(八)
ニコニコ顔で答える小夜子、そして苦虫をつぶした顔で受ける茂作。
が、その中に少しばかりの安堵の色が浮かんでいる。
「ごめんください。小夜子さまは、お見えですか?」
「あら、幸恵さん」
小夜子が戸口に顔を出すと、幸恵がぺこりと頭を下げた。
「小夜子さま、今日お帰りになられるのですね?」
「えぇ、お昼の汽車に乗るつもりよ。でもどうしたの?」
突然に土下座をする幸恵。
驚いた小夜子が、幸恵を起こそうとするが、立ち上がろうとはしない幸恵だ。
「幸恵さん、やめて。一体、どうしたって言うの?
怒るわよ、あたしも」
「ごめんなさい、ごめんなさい。小夜子さまに申し訳なくて」
体を震わせながら、涙声で謝り続ける幸恵だ。
「ひょっとして、幸恵さん。
正三さんのことなの? だったら、あなたが謝る必要なんかないのよ。
ご縁がなかったということよ」
ニコニコ顔で答える小夜子、そして苦虫をつぶした顔で受ける茂作。
が、その中に少しばかりの安堵の色が浮かんでいる。
「ごめんください。小夜子さまは、お見えですか?」
「あら、幸恵さん」
小夜子が戸口に顔を出すと、幸恵がぺこりと頭を下げた。
「小夜子さま、今日お帰りになられるのですね?」
「えぇ、お昼の汽車に乗るつもりよ。でもどうしたの?」
突然に土下座をする幸恵。
驚いた小夜子が、幸恵を起こそうとするが、立ち上がろうとはしない幸恵だ。
「幸恵さん、やめて。一体、どうしたって言うの?
怒るわよ、あたしも」
「ごめんなさい、ごめんなさい。小夜子さまに申し訳なくて」
体を震わせながら、涙声で謝り続ける幸恵だ。
「ひょっとして、幸恵さん。
正三さんのことなの? だったら、あなたが謝る必要なんかないのよ。
ご縁がなかったということよ」
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます