わたしを嫌悪感がおそい、反吐がでそうになった。

「あのヒッピーもどきが、つまりきみだ。
コメンテーター=マスコミさ、マスコミの意のままに踊らされているんだ。
ヒッピーがそのことに気づいて逃げだしたのか、あの若ものほどバカな男もいない。
自然に生きようとする者が、なぜに人工物の最たるテレビにでるのか。
気づいてのことなら……いや、あそこにたった段階で、若ものはヒッピー失格さ」



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