人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

ジョナサン・ノット ✕ 小埜寺美樹 ✕ 東京交響楽団でリゲティ「ムジカ・リチェルカータ 第2番」、マーラー「交響曲第6番 イ短調 ”悲劇的”」を聴く ~ ハンマーは5回!?:第710回定期演奏会

2023年05月21日 00時01分23秒 | 日記

21日(日)。わが家に来てから今日で3050日目を迎え、米国の各州が相次いで中国人や中国企業による土地の買収制限に踏み切っているが、南部フロリダ州では中国人が土地を買収することを原則禁じる異例の法律が成立した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     日本だって油断できない 北海道辺りで中国人が土地を買い占めていると聞いてるし

 

         

 

昨夜、サントリーホールで東京交響楽団「第710回 定期演奏会」を聴きました プログラムは①リゲティ「ムジカ・リチェルカータ 第2番」、②マーラー「交響曲第6番 イ短調 ”悲劇的” 」で、休憩を入れることなく続けて演奏されます 演奏は①のピアノ独奏=小埜寺美樹、指揮=東響音楽監督ジョナサン・ノットです

 

     

 

ノットのマーラーということでしょうか。いつもより客入りが良いようです

オケは14型で 左奥にコントラバス、前に左から第1ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、第2ヴァイオリンという対抗配置。コンマスはグレブ・ニキティンです チェロのトップには伊藤文嗣とともに客員首席の笹沼樹がスタンバイします もしかして本公演が東響デビューか。彼は背丈があるから目立ちます ステージ上手にはハープ2台とピアノが配置されます

最初の曲はリゲティ「ムジカ・リチェルカータ 第2番」です     この曲はジェルジ・リゲティ(1923-2006)が1951年から53年にかけて作曲、1969年11月18日にスウェーデンで初演されました  全11曲から成るピアノ・ソロのための作品ですが、たったの3分で終わってしまいます 沼野雄司氏がプログラム・ノートを書いていますが、読んでも分からないので、書いても意味がないため割愛します

ノットが指揮台に上ると、ステージの照明が落とされ、ピアノのある上手のスペースにスポットライトが当てられ、新国立劇場研修所講師として活躍する小埜寺美樹さんのピアノ・ソロで演奏が開始されます 「ソ」の音で全曲を閉じると、再び照明が点き、ノットの指揮で低い「ラ」の音で始まるマーラー「交響曲第6番」の第1楽章が開始されます

「交響曲第6番 イ短調 ”悲劇的” 」はグスタフ・マーラー(1860-1911)が1903年から05年にかけて作曲、1906年5月27日にエッセンでマーラーの指揮により初演されました    第1楽章「アレグロ・エネルジコ、マ・ノン・トロッポ:激しく、しかし活発に」、第2楽章「スケルツォ:重々しく」、第3楽章「アンダンテ・モデラート」、第4楽章「フィナーレ:ソステヌート ~ アレグロ・モデラート ~ アレグロ・エネルジコ」の4楽章から成ります なお、中間楽章の順序は初版総譜では「スケルツォーアンダンテ」でしたが、初演にあたり「アンダンテースケルツォ」と入れ替えたことから、順番を巡り論争が続いています ノットは初版の順番で演奏します

 

     

 

第1楽章は予想していたよりかなりゆったりしたテンポで開始され、意外に感じました ノットは最初から飛ばしてくると思っていたのです 大地に根の張ったどっしりした演奏とでも言うべき重心の低い演奏が続きました 中盤ではクラリネットがベルアップ奏法を見せ、音がダイレクトに届きました 第2楽章は一転、かなりの高速テンポで開始され、マーラーらしいエキセントリックな音楽表現が見られ、楽員がよくノットに着いていっているものだなと感心しました しかしノットは、フルートやオーボエに歌わせるべきところはテンポを落として存分に歌わせていました 第3楽章では弦楽セクションを中心に美しいアンサンブルが奏でられ、オーボエの荒絵理子、コーラングレの最上峰行、ホルンの上間喜之が素晴らしい演奏を展開しました そして運命の第4楽章に入ります テューバの重低音が会場に響き渡ります。時にホルンが、オーボエが、そしてクラリネットがベル・アップ奏法を見せ、直接的に音を届けますが、このパフォーマンスはマーラーの指示通りなのでしょう

さて、この楽章における聴衆の最大の関心事は「ハンマーが何回叩かれるか?」です マーラーの妻アルマによれば、ハンマーは「マーラー自身の破滅、もしくは彼が後に述べたように、彼の英雄の破滅」を描くものだといいます 餅つきの杵のような大きな木槌(ハンマー)を頭上から振り下ろすパフォーマンスは、視覚的にみても「運命的に破滅すべきもの」の象徴に思われます この日のハンマーは、私の理解では4回でした それだけでも多すぎるのに、ツイッターを見ていたら「5回叩いた」と書かれていて、さすがに5回ではなく誤解ではないか、と思いました しかし、2人の方が5回と書いていたので「Nott 4回、But 5回」で、私の方が誤解していたのだと思い直しました ツイッターの内容から、どうやら私は「第4楽章」冒頭で打ち下ろされたハンマーを見逃して(聴き逃して)いたようです 「まさか冒頭でハンマーが叩かれる訳がない」という先入観が邪魔したようです しかし、マーラーは最初に3回叩くとしたものを2回に減らしたのに、ノットは5回に増やしたわけで、どういう根拠があって5回も叩かせたのか疑問です これだけ叩かれたらさすがのマーラーだって二度と立ち直れないでしょう 指揮者の解釈はどこまで許されるのか ノットの見解を聞かせてほしいところです

主催者側の思う壺ですが、この日も熱い拍手に包まれたノットのカーテンコールを写メしてきました

 

     

     


コメント (3)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 鈴木優人 ✕ ミシェル・カミロ... | トップ | マーラー「交響曲第6番」の... »
最新の画像もっと見る

3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
初期自筆譜に沿ったのでは (Kusu)
2023-05-21 05:43:41
もし5回だったのであれば、それは作曲者の初期の自筆譜に従ったものでしょう。マーラーは初版楽譜出版の時点で2回削って3回に、3度目の出版時に最後の1回を削って2回にしたと伝えられています。
返信する
初期自筆譜に沿ったのでは (Kusu)
2023-05-21 05:43:43
もし5回だったのであれば、それは作曲者の初期の自筆譜に従ったものでしょう。マーラーは初版楽譜出版の時点で2回削って3回に、3度目の出版時に最後の1回を削って2回にしたと伝えられています。
返信する
マーラー第6番のハンマー (tora)
2023-05-21 08:15:36
Kusuさん コメントありがとうございました。

ご指摘をいただき、あらためてWikipediaで調べてみたら、最初はハンマーの打撃はなく、追加した時点で5回としていたようです。勉強不足でした。

これからもお気づきの点があれば、ご指摘いただければ幸いです。今回は勉強になりました
返信する

コメントを投稿

日記」カテゴリの最新記事