12日(土)。わが家に来てから今日で1562日目を迎え、英国の欧州連合からの離脱をめぐりメイ首相の離脱協定案が議会で否決される公算が大きくなる中、大手ブックメーカー(公認賭け屋)ウィリアムヒルの10日現在のオッズ(配当率)でも「否決」が「可決」を大きく引き離した というニュースを見て感想を述べるモコタロです
国の大事な将来を賭け事の対象にしてしまうんだから 英国って困ったちゃんだね
昨日の夕食は「豚肉と野菜と豆腐の鍋」にしました 寒い日は鍋が簡単で温まりますね
昨日、池袋の新文芸坐でジョン・カサヴェテス監督による映画「グロリア」と「こわれゆく女」の2本立てを観ました
「グロリア」はジョン・カサヴェテス監督・脚本による1980年アメリカ映画(121分)です
組織を裏切り、命を狙われたジャック(バック・ヘンリー)は同じアパートに住む女性グロリア(ジーナ・ローランズ)に息子フィル(ジョン・アダムス)を預ける ジャックは組織の秘密を記したノートをフィルに託していた。その後、ジャック一家は皆殺しになる。その間にグロリアはフィルを連れてアパートを脱出する 子ども嫌いのグロリアは何度かフィルを手放そうとするが、結局彼を連れてタクシー、地下鉄、バスを移動手段として逃走を続けるはめになる 実はグロリアはかつて組織のボス、タンジー二の情婦だった。子どもの持つノートを奪おうとする組織に何度も追い詰められたグロリアは、決着をつけるためタンジー二の住家に乗り込む決意をする グロリアはフィルを守り切ることが出来るのか
最初のうちは、フィルを邪険にしていたけれど、一緒に逃走を続けるうちに母性本能が芽生えてきて、本気で彼を守ろうとするようになるグロリアの心境の変化をジーナ・ローランズが見事に演じています 音楽はビル・コンティが担当していますが、サックスを中心とするジャズ音楽は フィルを守るためなら躊躇なく拳銃をぶっ放すタフな中年女性グロリアに良く似合います
「こわれゆく女」はジョン・カサヴェテス監督・脚本による1975年アメリカ映画(147分)です
専業主婦のメイベル(ジーナ・ローランズ)は、土木工事の現場監督を務める夫ニック(ピーター・フォーク)や3人の子供たちと暮らしていた 精神のバランスの不安定なメイベルは、ある晩ニックが仕事上の突発的なトラブルで帰宅できなかったことを発端に、酒場で知り合った中年男を自宅に連れ帰ったり、隣家の子どもを預かって異様にはしゃいで隣家の主人を困らせたりと異常な行動を見せるようになる 思い余ったニックは彼女を精神病院に入院させる 数カ月後、退院したメイベルはニックと3人の子供たちと再会したことから、落ち着いて すっかり完治したかと思っていたが、そのうち病気が再発する
この映画はカサヴェテス監督の旧友ピーター・フォークと妻ジーナ・ローランズが主人公夫婦に扮しています そのためか二人とも迫真の演技です。とくにメイベルが異常な行動をとる時のジーナ・ローランズの演技は”ホンモノ”のように見えます また、ピーター・フォークと言えば、よれよれコートを着て登場し「うちのカミさんがね・・・」と話しかけるドラマ「掲示寝転んぼ」、ちがった「刑事コロンボ」を思い浮かべます
この映画では、冒頭近くのシーンでプッチーニの「ラ・ボエーム」のアリア(重唱)が流れたり、ニックの同僚たちを自宅に招いてスパゲッティを食べ、食後に同僚の一人がアカペラでヴェルディの「アイーダ」のダメスのアリア「清きアイーダ」を歌い上げ、喝さいを浴びるシーンがあります また、メイベルが隣家の子供たちを預かって裏庭で遊ぶシーンでは、チャイコフスキーのバレエ音楽「白鳥の湖」の「情景」が流れます
この映画は、精神を病んだ妻と夫の愛と葛藤を描いたドラマですが、実際にこのような家庭があったとすれば夫や両親は大変でしょう