昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

長編恋愛小説 ~水たまりの中の青空・第一章~(一) 口答えは許さんぞ

2014-08-23 09:53:42 | 小説
彼は茂作にとっての初孫であり、とに角可愛かった。 “眼の中に入れても痛くない”ものだった。 しかし、甘やかして育てた小夜子を見るにつけ、 その世間知らずさ人の好さが災いしたことで、二度と同じ過ちを繰り返すまいと恐れる茂作だった。 . . . 本文を読む

長編恋愛小説 ~水たまりの中の青空・第一章~(一) 祭りだからと便りを出しても

2014-08-22 09:07:01 | 小説
祭りだからと便りを出しても母だけを帰し、自らは仕事に打ち込んだ。武蔵にしてみれば、生き馬の目を抜くようなご時世である。一日たりとも、仕事から離れるわけにはいかない事情もありはしたが。然もそれまで冷たい目を向けていた村人達が、武蔵と姻戚関係が結ばれてからというもの、下には置かぬ扱いに変わった。 . . . 本文を読む

高賀神社と円空記念会館 (二)

2014-08-21 22:42:45 | よもやま話
高賀神社は、こうかじんじゃと読みます。 というところで、少しばかり、ご説明を…して頂きます。 高賀神社(こうかじんじゃ)は、岐阜県関市洞戸高賀にある神社である。 別名、高賀山大本神宮。 標高1,224mの高賀山の山麓にあり、高賀山を囲む高賀六社の一社。旧社格は郷社。 . . . 本文を読む

長編恋愛小説 ~水たまりの中の青空・第一章~ (一) 盛大な結婚式は三日三晩にも及んだ

2014-08-21 09:23:23 | 小説
盛大な結婚式は村中をあげてのもので、何と三日三晩にも及んだ。 一日目に神主を自宅に招いての神前結婚式を行い、その夜神主を大いに歓待した。 二日目は一族郎党との顔合わせとなり、一族郎党へご祝儀袋が手渡された。 そしてその夜は当然ながら、大宴会が催された。 . . . 本文を読む

長編恋愛小説 ~水たまりの中の青空・第一章~ (一) 破格の結納金を目の前に積み上げて

2014-08-20 09:37:20 | 小説
実家における生活は、武士にとって決して楽しいものではなかった。 母方の祖父である茂作は、武蔵を快く思っていなかった。 否、憎んでいた。己の借金の為に、愛娘を奪い取られてしまったのである。 まず五平が出向き、茂作を目の前にして詰め寄った。 当時としては破格の結納金を目の前に積み上げて、強引に迫っていった。 . . . 本文を読む

長編恋愛小説 ~水たまりの中の青空・第一章~ (一) 戦後間もない頃の日本は、

2014-08-19 08:56:36 | 小説
今日より、第一章をスタートさせます。息子である武士の物語となります。そもそも[ふたまわり]というタイトルでした。二十台前半という意味合いがありました。が、いつの間にか親子二代記といった観になり、そして今、小夜子という一代記へと発展していきました。そこで、心機一転の意味も込めて[水たまりの中の青空]となりました。では、武士の恋愛物語をお楽しみ下さい。 . . . 本文を読む

長編恋愛小説 ~水たまりの中の青空~ (九十六) あたしの居場所がね、なくなっちまったようで

2014-08-18 08:56:42 | 小説
「社長…あたしは…」 暗く沈んだ声で、五平がポツリポツリと話し始めた。 「あたしは、いや、あたしなんかが居ても良いんですかね?  厄介者じゃないかと、そう思え始めて…」 口を挟みかける武蔵を制して、五平が続けた。 . . . 本文を読む

板取川温泉で湯治気分に(四)

2014-08-17 13:58:26 | よもやま話
三十分程度だと思います、この位が限界です。 これ以上入っていると、心臓が、あっぷあっぷ の状態になるんです。 もったいないんですよね、ほんとは。 折角の温泉です、もっとゆっくりできるといいんですけどね。 ほら、十月になりましたけど、男三人で行く温泉旅行が予定にあるんです。 北陸の氷見温泉です。 また、ご報告しますから、乞う、ご期待!  まだ入っているだろうな、とロビーに出たんです。 そうした . . . 本文を読む

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