人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

本多勝一著「〈新版〉日本語の作文技術」を読む ~ 「白い横線の引かれた厚手の紙」は文章として正しいか? ~ 読む側にとって分かりやすい文章を書く技術を伝授した本

2019年01月25日 07時23分02秒 | 日記

25日(金)。昨日も喉の痛みが激しく、体調が優れなかったので1日中ベッドに横たわってFM放送やCDでクラシックを聴きながら読書に勤しみました 残念ながら昨夜 サントリーホールで開かれた新日本フィルの第598回定期演奏会は聴きに行けませんでした

ということで、わが家に来てから今日で1575日目を迎え、米民主党のペロシ下院議長は23日、トランプ大統領に宛てた書簡で、29日に予定されていた下院本会議場での一般教書演説を拒否する方針を伝えた というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      トランプの演説なんて どうせ「アメリカ・ファースト」しか言わないんだろう

 

         

 

昨日、夕食に「牛肉と玉ねぎの甘辛炒め」と「舞茸とゴボウのキンピラ」を作りました 「舞茸~」はたまたまテレビ番組でやっていたのをメモしておいたので作ってみました

 

     

 

         

 

本多勝一著「〈新版〉日本語の作文技術」(朝日文庫)を読み終わりました 本多勝一は1931年、信州・伊那谷生まれ。朝日新聞編集委員を経て「週刊金曜日」編集委員。著書に「旅立ちの記」「知床半島」「ソビエト最後の日」など多数

 

     

 

本書は、著者が1974年秋に新宿の「朝日カルチャーセンター」で行った講義内容を元に、1976年に単行本「日本語の作文技術」として刊行し、1982年に加筆・訂正を加えて文庫化されたものです

私がこの本を読もうと思ったのは、ブログを書くうえで参考になると考えたからです

著者は第1章「なぜ作文の『技術』か」の中で「目的はただひとつ、読む側にとってわかりやすい文章を書くこと、これだけである」と書いています 著者はこの大命題のもと、次のような章立てにより”作文技術論”を展開します

第1章「なぜ作文の『技術』か」

第2章「修飾する側とされる側」

第3章「修飾の順序」

第4章「句読点のうちかた」

第5章「漢字とカナの心理」

第6章「助詞の使い方」

第7章「段落」

第8章「無神経な文章」

第9章「リズムと文体」

すべてをご紹介する訳にはいかないので、いつくかに絞ってご紹介します 

第3章「修飾の順序」の中で著者は次のような文章を例に取り上げ、修飾の順序を解説しています

たとえば、ここに紙が1枚あるとしよう。これを形容する修飾語をいろいろ次に並べてみる。

  白い紙

  横線の引かれた紙

  厚手の紙

上にあげた3つの修飾語をひとつにまとめて、「紙」という名詞にかかる修飾語を作るとき、順序はどうすればよいか?

①白い横線の引かれた厚手の紙(⇒横線が白いと誤解される恐れがある)

白い厚手の横線の引かれた紙(⇒「白い」が「横線」にかかると誤解される恐れがある)

③厚手の横線の引かれた白い紙(⇒横線が「厚い」と誤解される恐れがある)

④厚手の白い横線の引かれた紙(⇒「厚手の」が「横線」にかかると誤解される恐れがある)

⑤横線の引かれた白い厚手の紙

⑥横線の引かれた厚手の白い紙

誤解を受けることがない文章は⑤と⑥である。2つに共通するのは「横線が引かれた」(節)が先にあり、「白い」または「厚手の」(句)があとにあること。したがって、語順の第1の原則は「節を先にし、句をあとにする」ということである

これは動詞にかかる修飾語の場合も同様である、として次の例を出しています

  速く走る

  ライトを消して走る

  止まらずに走る

これを順番に並べるとどうなるか?

①速くライトを消して止まらずに走る(⇒ライトを消すのを速くすると誤解される恐れがある)

②ライトを消して速く止まらずに走る(⇒「速く」が「止まらずに」を修飾すると誤解される恐れがある)

③ライトを消して止まらずに速く走る

④止まらずにライトを消して速く走る(⇒「止まらずに」が「ライトを消して」を修飾すると誤解される恐れがある)

以上から、誤解を招かない文章は③である。語順の第2の原則は「長い修飾語は前に、短い修飾語はあとに」ということである

第6章「助詞の使い方」では「来週までに掃除せよーマデとマデ二」を取り上げています

①来週までに掃除せよ

②来週まで掃除せよ

上記の①は1週間の余裕を持ってその間に一度掃除すればいいが、②はなにか刑罰みたいに1週間掃除し続けることを意味するーと解説しています

第8章「無神経な文章」では、紋切り型の文章(「複雑な表情」「ガックリと肩を落とす」など)や体言止めを多用した文章への批判を展開しています

上にご紹介してきた通り、本書は著者の実務経験をもとに、具体例を交えながら「読む側にとって分かりやすい文章を書く」技術を披露しています ブログを書く人はもちろんのこと、学校や職場で文章を書く際に参考になる本です。広くお薦めします

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