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レイキャビク西街ひとり日誌 (Blog from Iceland)

北の小さな島国アイスランドはレイキャビクの西街からの、男独りブログです。

愛情表現のカルチャーショック

2015-05-24 05:00:00 | 日記
当たり前の話しですが、文化の違いというものは確かにあります。アイスランドに移ってから、その文化の違いにとまどったり、腹を立てたりしたことは一度や二度ではありません。いわゆる「カルチャーショック」というヤツです。

もう二十年もこちらに住んでいますので、ある程度は慣れてきましたが、それでもいまだに「??」とびっくりさせられることがあります。そこには単にアイスランドと日本の文化の違いということだけではなく、アイスランドの中での古い?文化から新しい文化への変化、というようなものも含まれていると思います。これは日本でも同じでしょうね。

私などは特にもう長く日本を離れているのにかかわらず、「日本はこうだ」という二十年も前のイメージを持ち続けていますので、現在の日本文化のありようと自分の理解が乖離してしまっている点もあります。

例えば食事やお茶をした際には「年長の者、もしくはポジションが上の者がおごるのが当然」というようものが私がサラリーマンをしていた頃の文化でした。そうはいかない場合でも「割り勘」が最低の年長者のたしなみ?でした。

それが今では若い人はそのような形で「恩を売られる」のが嫌だそうで、自分の分はちゃんと自分で払うようになっているとか。これは聞いた話なので、確かめてはいないのですが、本当にそういう風になっているのでしょうか?

たまにこちらで日本から観光や留学に来ている若い人とお茶をして、その勘定をみてあげると「ええ、いいですよー」とか本当にびっくりしていることがありますので、多分「勘定文化」は変わってしまったのでしょうね、実際に。

さて、私がこちらに移ってからこちらの文化に適応した、という面もいくつもあります。「Yes,Noをそのまま受け取る」とか「お酒をしつこく勧めない」とかもそのうちです。これらなどは、帰省した際に逆カルチャーショックになり得ます。気をつけないと「外国かぶれしたヤツだ」などとヒンシュクを買ってしまうかもしれません。

ですが、そういう危険を考慮した上でも「これはもう再適応するつもりはない」というようなものもあります。そのうちの際たるものは「自分の家族について悪くいわない」ということです。

日本の文化では「自分の身内を賤しめて言う」というものがありますね。「身内」というのは実際の血縁関係に限らず、会社や類似の組織団体も含まれることがあります。

自分の子供を「出来が悪いのばかりで」とか自分の伴侶を「愚妻でして」「駄目亭主で」とか言ったりするのが普通だったします。私自身を振り返っても親に褒められた、というのはほとんど記憶にございません、という感じです。

褒められるにふさわしいようなことをした時でも「あんたはまだまだ」とかですまされてきました。新しいバイトで初給料をもらっても「あんた、お金もらってきたの?」といかにも給料に値しない仕事しかできない風情であしらわれたことがあります。

こういうものはアイスランドにはありません。子供は親のことを良く言いますし、親も子供のことをきちんと評価します。「自慢する」というのとは少し違います。賞賛に値することをした時にそれをきちんと賞賛する、感謝にふさわしいことをした時にそれを素直に感謝する、とでもいえばいいでしょうか?

私はこの点に関しては両手を挙げてアイスランド派です。きちんと褒めること、賞賛されることはとても大切なことです。人間関係の基礎にもなります。「身内を賤しめて謙遜を示す」とか「それもまた愛情表現」とかを認める気持ちはまったくありません。そんなのはただ単にTwisted、だと言いたい!

ただ、これも最近は変わってきているのでしょうね。Facebookなどで若いお父さんお母さんが自分の子供の活躍を自慢げにアップしているのをよく見ますから。正常です。そうあるべきだと思います。

ただこれもタイムリーですよ、というか「そうすべき時に」という枠組みはあると思います。枠組みのない愛情表現には辟易させられることもありますから。

仲のいい夫婦なのですが、のべつイチャイチャして公の会議何度でも手を取り合って、何か意見を述べた後はキスし合ってとかしているカップルがあります。私の友達ですし、悪いことをしているわけではないのだけど、見ていてウンザリします。

まあ、ひがみだけど...


応援します、若い力。Meet Iceland


藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com
Home Page: www.toma.is


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