(十一)徒党
ジョン・レノン、ポール・マッカートニー、リンゴ・スター、そしてジョージ・ハリスン。
4人組だからだ。
徒党をくんでいる、それが嫌う理由だった。
そう、そうなのだ。
うしろからあたまを小突く、少年を苦しめているのが、4人組だからだ。
さらに、プレスリーとビートルズが会ったおりに、プレスリーの「君たちのレコードは全部もってるよ」と言うと、ジョンが「ぼくはあなたのレコードは1枚も持ってないけどね」と返したことに、礼儀知らずだと憤慨する少年だった。
「エルヴィスがいなければ今の自分はいない」。
そんな謝罪のことばを伝えていると聞いたけれども、少年の怒りはおさまらなかった。
少年のお気に入りはプレスリーであり、アニマルズだった。
“That's All Right”と連呼し、“監獄ロック”ではトイレの中で腰をくねらせたりした。
そして「ラスヴェガス万才」の映画に興奮し、共演した女優のアン・マーグレットに恋をした。
はじめて買った洋盤の“朝日の当たる家”に聞きほれている少年だ。
“Well with one foot on the platform And the other foot on the train”のフレーズに涙する少年でもあった。
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