申し訳ありません。正直にいいますと、いまとなっては本当のことだったかどうか、定かではありません。
風呂上がりにふたりで帰った、これは事実だと思います。
ですが、おてらの境内で犬の遠吠えがあったかどうか、これは嘘かもしれません。
お寺と遠吠えのふたつでもって、こころの寂寥感を表現しようとしたのかもしれませんし。
あるいは事実だったかもしれません。
ついでに自慢をさせてもらえれば、おなじくその雑誌にて、こんどは作文で賞をいただきました。
ふかく暗い井戸のそこから、母親のよぶ声によって生還するといった内容です。
これは幼稚園児だったときにたいへんな交通事故にあい、まさに生死の境をさまよったおりの経験が元になっています。
ですが、ごめんなさい。
この井戸のそこから……というのは、作り話です。
もう半世紀以上前、いえ60年以上前になりますかねえ。
ですので、決して「リング」の貞子さんのお話を借りたわけではないですから。
貞子? 偶然というには恐ろしすぎます。母の名前は、貞子です。
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