人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

クラシック界 女性たちの言葉~朝日の記事から / 「新国立オペラ2019-2020シーズン」ラインアップ発表、会員継続へ / 原田マハ著「キネマの神様」を読む~映画ファンにはたまらない小説

2019年01月22日 07時29分24秒 | 日記

22日(火)。昨日は 喉が痛いので内科に行ったら 喉が赤くなっているとのことで どうやら風邪を引いたようです 薬を貰ってきたので しばらく飲み続けることになります。今年に入って、4日から20日までの17日間 ほぼほぼ毎日コンサートと映画館通いを続けていたので、体力が落ちていたこともあると思います 身体を休めるため、昨日は1日中 家でショスタコーヴィチの交響曲などを聴きながら読書に勤しみました

ということで、わが家に来てから今日で1572日目を迎え、中国国家統計局が21日発表した2018年の国内総生産は物価変動を除く実質で前年比6.6%増だったが、これは天安門事件の余波で経済が低迷した90年以来28年ぶりの低水準である というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

                 米中貿易戦争の影響だ  ということは相手側の米国も同じ運命を辿るのは確かだ

 

         

 

昨日、夕食に「クリームシチュー」と「生野菜サラダ」を作りました 寒い冬はシチューとか鍋が温まりますね

 

     

 

         

 

昨日の朝日夕刊・文化欄に「クラシック界  女性たちの言葉」という安部美香子さん(記者?)の文章が載っていました 超訳すると

「昨年10月、51年の歴史を持つ東京国際音楽コンクール〈指揮〉で、31歳の沖澤のどかが女性初の1位になった 2、3位も日本人男性が占めた。受賞会見で、ロシアの指揮者アレクサンドル・ラザレフが『沖澤さんがもし”寿退社”して参加していなかったとしても、日本人男性の誰かがその席にいたでしょう』(通訳)と言ったのには驚かされた 日本の若手をほめる意図だったのはわかる。冗談交じりの口ぶりでもあった。でもなぜそんな仮定をするのか 優勝者に失礼なと憤ったが、後日沖澤は『腹は立てなかった。文化が違うという感じ。アメリカ人の記者は怒ってましたが そこで闘おうとは思わない』と述べた   昨年末、長くドイツで活躍し、同地の大学で教えるリート歌手の白井光子に会った時、『舞台で女を強調する必要はどこにもない。それでは何者にもなれない。音楽には男性的な部分も女性的な部分もあるんだから、いつも真ん中にいて、人間としてものを見ないと』と語っていた。音楽の表現は、演奏者の性別を突き抜けた次元にある。当たり前のことだが、深く納得した

この文章からは、ラザレフが「寿退社」という日本語を知っていて使ったのか、あるいはロシア語で結婚を機に退職することを通訳が「寿退社」と訳したのかは分かりませんが、どちらにしても、現代社会においては時代遅れの言葉・考え方であることに違いはありません 私などはとっくの昔に葬り去られた「死語」だと思っていました

今の時代、冗談半分にしても、あまりにも時代遅れの考えを公の席で発言すべきではないでしょう 1945年生まれのラザレフ、音楽は「死語」になっていないことを祈るばかりです

 

         

 

「新国立オペラ2019/2020」のラインアップが発表されました 大野和士オペラ芸術監督の第2シーズンは、オペラパレス初上演を含む4つの新制作が並ぶ意欲的な内容になっています

 

     

     

     

     

 

全10演目のうち新制作は10月のチャイコフスキー「エウゲニ・オネーギン」、11月のドニゼッティ「ドン・パスクワーレ」、20年4月のヘンデル「ジュリオ・チェーザレ」、6月のワーグナー「ニュルンベルクのマイスタージンガー」です

私は2002/2003年シーズンから新国立オペラのプルミエ(初日公演)会員=1階S席を継続していますが、次シーズンも同じ通路側席で継続する内容で申し込んでおきました

 

         

 

原田マハ著「キネマの神様」(朝日文庫)を読み終わりました 原田マハは1962年 東京生まれ。関西学院大学文学部、早稲田大学第二文学部を卒業。商社勤務などを経て独立、フリーのキュレーター、カルチャーライターとして活躍。2006年に「カフーを待ちわびて」で日本ラブストーリー大賞を受賞し、作家デビュー。12年に「楽園のカンヴァス」で山本周五郎賞、17年に「リーチ先生」で新田次郎文学賞を受賞

 

     

 

39歳独身女性の丸山歩は17年間勤めた国内有数の再開発企業を突然辞めてしまう ちょうどその頃、趣味は映画とギャンブルという79歳の父親が倒れ、多額の借金が発覚した。父親はマンションの管理人をやっているが、管理人日誌に映画を観た感想なども書きつけていた 内容を見た歩は興味を持ち、自分で観た「ニュー・シネマ・パラダイス」の感想をチラシに書いて日誌に挟んでおいた。それを見た父親が本人に無断で映画専門誌「映友」に投稿したところ、それがきかっけとなり歩は「映友」編集部に採用されることになる ひょんなことから「映友」が歩の父親の映画ブログをスタートさせることになる。父親はゴウというブログネームで映画の感想を書いたが、それが大きな反響を呼び アメリカの著名な評論家からもローズ・バッドというブログネームでコメントが寄せられるようになる   彼とのブログ上でのやり取りが父親の生きがいになり、いつしかギャンブル依存症から脱却していた

この本は、映画好きにはたまらない小説です 小説の舞台に「テアトル銀幕」という名画座が出てきます。小説では市ヶ谷駅から徒歩で行くと書かれていますが、私の推測では、隣の飯田橋駅から神楽坂方面に徒歩で行く「佳作座」(1988年4月21日に閉館)か、1974年に開館した「ギンレイホール」がモデルではないか、と思います 「佳作座」には学生時代に行きました。しかし、よく読むと「テアトル銀幕の友の会に入れば年会費1万円で好きなだけ観られる」という記述があるので、「ギンレイホール」がモデルなのでしょう

因みに私が普段から利用している名画座は①ギンレイホール(年間パスポート:シングルカード10,800円)、②新文芸坐(シニア・友の会:@1100円)、③早稲田松竹(大人@1300円、シニア:@900円)で、いずれも2本立ての上映です

小説の中に、アメリカのテレビ局のトークショーでローズバッド(映画評論家リチャード・キャバネル)が日本の映画界についてコメントする場面があります 著者はキャバネルに次のように言わせています

「日本にはメイガザというものがあるらしい。ロードショー映画の再上映や名作のリバイバルをする劇場で、たいがいは2本立て。館主の洒落でマッチングを決める シニアには特別料金もあるそうだ。名画をテレビやパソコンで観るんじゃなくて、劇場で観る。そういう映画人の思いを大切にする、素晴らしいシステムだ 私は、時代の先端をいくシネマコンプレックスと、メイガザのような劇場が共存して、世界の映画界が活況を呈してくれることを望んでいる。そういう意味では、日本は世界をリードしているんだよ。どうだい、すばらしいじゃないか

私が一番共感できるのは「名画をテレビやパソコンで観るんじゃなくて、劇場で観る」というところです テレビやDVDで観るのは「映画を観る」とは言いません。私は映画を観るという行為は わざわざ映画館まで出かけて行って観る非日常的な一期一会の体験だと思っているので、家でソファーに寝転んでポテチをつまみながら観るような日常的な行為を「映画を観る」とは認めていません 私が目標に掲げている年間160本の映画鑑賞は、言うまでもなく映画館で観る映画のことを指しています

普段映画を観ない人が、この本を読むことによって名画座で2本立て映画を観たくなったら嬉しいです

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