さてしつこくもう一回火山についてになってしまいました。ちょっと飽きられるかなー、と心配でもあるのですが、今起っていることなのでやはり引きずられてしまいます。
八月の中旬を過ぎた頃から継続的な地震が観測され火山活動の活発化が警戒されていました。月末の二十九日の夜についに噴火が始まりましたが、 ヴァトナヨクトゥル氷河からは北側に外れてくれたために、非常に心配されていた洪水の心配はひとまず納まってくれたのでした。
この噴火、前回に写真もアップしたので分かっていただけると思いますが、遠くからみると非常にきれいでほどよい噴火?となりました。もちろんそれでも噴火は噴火ですので、近寄ることは危険です。噴火地帯に至る山道は北側からも南側からもクローズになっていました。
噴火直後は「この程度か」という楽観ムードが流れたのですが、専門家は「まだまだ」と釘を刺しました。さすがは専門家、三日もすると噴火は激しさを増し溶岩の吹き上げる様は高さを増したのです。これは前回にビデオのリンクも付けた通りです。
専門家集団の予測では一致して「噴火がいつまで続くのかは予想できないが、かなり長く続くことは間違いない」
ところがこの勢いを増した噴火もそれなりに美しく、火山灰は激しく吹き上がっているものの、2010年のエイヤフャトゥラ山の時のような度し難いものでもありません。遠目で見ている分にはやはりかなりきれいな自然現象に思われます。十分な距離を保てば危険でもなさそうです。
これに目を付けたのが観光業界です。火山地帯に近づく山道が封鎖されているために、ツアー客はいくつかの人気スポットを断念せざるを得ません。正確な額は書き留めるのを忘れましたが、観光業界には一日あたり相当な額の損失が出ているとのことなのです。
九月二日のニュースでは「観光業界が火山見学ツアーをプラン中」と報じました。あっちがダメならこっちで儲ける、というさすがヴァイキング根性です。確かに噴火の程度がそこそこで安定しているのであれば、このツアーは当たるだろう、と私も感じました。
ところがです。先の金曜日(九月五日)の朝、ほとんど何の前触れがなかった状況で、今までの烈状噴火の亀裂地帯から南東に離れたところでも、平行した二本の亀裂が現れ溶岩が噴き上げ始めてしまいました。
先の金曜日に出現した噴火亀裂 左後方は従来の噴火地帯
Myndin er ur Ruv.is eftir Hauk Snorrason
この新しい烈状噴火はその長さは700メートル程度で、従来の噴火亀裂よりはかなり小さいのは写真で見ても分かります。ただ、その南端の端が ヴァトナヨクトゥル氷河の北端部でもあるディンギュヨクトゥル氷河からわずか二三キロしか離れていないのです。
この新噴火で事情は一変してまたハイアラートの状況になってしまいました。溶岩がディンギュヨクトゥル氷河まで流れることは十分に考えられますし、そうなると再び洪水の心配が出てきます。さらに恐ろしいのは、また新しい噴火が氷河下で起ることです。そうなると洪水は必至となってしまいます。
一度は緩くしようか、と考えられていた山道の規制もまた完全封鎖になってしまいましたし、ニュースによると常時130人体制の観視を昼夜を問わず行うということです。
さらに今夕のニュースによると、火山活動が始めに観測されたヴァトナヨクトゥル氷河北西部のバウルザーブンガという地域では、地盤がなんと15メートルも沈下していることが観測されたとのことです。これは観測史上最大の沈下だそうです。専門家がこの沈下は一連の地震と溶岩の噴出に関連していることだけは確認していますが、それ以上は観測を継続し分析しないと分からないようです。「つまり氷河は15メートル低くなったということです」とアイスランド大学の地質学教授マグヌス・トゥーミさんはコメントしています。山って低くなるんだー?
今、これを書いているのは九月六日の夜ですが、この先どのように展開するのか多少心配でもあります。
国営放送RUVの英語による火山情報はこちら
いずれにしても「火山見学ツアー」は「獲らぬタヌキの皮算用」で当初の思惑通りには行かないようです。それで諦める観光業界とは思えませんので、必ず新手を見出すでしょうが。
それにしても、あの溶岩を見ていると「もったいない!」という気がしてしまいます。あれだけのエネルギーが勝手に生まれているんだから、あの熱をどこかに蓄える術はないのでしょうか?
あの熱をパックして日本へ送れたら東京中のお風呂を一冬涌かすことができるんじゃないかと....
くだらないワタシでした... m(_ _)m
*都合によりしばらくの間、週に一回のブログ更新になります。m(_ _)m
応援します、若い力。Meet Iceland
藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com
Home Page: www.toma.is
八月の中旬を過ぎた頃から継続的な地震が観測され火山活動の活発化が警戒されていました。月末の二十九日の夜についに噴火が始まりましたが、 ヴァトナヨクトゥル氷河からは北側に外れてくれたために、非常に心配されていた洪水の心配はひとまず納まってくれたのでした。
この噴火、前回に写真もアップしたので分かっていただけると思いますが、遠くからみると非常にきれいでほどよい噴火?となりました。もちろんそれでも噴火は噴火ですので、近寄ることは危険です。噴火地帯に至る山道は北側からも南側からもクローズになっていました。
噴火直後は「この程度か」という楽観ムードが流れたのですが、専門家は「まだまだ」と釘を刺しました。さすがは専門家、三日もすると噴火は激しさを増し溶岩の吹き上げる様は高さを増したのです。これは前回にビデオのリンクも付けた通りです。
専門家集団の予測では一致して「噴火がいつまで続くのかは予想できないが、かなり長く続くことは間違いない」
ところがこの勢いを増した噴火もそれなりに美しく、火山灰は激しく吹き上がっているものの、2010年のエイヤフャトゥラ山の時のような度し難いものでもありません。遠目で見ている分にはやはりかなりきれいな自然現象に思われます。十分な距離を保てば危険でもなさそうです。
これに目を付けたのが観光業界です。火山地帯に近づく山道が封鎖されているために、ツアー客はいくつかの人気スポットを断念せざるを得ません。正確な額は書き留めるのを忘れましたが、観光業界には一日あたり相当な額の損失が出ているとのことなのです。
九月二日のニュースでは「観光業界が火山見学ツアーをプラン中」と報じました。あっちがダメならこっちで儲ける、というさすがヴァイキング根性です。確かに噴火の程度がそこそこで安定しているのであれば、このツアーは当たるだろう、と私も感じました。
ところがです。先の金曜日(九月五日)の朝、ほとんど何の前触れがなかった状況で、今までの烈状噴火の亀裂地帯から南東に離れたところでも、平行した二本の亀裂が現れ溶岩が噴き上げ始めてしまいました。
先の金曜日に出現した噴火亀裂 左後方は従来の噴火地帯
Myndin er ur Ruv.is eftir Hauk Snorrason
この新しい烈状噴火はその長さは700メートル程度で、従来の噴火亀裂よりはかなり小さいのは写真で見ても分かります。ただ、その南端の端が ヴァトナヨクトゥル氷河の北端部でもあるディンギュヨクトゥル氷河からわずか二三キロしか離れていないのです。
この新噴火で事情は一変してまたハイアラートの状況になってしまいました。溶岩がディンギュヨクトゥル氷河まで流れることは十分に考えられますし、そうなると再び洪水の心配が出てきます。さらに恐ろしいのは、また新しい噴火が氷河下で起ることです。そうなると洪水は必至となってしまいます。
一度は緩くしようか、と考えられていた山道の規制もまた完全封鎖になってしまいましたし、ニュースによると常時130人体制の観視を昼夜を問わず行うということです。
さらに今夕のニュースによると、火山活動が始めに観測されたヴァトナヨクトゥル氷河北西部のバウルザーブンガという地域では、地盤がなんと15メートルも沈下していることが観測されたとのことです。これは観測史上最大の沈下だそうです。専門家がこの沈下は一連の地震と溶岩の噴出に関連していることだけは確認していますが、それ以上は観測を継続し分析しないと分からないようです。「つまり氷河は15メートル低くなったということです」とアイスランド大学の地質学教授マグヌス・トゥーミさんはコメントしています。山って低くなるんだー?
今、これを書いているのは九月六日の夜ですが、この先どのように展開するのか多少心配でもあります。
国営放送RUVの英語による火山情報はこちら
いずれにしても「火山見学ツアー」は「獲らぬタヌキの皮算用」で当初の思惑通りには行かないようです。それで諦める観光業界とは思えませんので、必ず新手を見出すでしょうが。
それにしても、あの溶岩を見ていると「もったいない!」という気がしてしまいます。あれだけのエネルギーが勝手に生まれているんだから、あの熱をどこかに蓄える術はないのでしょうか?
あの熱をパックして日本へ送れたら東京中のお風呂を一冬涌かすことができるんじゃないかと....
くだらないワタシでした... m(_ _)m
*都合によりしばらくの間、週に一回のブログ更新になります。m(_ _)m
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