レイキャビク西街ひとり日誌 (Blog from Iceland)

北の小さな島国アイスランドはレイキャビクの西街からの、男独りブログです。

クヴィータスンナの過ごし方

2014-06-09 05:00:00 | 日記
昨日の日曜日はHvitasunnudagurクヴィータスンヌダーグルと呼ばれる祭日でした。直訳では「白い日曜日」となります。これはこの日には多くの人が洗礼式を受け、そのための白い衣を着用していたことからきているようです。

私の見聞きする範囲では普通はペンテコステまたは聖霊降臨日という呼び方の方が国際的であると思います。ペンテコステは五旬節の意味で、この日がイースターを基点として勘定して五十日目であることを示しています。

「聖霊降臨日」というのは新約聖書の「使徒言行録」という書物に、この日に聖霊がキリストの使徒たちに降り、彼らが知らないはずの外国語をしゃべり始めた、という記事があることに拠っています。

さらにこの時から使徒たちの活動が活発化したという事実があるので、この日をキリスト教会の誕生日として語ることもよくあります。

クヴィータスンナ(細かいことですが、ダーグルと連語にならない時はHvitasunnAという言葉の原形に戻ります)はキリスト教では大きな祭日であり、アイスランドでもクリスマス、イースターと並んで二日連続の祝日、つまり続く月曜日も祝日となっています。

さて、そのような祭日なのですがこの日に教会へ出かける人は実に少ないのがアイスランド的現実です。その理由はこの祭日は大抵五月か六月になるのですが、その頃は学校が休みに入り始め、また一般の社会活動などがお休み期に入りつつあることがあります。

で、そんな時期での三連休となることから金曜日の夕方からサマーハウスへ出かけたり、旅行にでてしまうことが新しいクヴィータスンナの新しい過ごし方として広がってきてしまっているのです。実際に今日のレイキャビクのダウンタウンは行き交う人の半数以上が外国人?という様子でした。アイスランド人が出て行ってしまったところにツーリストが押し寄せて来た感じです。

教会に話しを戻しますが「あまり人が来ない」という想定でお話しの準備をする牧師さんの胸中には難しいものもあるのが正直なところです。私は移民の担当の仕事をしているので一般の礼拝(ミサ)を司ることは少ないのですが、たまにお鉢が回ってくると年明けなどの「人が少ない想定」のことが多いです。

蛇足になりますが、こちらの教会では誰も来なかった場合は礼拝を中止にします。これをMessufallメスファトゥルといいますが、人が来ない理由でメスファトュルになった実際の例は聞いたことがありません。あるのは天候が悪すぎて「外出しないように」という勧告が出されたような場合でした。

でもそういう点、日本の牧師さんたちは強いですよ。実際に誰も来ない、ということは「想定外」ではなく「想定内」の状況もありますから。

「たとえひとりしかいなくても、そのひとりのために全力で出来る限りの良い奉仕をしなさい」と私も神学校で学びました。それがアイスランドで意外にも役に立っています。ニッポンに一点。

アイスランドの教会が日本の教会に学ぶべきことも多々あります。


応援します、若い力。Meet Iceland


藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com
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