レイキャビク西街ひとり日誌 (Blog from Iceland)

北の小さな島国アイスランドはレイキャビクの西街からの、男独りブログです。

アイスランド、この一週間の諸々

2014-09-14 05:00:00 | 日記
先の六月の中旬からブログの更新を週一回にしています。当初はやむを得ない事情があったのですが、今は「週一の方がゆとりを持って長目に書けていいかな?」という気持ちの方が主たる理由になっています。もう少しこのペースでいきます。

ところが週一更新で困るのは、やはり扱えるトピックの数がとても限られてしまうことです。八月の終わりから九月にかけては新年度なので、いろいろなことが起っているのですが、火山に終始してしまいました。今日は火山も含めて、こちらでホットな話題をみっつほどご紹介します。

まずは税金です。秋のアルシンキ(国会)が招集されました。それに先立ち2015年の予算案が発表されました。その中で付加価値税(こちらの言葉ではVASKと示されます)の税率の変更が謳われています。

北欧の税金が高いことは良く知られていますが、現在のVASKは25,5%もあります。1.000クローナの商品を買うなら1.255クローネ必要になります。多くの場合、VASKは価格に含まれて示されていますので自分で計算する必要はありませんが。

ただいわゆる生活必需品とされるものは、低税率グループとして7%のVASKが適用されます。食品、新聞雑誌、アイスランド語の書籍、ホテルの宿泊などが含まれます。つまりVASKは高税率(というか一般税率)グループと低税率グループに二分されているわけです。

新予算案に伴う税率変更案では、高税率グループの税率を1,5%引き下げて24%にし、低税率グループの税率を5%引き上げて12%にすることがいわれています。見込みでは高税率の引き下げで80億の税収減、低税率の引き上げで110億の税収増になるのだそうです。

この変更が実施されるとして、国民にもろに関わるのは食料品の購入のための支出の増大です。平均して年40.000クローネ、収入が平均より下の世帯では年に35.000クローナの支出増になると計算されています。当然庶民からは批判が吹き出しています。

「マイナスだけではない。テレビや冷蔵庫などは安くなるんだ」という説明をするビャルトゥニ・ベネディクトスソン財務大臣ですが、一般の人がテレビや冷蔵庫を買うのは十年に一回程度でしょう?食品は毎日のように買わなければならないんですが...

財務大臣は独立党の党首ですが、政権連立のパートナーである進歩党(という名前の保守党)の議員の間にもこの税率変更に首をかしげる人が多いようです。どうなりますやら。


次はツーリスト関係です。今年の始めから数えて、 国立大学病院にお世話になった外国からのツーリストの数は252人で新記録とのことです。これは入院患者だけで、入院日数は1.406日にも達するとのこと。去年は同じ時期で154人、976日なので確かに大幅増ですね。

入院はしなくて外来だけの人はというと、八月の終わりまでで2.590人、通院数は4.853回!とのこと。このうち1.719人は七八月の時期に来院しているということですから、七割弱は夏の観光者ということになります。夏も舐めてはいかんぜよー。

感染予防課の医師のオーラブル・グビューズロイグスソン氏の話しでは、外国人ツーリストが病気で入院する場合、過去六ヶ月以内に外国での入院歴がある場合、必ず個室に隔離され伝染性のウイルスを保菌していないかどうかの検査を受けなくていけないのだそうです。

これは実はアイスランド人の病院利用者にも大きな影響を持っています。個室をそれだけツーリストにあてがわれてしまっては、自分たちの利用する病室が無くなってしまうからです。ただでさえ病室不足がいわれていますからねえ...

また病院事務局の話しでは、外国のツーリストの場合は保険の関係などで書類仕事が倍増して大変なのだそうです。

ツーリストの方も好きで来院するのではないと思いますが、くれぐれも滞在中の健康管理と怪我をしないように気をつけていただきたいと思います。




勢いを増したホールフロイン地帯での噴火
Myndin er ur Visir.is: eftir Egil Adalsteinsson


最後に火山です。ここのところ噴火の勢いが強まり、溶岩は時に地上百メートル以上にも吹き上げているとのことです。バウルザーブンガ氷河の地盤沈下も依然進んでいるようです。

さらに噴煙もとても強くなっています。噴煙は主に東海岸の方向へ流されていっています。噴煙には二酸化硫黄(亜硫酸ガス)が含まれています。空気中の二酸化硫黄の計測が、一時は一立方メートル当たり4.000マイクログラム近くまで上がりました。

新聞の解説によると、二酸化硫黄は一立方メートルで3.000マイクログラムの濃度になると「相当に危険」なのだそうです。レイザーフョルズルという町を含むオイストフィルジルと呼ばれる東海岸のフィヨルド地帯では、一時「家の中に留まり、窓なども閉め換気扇も使わないように」という警告が出ました。

風向きなどによって、空気中の二酸化硫黄の濃度はかなり急速に変化するようなので、付近の住民の人には「よーく注意報に気をつけているように」と呼びかけられています。

これはツーリストの人にも影響があるでしょう。東海岸を通過できないとしたら、相当旅行ルートを制限されてしまうと思われますから。噴火、もう飽きたから早く終息して欲しいものです。

近々観光に来られる予定の方がありましたら、くれぐれも注意報にPay attention! してください。

国営放送RUVの英語版の火山関係ニュースはこちら


なんか「今週の出来事」的になってしまいました。ニュースを紹介するだけというのは実は楽なんですけどね。自分の思いが入らないと書いていても他人事、という気になってしまいます。ま、たまにはいいか?(^-^;


*都合によりしばらくの間、週に一回のブログ更新になります。m(_ _)m


応援します、若い力。Meet Iceland


藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com
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コメント (2)
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