人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

4大コンマスによるヴィヴァルディ「四季」~「オーケストラの日2012」を聴く

2012年04月01日 08時42分32秒 | 日記

4月1日(日)。ついに新年度に突入しました 昨日、法事で藤沢に行ってきました。朝、家を出るときはすごい強風で、藤沢に着くと雨が混じっていました。幸いにもわずかながら遊行寺(ゆぎょうじ)境内の桜が咲いていました

 

        

 

法事が済んだあとは、巣鴨まで戻らず上野で降りて東京文化会館に向かいました。「オーケストラの日2012」コンサートを聴きました なぜ3月31日が「オーケストラの日」なのかというと「331=耳に一番、耳にいいひ」だそうです。ひどいこじつけ、もとい、素晴らしいアイディアですね

この日のプログラムは2部構成で、第1部が4つのオーケストラによるヴィヴァルディ「四季」のリレーコンサート、第2部が首都圏13オーケストラの選抜メンバーによる名曲の演奏となっています 会場はほぼ9割方埋まっている感じで、子供連れが多いように思います。自席はL3-7番で、3階の左上方から舞台を見下ろす形です

最初に、4人のトランペット奏者が登場、メンバーの一人、津守祥三作曲によるファンファーレが高らかに奏でられ、コンサートの始まりを告げます

第1部ヴィヴァルディ「四季」は4つのオーケストラがリレーしてそれぞれの季節を演奏します基本形はヴァイオリン・ソロが中央に陣取り、舞台左から第1ヴァイオリン3、第2ヴァイオリン3、チェンバロ1、チェロ2、ヴィオラ2、後ろにコントラバス1という13名による編成を取ります。

「春」は東京交響楽団の担当。コンマスの大谷康子が濃いピンクのドレスで登場 司会の江原陽子に「春をどのように演奏しますか?」と聞かれ「今ちょうど春爛漫、上野の桜も咲いたようで、私も春に相応しい色の衣裳を着てきました。春らしく楽しく演奏したい」と応えていました大谷は中央のチェンバロの前に立ち、客席の方に向かって演奏します。いつもはコンマスの隣で縁の下の力持ち的な役割を担っているフォアシュピーラーの田尻順がコンマスの席に座って演奏しているのを見て、頼もしく嬉しく思いました

「夏」は神奈川フィルの担当です。コンマスはあの(キザな)石田泰尚。「夏をどのように演奏しますか」の問いに「夏らしく」としか答えられません 2度聞かれて2度とも同じ答えでした。どうも語彙が乏しい人のようです。単なる照れ隠しではないようです。結局、4人のコンマスの中で楽譜を見ながら演奏したのはこの人だけでした。こんなところに他のコンマスとの実力の差が出てしまいました

「秋」は東京都交響楽団の担当。コンマスは山本友重です。第2ヴァイオリンにはエンカナ(遠藤香奈子)さんも健在です 都響の弦楽セクションには定評があります

「冬」は日本フィルの担当。コンマスは木野雅之です。恰幅のいい木野はヴァイオリン・ソロを頼もしく聴かせてくれました

こういう試みは世界的にも珍しいのではないかと思います。ところで、隣に座っている年齢不詳の男性の拍手がとてつもなく大きく音程が高いのです すぐ前の席の女の子が後ろを振り返って「だーれ?大きな音を立てている人は?」という顔をしています 「おいこら、公共の福祉のために、もう少し穏やかに拍手せんかい」と言いたいのをグッと我慢して飲み込みました。演奏する側から見れば、こういう熱狂的な拍手の方が歓迎でしょうから

第2部はジョン・ウィリアムズの「スター・ウォーズ」のメインタイトルで幕開けです。首都圏13楽団の選抜メンバーから成る「オーケストラの日祝祭管弦楽団」を梅田俊明が指揮します。4人のコンマスもヴァイオリン・セクションに加わります。新日本フィルのソロ・コンマス豊嶋泰嗣が112名のオケをリードし、勇壮な音楽が大管弦楽によって演奏されます。初めて映画「スター・ウォーズ」を観たときの興奮を思い出しました

次はNHKの連続大河ドラマ「平清盛」のテーマ音楽(吉松隆作曲)で、ピアノ独奏は脳溢血の後遺症で右手が不自由になり左手のみで弾く舘野泉です テレビは見ないのでどういう番組なのかさっぱり分かりませんが、勇壮な音楽です。演奏後、舘野がインタビューに応えて「いい音楽ですね。でも短すぎますね」と言って会場を沸かせていました

次はフルートとハープのコンビネーションが素晴らしいビゼー「アルルの女」の「メヌエット」です。何度聴いても美しい曲です そして勇壮な「ファランドール」が続きます。この音楽を聴いていると心が高揚してきます

次はヨハン・シュトラウス「ポルカ”狩り”」です。ウィーンフィルのニューイヤー・コンサートでよく演奏される楽しい音楽です 司会の江原が「この曲は、獲物を撃つ鉄砲の音がしますが、驚かないでくださいね。弾は誰にも当たっていませんから」と言って笑いを誘っていました とにかく最高に楽しい曲です。

そしてマスカー二「カヴァレリア・ルスティカーナ」の間奏曲です。こんなに美しい曲があるのか、と言いたくなるほど素晴らしい曲です

フィナーレは、ホルスト「惑星」から”木星”(ジュピター)です。平原綾香がこの曲に歌を付けて歌っていますね 112名による大管弦楽が東京文化会館を揺るがします 

最後にオーケストラの伴奏により会場の聴衆全員で、1年前の大震災の被災者を想いながら「ふるさと」を合唱しました

今回のコンサートは選曲も構成も良かったと思います きっとこの企画の実行委員会に優れたアイディアマンがいるに違いありません。楽しいコンサートでした。また来年が楽しみです

   

       

 

 

 

 

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