人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

プロースト交響楽団第29回定期演奏会のチケットを取る / 神田桂一・菊池良「もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら」を読む / ディーン・クーンツ「これほど昏い場所に」他、本を9冊買う

2019年01月26日 07時24分57秒 | 日記

26日(土)。最近、1日1冊のペースで本を読んでいたら、読むべき本が手元に無くなってしまったので、昨日、喉の痛みが和らぎ熱も下がったのをいいことに、マスクをして池袋に本を買いに出かけました いつもは徒歩ですが、さすがに風邪が全快していないのでバスに乗りました。珍しく女性の運転手さんだったのでラッキーと思っていたら、帰りのバスも同じ運転手さんでした こういう偶然は たまにあります。女性の運転手さんが良いと思うのは、アナウンスに柔らかさがあって、車内が和やかな雰囲気になることです 聴くところによると、バス業界は運転手不足が続いているとのことです もっと女性が安心して働き続けることができるような労働環境を整備すべきではないか、と思います

ということで、わが家に来てから今日で1576日目を迎え、米国の科学者らは24日、地球滅亡までの時間を示す今年の「終末時計」を公表し、昨年と同じ「残り2分」とした というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      トランプの支離滅裂なアメリカ至上主義が突っ走ると 限りなく残り1分に近づくぞ

     

         

 

昨日の夕食は「白湯スープ鍋」にしました 最近、1週間に1回は鍋を食べています

 

     

 

         

 

6月29日(土)午後2時から文京シビックホールで開かれるプロースト交響楽団の第29回定期演奏会のチケットを取りました プログラムは①サン=サーンス:歌劇「サムソンとデリラ」から「バッカナール」「あなたの声に心は開く」、②ビゼー:歌劇「カルメン」から「前奏曲」「恋は野の鳥」他、③チャイコフスキー「交響曲第4番ヘ短調」です 演奏は①と②のメゾ・スプラの独唱=林美智子、指揮=石川星太郎です プロ―スト交響楽団は一度聴いたことがありますが、アマ・オケにしては素晴らしい演奏をしていたので、再度聴いてみようと思いました 今回はメゾ・ソプラノの林美智子さんが出演するのも魅力です

 

     

 

         

 

本を9冊買いました。1冊目はディーン・クーンツ著「これほど昏い場所に」(ハーパーブックス)です これは先日 彼の「ベストセラー小説の書き方」(朝日文庫)を読んで、是非クーンツの作品を読んでみたいと思ったから買った本です。620ページの大作です

 

     

 

2冊目と3冊目はジェフリー・ディーヴァ―著「スキン・コレクター(上・下)」(文春文庫)です。著者は当ブログの読者にはお馴染みのストーリー・テラーです

 

     

     

 

4冊目と5冊目はピエール・ルメートル著「炎の色(上・下)」(ハヤカワ文庫)です 衝撃的な「その女アレックス」の著者による最新作です

 

     

     

 

6冊目はジョー・イデ著「 I Q 」(ハヤカワ文庫)です これは新聞の書評欄を読んで興味を持ちました

 

     

 

7冊目は片山杜秀著「音楽放浪記」(ちくま文庫)です 当ブログでは、同じ著者による「ベートーヴェンを聴けば世界史がわかる」(文春新書)をご紹介しました

 

     

 

8冊目は神田桂一・菊池良著「もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら」(宝島SUGOI文庫)です この本は新聞の書評に載っていて、面白そうだと思い 買いました

 

     

 

9冊目は丹羽宇一郎著「仕事と心の流儀」(講談社現代新書)です これは息子に読んでほしいと思って買った本です。もちろん自分で読んでから手渡すつもりです

 

     

 

         

 

さっそく神田桂一・菊池良著「もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら」(宝島SUGOI文庫)を読みました 神田桂一は関西学院大学法学部卒。一般企業勤務から、週刊誌「フラッシュ」の記者、ドワンゴ「ニコニコニュース」編集部などを経て現在フリーライター。菊池良はWebメディアの企画、執筆、編集などに従事しています

この本は、タイトルの通り、もし世に知れた著名人たちがカップ焼きそばの作り方を文章に書いたらどうなるか、を空想の元に書いたものです 取り上げているのは近代から現代までの国内作家、代表的な海外の作家、歌手やエッセイストなどで、合計110人です どさくさに紛れて POPEYE や週刊文春なども混じっています

共通するのは、いかにもその人らしい書き方でカップ焼きそばの作り方が書かれていることで、知っている人物の数が多いほどニヤリとする回数が多くなる本です

すべてをご紹介する訳にもいかないので、私が思わずのけ反った作品に絞ってご紹介します

 

     

 

最初は村上春樹です。タイトルは「1973年のカップ焼きそば」

きみがカップ焼きそばを作ろうとしている事実について、僕は何も興味を持っていないし、何かを言う権利もない。エレベーターの階数表示を眺めるように、ただ見ているだけだ 勝手に液体ソースとかやくを取りだせばいいし、容器にお湯を入れて3分待てばいい。その間、きみが何をしようと自由だ。少なくとも、何もしない時間がそこに存在している。好むと好まざるとにかかわらず。読みかけの本を開いてもいいし、買ったばかりのレコードを聴いてもいい。同居人の退屈な話に耳を傾けたっていい。それも悪くない選択だ。結局のところ、3分まてばいいのだ。それ以上でもそれ以下でもない ただ、一つだけ確実に言えることがある 完璧な湯切りは存在しない。完璧な絶望が存在しないようにね

⇒ いかにも村上春樹が書きそうな文章だと思いますが、とくにそう思うのは「買ったばかりのレコードを聴いてもいい」というところです   村上春樹はジャズにもクラシックにも一家言ある小説家なので  蛇足ですが、これを「買ったばかりのCDを聴いてもいい」としないのは、タイトルが「1973年のカップ焼きそば」だからです 1973年にはCDは存在しませんでした。ところで、「完璧な絶望」ってなんだ

次は松尾芭蕉です。タイトルは「麺の細道」

  キッチンや 薬缶飛びこむ 水の音

  熱湯を 集めて流し 湯切りかな

  閑さや 部屋にしみ入る 啜る音

  から容器 大食いどもが 夢の跡

次は小林よしのりです。タイトルは「焼きそばかましてよかですか」

わしは、カップ焼きそばを作るには、まず湯を沸かせばよいと思っとる。これは単純なことだ。サルにでもわかる。湯さえあればカップ焼きそばはできる かやくを入れて麺をふやかして、ソースをかき混ぜればできあがりだ。こんな単純なことを、左翼は、左翼的偽善性をもって、湯を沸かす正当性を主張しなければ、気が済まない。右翼は右翼で、湯を沸かす大義名分が欲しい。こんなことをやっているからいつまでたっても湯がわかない。カップ焼きそばが作れない わしは現代のイデオロギーの不毛さが、このカップ焼きそば論争に集約されとると思っとる あえて、ゴーマンかますなら、いますぐ、この不毛さを理解してある種の洗脳から解放されろとわしは言いたい

⇒「左翼的偽善性」「大義名分」・・いかにも小林氏が使いそうです

この本の中で唯一、クラシック音楽が出てくるケースがあります。トマス・ピンチョンというアメリカの小説家です。タイトルは「湯切りナンバー49(シンク)の叫び」

ある夏の日の午後、でなくてもいいが、タッパーウェアの宣伝の帰りにでも、お湯を沸騰させてカップ焼きそばの容器の中に入れる。そのときいささか、かやくを入れ過ぎたように思われないようにしなければいけない3分待つ間に郵便ポストを見に行くと遺産管理執行人に指名されていることもあるかもしれない。そういうときは立ち尽くすしかない。それか酔っ払っているふりをすれば気持ちも晴れるかと思われるがこれは失敗だった 湯切りをすればバルトークの「管弦楽のための協奏曲」の第4楽章が流れてあなたにそこはかとない不安を抱かせるかもしれないが、ソースを入れれば急に笑いがこみあげてくるだろう。今までのことは全部今が知っている。知っているに違いない

⇒「管弦楽のための協奏曲」の第4楽章は「インテルメッツォ」です 「不安を抱かせるかもしれない」と言っているのは、その冒頭部分です

次は「利用者の声」です。タイトルは「おかげで満腹になり、年収が増えました!」菊池良さん(29歳)

最初は半信半疑だったんです 「ほんとに3分で焼きそばができるのかな?」って(笑)。今では疑っていた自分に説教したい気分です。当時、私は焼きそばを食べるには祭りの屋台に行くか、麺を手打ちするかしかないと思っていました。それが知人の勧めで「カップ焼きそば」を購入してみてビックリ!お湯を入れてしばらく待つだけでこんなに焼きそばになるなんて!今では1日に1食は必ず焼きそばを食べていて、空腹にイライラすることがなくなりました それだけではないのです!お腹がいっぱいになったおかげで、心に余裕ができたのか、友人が増え、彼女ができ、年収は1億を超えました タワーマンションの最上階で、スーパーモデルの彼女と一緒に、ハウスキーパーが作ったカップ焼きそばを食べる日々です。こんな幸福を手に入れられるなんて、カップ焼きそばを買う前はあり得ませんでした。あたなにも後悔する前に買ってみることをおススメします

⇒こういうの テレビや雑誌の通販広告によくありますね。「友人が増え、彼女ができ、年収は1億を超えました」って ウソがミエミエですね   だれがこんなの信じるでしょうか

このように焼きそばが出来るまでの3分間の心象風景が110通り紹介されています。あなたが思わずニヤリとするカップ焼きそばの作り方はいくつあるでしょうか

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