人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

ヴォロングのドヴォルザーク「ヴァイオリン協奏曲」を聴く~新日本フィル定期演奏会

2012年04月15日 07時44分20秒 | 日記

15日(日)。昨日の朝、ブログを見てびっくりしました。「最新コメント」欄に篠原英和という名前があったからです。2月に書いた新日本フィルの室内楽シリーズのブログに、同フィルの第2ヴァイオリン奏者・篠原英和さんがコメントを寄せてくれていたのです 篠原さんは毎回、室内楽コンサートでプレトークを担当しており、そのあまりの博識ぶり、名調子に感服して、賞賛の言葉を書かせてもらったのですが、それに対する返信でした。このブログは昨年2月15日に開始してから昨日で483回を迎えましたが、プロの演奏家からコメントをいただいたのは初めてのことです。本当に感激しました

偶然かどうか分かりませんが、昨日、すみだトリフォニーホールで新日本フィル・トりフォニーシリーズ第492回定期演奏会を聴きました プログラムは①スーク「組曲:おとぎ話」、②ドヴォルザーク「ヴァイオリン協奏曲イ短調」、③ヤナーチェク「イエヌーファ組曲」。指揮はクリスチャン・アルミンク、コンサートマスターは崔文珠です。舞台には昨日コメントをくださった篠原英和さんも第2ヴァイオリンの席に座っていました

スークはプラハ音楽院でドヴォルザークに師事しました。「組曲:おとぎ話」は1901年に初演された初期の作品です。「ラドゥースとマフレナの誠と愛の受難」「白鳥と孔雀の戯れ」「葬送の音楽」「ルナ王妃の呪いと愛の勝利」から成ります。曲は「おとぎ話」というよりは「チェコの抒情詩」のような感じで、やはり恩師ドヴォルザークのようなメロディーが随所に表れています アルミンクと新日本フィルはメリハリを効かせて物語を紡いでいきます。崔のヴァイオリン・ソロは美しく響きました

2曲目のドヴォルザーク「ヴァイオリン協奏曲イ短調」は、1879年から作曲が始まりましたが、当時の名ヴァイオリニスト、ヨアヒムの意見を求めて改作したりしたため、初演は1883年のことでした ヴァイオリンの独奏は1968年ベルリン生まれのマティアス・ヴォロングです。彼は1999年以来、シュターツカペレ・ドレスデンの第1コンサートマスターを務め、2001年からはバイロイト音楽祭祝祭管弦楽団の第1コンサートマスターも務めている実力者です

恵まれた体格のヴォロングは、第1楽章冒頭から力強い演奏で集中力を見せ、ドヴォルザークの”ボヘミアの魅力”を表出しました 独奏部分は本当に美しい音で奏でていましたが、それもそのはず、使用楽器は1676年製アンドレア・グァルネリとのこと こういう人が名器を弾いてオケを引っ張っているからシュターツカペレ・ドレスデンは、つややかないぶし銀のようなアンサンブルを響かせるんだな、と思いました

圧倒的な拍手に応えて、ヴォロングはバッハの無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第3番の「ガヴォット」を、表情豊かに輝かしい音で演奏しました

休憩後のヤナーチェク作曲、ブレイナ―編曲「イエヌーファ組曲」は、オペラ「イエヌーファ」を1957年生まれのピーター・ブレイナ―が6曲の組曲に編曲したものです プライソヴァーの戯曲「彼女の継娘」に基づく自身の台本によるこのオペラは、19世紀末モラヴィアの寒村を舞台に展開する物語です。シュテヴァの子を密かに身籠ったイエヌーファに心を寄せる異父兄弟ラツァの恋のもつれに、継母コステル二チカによる赤子殺しが加わる愛憎劇で、最後にはイエヌーファとラツァが真実の愛に目覚めるというものです

オペラ「イエヌーファ」は題名こそ知ってはいたものの、組曲とはいえ聴くのは今回が初めてのことです もっと難しいオペラかと身構えていましたが、そういうことはなく、親しみやすい曲でした。イングリッシュホルンのソロによるメロディーが懐かしく、心に沁みました

新日本フィルは、室内楽シリーズの定期会員でもあるので、オーケストラを見渡すとお馴染みの顔があちこちに見えるので、すごく身近に感じます。そうした意味では、少人数の演奏活動は大切だと思います

 

             

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