(二)
“そうよ、そうよ。わたしは幸せ者なの。
財産全てを、わたしの為に使い果たすんだから。
これからもわたしの好きなようにしていいって、言ってくれたのよ。”
“みんな褒めてくれてるじゃない、あの婆さまだって。
これ以上の良縁はないって、言ってるじゃない。
それに、それに、生娘じゃないんだし。
アーシアも死んじゃったし……”
“良かったのよね、お母さん。
タケゾーの元に嫁ぐのは良いことよね。
借金も払ってくれたし。
それに何より、爺ちゃんの面倒も見てくれるって言うし。”
“いいの、いいのよ、これで。
女は、愛されてナンボなのよ。
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