キリスト教の教会についてどのようなイメージを持っていらっしゃるでしょうか?一般に日本での教会のイメージは ー映画やテレビの影響だと思うのですがー カトリック教会的なイメージで、昼夜を問わず開いていて、祈りを捧げたい人がいつでも自由に入っていって時間を過ごすことができるところ、というようなものではないかと想像します。
私がこちらへ移ってまだ間もない頃、いろいろと頭にくることがあり、ストレスが溜まりきっていた時期があります。ある夏の夜に「祈りに行こう」と思い近所のカトリックの教会へ行きました。夏は夜でも明るいので出やすかったのですが、なんと玄関の扉が施錠されているではありませんか! さらに頭にきました!
後日、神父さんに会った機会になぜ夜間閉まっているのかと問うと「いやあ、結構盗難とかが多いんですよ」とのことでした。いったい何がを盗まれるのかよくわかりませんでしたが、責め立てたくはなかったのでそれ以上深追いはしませんでした。
夜施錠されるくらいは、ある意味では常識的なことかもしれません。盗難以外にも麻薬使用者がたむろしたりとか、マイナスの効果も確かに現実にあり得ますので、それはまだわかります。
しかし、ここの教会にはもっとびっくりすることがあります。夏休みがあるのです。「夏休みって?」と思われるでしょう。文字のごとく夏のある一定期間教会がクローズドになり、営業? を休止するのです。
これは私のように日本の教会に慣れ親しんだ人間にとっては、正直「ショエーッ!!」という感覚でした、始めは。日本の教会ではおよそ考えられないことでしょう(といいながら、もう二十年以上離れてますので、今は違っているのかもしれませんが)。
「根性がない」「どういう理屈だ?」「神様は夏休みに行かないだろ?」
などと私もさんざん悪態をつきましたが、こちらの生活のペースを理解し始めてからはわかるようになってきました。もっともまったく問題がないと思っているわけでもありません。
もうちょっと具体的にいいますと、レイキャビク周辺のいくつかの教会がたとえば七月中は完全に閉まってしまいます。理由のひとつは牧師さんやオルガニスト、クワイアのメンバーなどが夏休みに行ってしまい、通常の活動を維持することができなくなるということです。
理由の第二はやはり教会に出席する人も夏は少なくなる、という事実です。ノルウェーの教会をよく知っている友人とこの問題を話し合った時、彼が言ったのは「トシキ、ノルウェーの田舎の町では、夏には人がいなくなるよ。だから教会も閉まっちゃうよ」ノルウェーよ、お前もか!?

夏休みのある教会のひとつ ロイガネス教会
というわけで、レイキャビクのある数の教会が夏にはクローズドになります。ただ、ここでレイキャビクの別の特徴に触れる必要があります。この市の周辺には教会が多いのです。
ここでは「人口五千人につき教会がひとつあるように」という法に基いて教会が建てられてきました。その結果、教会がかなりあちこちに建っています。これは想像ですが、多分アメリカならひとつの教区というところに七つ八つの教会があるのではないかと思います。
ですから、ある地域にみっつある教会のひとつが開いていれば、あとのふたつが夏休みになっても「実害」というものは少ないのです。実際に「休みの間はこちらの教会へ」というような形で、まったくのブラックホールができないような態勢を取っています。
「いやあ、でも実害とかはなくても、信仰心の問題だろう?」という向きもあるでしょう。それは確かにそうですね。日本の牧師先生方は一年中を通して、たとえ休み中であっても必ず日曜礼拝には参加されるでしょう。
こちらの牧師さんたちはそういう点はやはりスカンジナビア人です(アイスランドは厳密にはスカンジナビアではありませんが)。「休みは休み」といった風情であっけらかんとしています。実はワタシもそうなりました。
日本の教会とアイスランドの教会では、同じキリスト教会(しかも同じルーテル教会を比べても)でもかなりの違いがあります。どちらがいい、というようなことはいちがいには言えません。どちらからも学ぶことができるしょう。
日本の教会は小さくてもエネルギーがありあますが、その分ピリピリして意固地なところがあります。アイスランドの教会はその点おおらかでリラックスしていますが、その分適当に流れてしまう危険があります。
ただこれは、その真っ只中にいる人たちにとっては気がつきがたい問題なので、ワタシのような外様が指摘する必要があることでもあります。と、いうわけで、どうか日本の教会の皆さん、お気を悪くされませんよう。
アイスランドの教会の皆さんも、といってもあんた方は読めないか...(*^^*)
応援します、若い力。Meet Iceland
藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com
Home Page: www.toma.is
私がこちらへ移ってまだ間もない頃、いろいろと頭にくることがあり、ストレスが溜まりきっていた時期があります。ある夏の夜に「祈りに行こう」と思い近所のカトリックの教会へ行きました。夏は夜でも明るいので出やすかったのですが、なんと玄関の扉が施錠されているではありませんか! さらに頭にきました!
後日、神父さんに会った機会になぜ夜間閉まっているのかと問うと「いやあ、結構盗難とかが多いんですよ」とのことでした。いったい何がを盗まれるのかよくわかりませんでしたが、責め立てたくはなかったのでそれ以上深追いはしませんでした。
夜施錠されるくらいは、ある意味では常識的なことかもしれません。盗難以外にも麻薬使用者がたむろしたりとか、マイナスの効果も確かに現実にあり得ますので、それはまだわかります。
しかし、ここの教会にはもっとびっくりすることがあります。夏休みがあるのです。「夏休みって?」と思われるでしょう。文字のごとく夏のある一定期間教会がクローズドになり、営業? を休止するのです。
これは私のように日本の教会に慣れ親しんだ人間にとっては、正直「ショエーッ!!」という感覚でした、始めは。日本の教会ではおよそ考えられないことでしょう(といいながら、もう二十年以上離れてますので、今は違っているのかもしれませんが)。
「根性がない」「どういう理屈だ?」「神様は夏休みに行かないだろ?」
などと私もさんざん悪態をつきましたが、こちらの生活のペースを理解し始めてからはわかるようになってきました。もっともまったく問題がないと思っているわけでもありません。
もうちょっと具体的にいいますと、レイキャビク周辺のいくつかの教会がたとえば七月中は完全に閉まってしまいます。理由のひとつは牧師さんやオルガニスト、クワイアのメンバーなどが夏休みに行ってしまい、通常の活動を維持することができなくなるということです。
理由の第二はやはり教会に出席する人も夏は少なくなる、という事実です。ノルウェーの教会をよく知っている友人とこの問題を話し合った時、彼が言ったのは「トシキ、ノルウェーの田舎の町では、夏には人がいなくなるよ。だから教会も閉まっちゃうよ」ノルウェーよ、お前もか!?

夏休みのある教会のひとつ ロイガネス教会
というわけで、レイキャビクのある数の教会が夏にはクローズドになります。ただ、ここでレイキャビクの別の特徴に触れる必要があります。この市の周辺には教会が多いのです。
ここでは「人口五千人につき教会がひとつあるように」という法に基いて教会が建てられてきました。その結果、教会がかなりあちこちに建っています。これは想像ですが、多分アメリカならひとつの教区というところに七つ八つの教会があるのではないかと思います。
ですから、ある地域にみっつある教会のひとつが開いていれば、あとのふたつが夏休みになっても「実害」というものは少ないのです。実際に「休みの間はこちらの教会へ」というような形で、まったくのブラックホールができないような態勢を取っています。
「いやあ、でも実害とかはなくても、信仰心の問題だろう?」という向きもあるでしょう。それは確かにそうですね。日本の牧師先生方は一年中を通して、たとえ休み中であっても必ず日曜礼拝には参加されるでしょう。
こちらの牧師さんたちはそういう点はやはりスカンジナビア人です(アイスランドは厳密にはスカンジナビアではありませんが)。「休みは休み」といった風情であっけらかんとしています。実はワタシもそうなりました。
日本の教会とアイスランドの教会では、同じキリスト教会(しかも同じルーテル教会を比べても)でもかなりの違いがあります。どちらがいい、というようなことはいちがいには言えません。どちらからも学ぶことができるしょう。
日本の教会は小さくてもエネルギーがありあますが、その分ピリピリして意固地なところがあります。アイスランドの教会はその点おおらかでリラックスしていますが、その分適当に流れてしまう危険があります。
ただこれは、その真っ只中にいる人たちにとっては気がつきがたい問題なので、ワタシのような外様が指摘する必要があることでもあります。と、いうわけで、どうか日本の教会の皆さん、お気を悪くされませんよう。
アイスランドの教会の皆さんも、といってもあんた方は読めないか...(*^^*)
応援します、若い力。Meet Iceland
藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com
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