人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

井上道義 ✕ 新日本フィルの公開リハーサルを見学する ~ ショスタコーヴィチ「交響曲第7番」 / 小林研一郎 ✕ 東京シティ・フィルでチャイコフスキー「交響曲第4番&第6番」を聴く

2024年11月15日 01時03分08秒 | 日記

15日(金)。わが家に来てから今日で3594日目を迎え、茨城県に住む女性会社役員(71)が、経済アナリスト森永卓郎さんを語るLINEアカウントなどから投資話を持ち掛けられ、計8億9000万円をだまし取られる被害があり、県警は12日、中国籍で墨田区の自称会社役員の容疑者(34)を詐欺の疑いで逮捕した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

     

     金額が大き過ぎて驚くが こんな詐欺師は2度と世間に出られないように収監すべき

  昨日は公開リハーサルとコンサートの関係で、夕食作りは免除してもらいました 

         

昨日、14時からすみだトリフォニーホールで井上道義 ✕ 新日本フィルの「公開リハーサル」を見学、19時から東京オペラシティコンサートホールで東京シティ・フィル「第374回定期演奏会」を聴きました

1.井上道義指揮新日本フィルによる公開リハーサル

この日公開されたのは11月16日(土)と18日(月)の「第659回定期演奏会」で演奏するショスタコーヴィチ「交響曲第7番 ハ長調 作品60 "レニングラード"」のリハーサルです 今年年末で指揮者を引退する井上道義による最後の「レニングラード」です

ショスタコーヴィチ「交響曲第7番 ハ長調 作品60 "レニングラード"」は、ドミトリー・ショスタコーヴィチ(1906-1975)が1941年に作曲、1942年にクイビシェフで初演されました 第1楽章「アレグレット ~ モデラート」、第2楽章「モデラート:ポコ・アレグレット」、第3楽章「アダージョ ~ ラルゴ」、第4楽章「アレグロ・ノン・トロッポ ~ モデラート」の4楽章から成ります

     

井上道義が新日本フィルを振る最後のショスタコーヴィチということでか、かなりの見学者が詰めかけました 定期会員席より前方の1階10列13番の席を取りました

オケは16型で、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスといういつもの新日本フィルの並び コンマスは崔文洙、隣は伝田正秀といったダブルトップ態勢を敷きます ステージ下手にはハープ2台とピアノが控えます

リハーサルは14時ちょうどに第1楽章から楽章順に演奏されました もちろん全曲通すと80分以上かかるので、井上がさらっておきたい箇所を重点的に練習しました

第1楽章は、途中の行進曲風のリズムが小太鼓で奏でられる箇所から入りました フルートとファゴットに指示を与え、弦楽器に細かい指示を出して何度か繰り返しました 第2楽章以降でも気が付いたのは、ピアノ&ピアニッシモにかなり厳しい要求を出していたことです 休憩に入る前に第1ヴァイオリンだけ残して何度か練習を重ねました

休憩後は第3楽章の練習に入りました 冒頭は木管群とホルンとハープによる演奏ですが、ハープに対し「もっと強く、ガツンと!」と強奏を求めました その後はヴァイオリン・セクションが渾身の演奏でコラール風の音楽を奏でますが、これがとても美しく、背筋が寒くなるような感動を覚えました この楽章は本番でも楽しみです

16時ごろリハーサルを中断し、また弦楽器のみ残して練習を重ねました 井上はここでも弱音へのこだわりを見せました 時間の関係で第4楽章のリハーサルは見学できませんでしたが、本番を楽しみにしたいと思います

2.東京シティ・フィル「第374回定期演奏会」

プログラムは①チャイコフスキー「交響曲第4番 ヘ短調 作品36」、②同「交響曲第6番 ロ短調 作品74 ”悲愴”」です   指揮はコバケンこと小林研一郎です   コバケンが前回の定期演奏会に出演したのはなんと26年前の1998年6月とのことです 26年ぶりの邂逅はどんな演奏になるのか、興味が尽きません

コバケン得意のチャイコフスキーということでか、会場はほぼ満席です

     

オケは14型で、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスといういつものシティ・フィルの並び。コンマスは戸澤哲夫です

1曲目はチャイコフスキー「交響曲第4番 ヘ短調 作品36」です この曲はピョートル・イリイチ・チャイコフスキー(1840-1893)が1877年から翌78年にかけて作曲、1878年にモスクワで初演され、支援者であるフォン・メック夫人に献呈されました 第1楽章「アンダンテ・ソステヌート ~ モデラート・コン・アニマ」、第2楽章「アンダンティーノ・イン・モード・ディ・カンツォーナ」、第3楽章「スケルツォ:ピッツィカート・オスティナート、アレグロ」、第4楽章「フィナーレ:アレグロ・コン・フォーコ」の4楽章から成ります

コバケンの指揮で第1楽章が「運命主題」を表すファンファーレで開始されます 厚みのある弦楽器を中心に遅めのテンポで演奏が進み重厚感を醸し出します 深みのあるホルンも素晴らしい 第2楽章は冒頭の本多啓佑による抒情的なオーボエが素晴らしい ファゴット、フルートも冴えています 弦楽器ではヴィオラ・セクションのアンサンブルが美しい 第3楽章は「アレグロ」の指示ですが、かなり速度を抑え、遅めのテンポで演奏を進めます アタッカ気味に入った第4楽章はガツンとくる激しい音楽がスピード感をもって演奏されます これを聴いて「なるほど」と思いました 第3楽章の遅めのテンポとの落差が計算された演奏なのです 第3楽章の遅さがあってこそ、第4楽章の速いテンポが生きるのです その後 スピード感あふれる演奏はそのまま続き、金管、木管、弦・打楽器の総力を挙げてのアグレッシブな演奏で圧倒的なフィナーレを飾りました

     

プログラム後半はチャイコフスキー「交響曲第6番 ロ短調 作品74 ”悲愴”」です。この曲は1893年に作曲、同年ペテルブルクで初演されました。第1楽章「アダージョ ~ アレグロ・ノン・トロッポ」、第2楽章「アレグロ・モルト・グラツィア」、第3楽章「アレグロ・モルト・ヴィヴァーチェ」、第4楽章「フィナーレ:アダージョ・ラメントーソ ~ アンダンテ」の4楽章から成ります

演奏に入る前にコバケンは客席の方に向き、「演奏前に曲についてお話しするのはあまり良くないのですが・・」と語り始め、第1楽章冒頭の音楽をヴィオラとチェロに演奏させたり、第2楽章のワルツを戸澤コンマスに演奏させたりしたうえで、「第3楽章は激しく嵐のように終わるので拍手をしたくなりますが、第4楽章は再び暗い音楽になります チャイコフスキーはこの曲の初演の9日後にコレラに罹患して亡くなりました」と説明しました 演奏直前に曲目解説をするのは異例中の異例ですが、曲の性格から、第3楽章の後での拍手を控えてほしいというメッセージを伝えたかったのだろうか、と勝手に解釈しました

コバケンの指揮で第1楽章に入ります。これほど暗い音楽も珍しいと思うほど暗い音楽です この曲でもヴィオラの演奏が素晴らしい クラリネットとファゴットも冴えています 終盤のティンパニの激しい連打が印象的です 第2楽章は弦楽セクションによるワルツが素晴らしい 第3楽章は切れ味鋭い弦楽器とティンパニの連打が小気味よく響きます この楽章が最強音で終結してもコバケンはタクトを下ろさず、そのままアタッカで第4楽章に入ったので拍手は起きませんでした 第4楽章は慟哭のような弦楽器のうねりが印象的でした 最後の一音が消え、コバケンのタクトがゆっくりと下ろされると満場の拍手とブラボーが飛び交いました カーテンコールが繰り返され、コバケンはいつものようにセクションごとに立たせて賞賛を求めました そして、マイクを持って再登場し、「26年ぶり、2度目の演奏でしたが、わくわくどきどきしながら演奏しました このまま終わるわけにはいかないので、アンコールに悲愴の第3楽章の最後の2分30秒を演奏いたします」と語り、演奏に入りました 圧倒的な熱い演奏に、そこかしこでスタンディングオベーションが見られました

この日の演奏は、コバケンらしいスケール感のある堂々たる演奏でした

充実した1日でしたが、座りっぱなしが一番良くない腰痛持ちには最悪の1日でした


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« バッハの眼の手術 ~ 日経の... | トップ | ミューザ川崎 ✕ 東響「モーツ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

日記」カテゴリの最新記事