昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

大長編恋愛小説 ~水たまりの中の青空・第二部~ (六十三)の二

2013-06-04 18:07:36 | 時事問題

(二)

“そうよ、そうよ。わたしは幸せ者なの。
財産全てを、わたしの為に使い果たすんだから。

これからもわたしの好きなようにしていいって、言ってくれたのよ。”

“みんな褒めてくれてるじゃない、あの婆さまだって。
これ以上の良縁はないって、言ってるじゃない。

それに、それに、生娘じゃないんだし。
アーシアも死んじゃったし……”

“良かったのよね、お母さん。
タケゾーの元に嫁ぐのは良いことよね。

借金も払ってくれたし。
それに何より、爺ちゃんの面倒も見てくれるって言うし。”

“いいの、いいのよ、これで。
女は、愛されてナンボなのよ。


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